天空から眺めるとこんな感じ? ファンが作ったドラクエXI「命の大樹」ジオラマ

天空から眺めるとこんな感じ? ファンが作ったドラクエXI「命の大樹」ジオラマ

命の大樹から聖地ラムダを見下ろすジオラマ(ちゃむさん提供)

 現実やフィクションの世界を縮小したジオラマは、普段とは違う視点で世界を見られて、作者の見つけ出したアングルに驚かされることもしばしば。

 ドラゴンクエストファンの「ちゃむ」さんは「ドラゴンクエストXI」の“命の大樹”などが登場するファンアートのジオラマをTwitterに投稿。プレイヤーとは全く正反対の位置となる天空からの目線で、作品世界の新しい姿を見せてくれています。

 ちゃむさんは、ジオラマ歴3年目。もともと「ドラクエX」の熱心なプレイヤーで、ライフスタイルの変化でドラクエXを離れざるを得なくなった際、たくさんの思い出を形に残したいと盟友(プレイヤー)のフィギュアを配したジオラマを作ったのが最初なのだとか。

 実はこの作品、単体で成立しているように見えますが「別のクリスマス作品の背景として用意したものなんです」と、ちゃむさんから意外なお答えが返ってきました。作中に登場する“双賢の姉妹”ベロニカとセーニャの幼き日をモチーフにし、クリスマスリースを“魔法の洞窟”に見立てて作った作品の背景なのだそうです。

 クリスマスリースとともに、クリスマスツリーに見立てたのは命の大樹。そしてスケール感を出すため、足元に聖地ラムダを小さく配したということで、ある意味ラムダから始祖の森を抜けて命の大樹に至るルートを、上空から見下ろしているようにも感じられますね。

 まずは粘土を使い、ざっくりと地形を形作ります。頂上に位置する命の大樹ですが、幹は自宅の庭に生えていたドクダミの地下茎を束ねて使っているのだとか。

 下に見えるラムダは粘土で造形。ドーム屋根を持つ大聖堂のほか、小さくてもマップ通りに建物が配置されています。

 大まかに地面を彩色します。地形のへこんだ部分には暗めの色をさし、明暗差をつけて立体感を強調。

 岩にはスポンジやパウダーで緑を追加。ラムダの建物も彩色してジオラマベースに組み込みます。

 レジンで水を作り、綿の雲をまとわせると、ぐっと神秘的な雰囲気が出てきました。

 フィギュアは、ゲーム本編には描かれていない、ベロニカとセーニャの幼い頃にあったであろうクリスマスのエピソードを想像し、形にしています。ベロニカが先へズンズン進み、事情をよく飲み込めないセーニャがついていく、といった構図。

 リースは魔法の小道(洞窟)に見立て、周りにはモンスターたちを配置。この時にはTwitterで登場させたいモンスターをフォロワーさんから募集し、その場で造形していく、といった企画もしたのだとか。

 こうして、完成させたパーツを1つにまとめて完成。睡眠時間を削る無茶をしながら、1か月程度で仕上がったそうです。「最後の工程って組み合わせたプラモデルの部品を組み合わせる感じで、テンションが上がります!」とちゃむさんは話してくれました。

 このほかにも、ちゃむさんはドラクエシリーズ、特に「ドラクエX」をモチーフにしたジオラマ作品を数々作っています。しかも、名場面というよりは幕間など本編では語られていないシーンを作っているのだとか。これについて、ちゃむさんは次のように語ります。

 「Xはドラクエのナンバリングの中ではマイナーだからというのが理由の1つで、メジャーだと公式や誰かが作るし、私が作る必要ないかなって考えちゃうんです。そして名シーンを再現!的なウケるものよりも自分が好きなものを作りたいと思っていて、言うなればジオラマを用いて個人設定の同人誌を描いてるようなイメージです」

 たとえば、ドラクエXに登場する「不思議の魔塔」をモチーフにした作品は、ちょうどゲーム内でリニューアルがあり、塔内部のキャラクターが登場しなくなったタイミングで作られました。額縁に仕込まれたトリック作品的になっており、キャラクターたちは最後の日をどのように過ごしているのかがテーマになっています。

 現在は4つの作品を並行して作っているというちゃむさん。その一部を見せてもらいました。まずは「ドラクエX」に登場する港町、レンドア。接岸したグランドタイタス号とともに、巨大な灯台の下を貫く鉄道が魅力的な風景を作ります。

 建物は指先にのる程度のミニサイズ。それでも船舶管理局の建物は、窓辺の植木鉢など細かなディティールや彩色が施されているのが分かります。

 また「ドラクエX」オフライン版に登場するキャラクターたちを使ったジオラマも。「魅力的なキャラクターたちをジオラマ化して、少しでもドラクエXをやってみたいなと思う人が増えると嬉しい」とちゃむさんは話します。

 このほか、ドラクエXに登場する飛竜を借りながら、ドラゴンと少女が織りなすドラクエとは別の物語をジオラマで表現する試みも進めています。こちらは場面ごとに作られたジオラマで、ストーリーを感じてもらうといった連作になるようです。

 ちゃむさんはジオラマづくりの様子を、随時Twitterに投稿しています。少しずつ世界が完成していく様子を見ていると、作品の中で街が建設されていくようにも見えますね。

<記事化協力>
ちゃむさん(@ChamsilChamsil1)

(咲村珠樹)

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