センターを飾るのは誰だ!? AKB選抜総選挙、今年の“みどころ”教えます

センターを飾るのは誰だ!? AKB選抜総選挙、今年の“みどころ”教えます

公式サイトより

 AKB48のシングル曲を歌うメンバーをファン投票で選ぶ選抜総選挙の季節が、今年もやって来た。今年は「世界選抜総選挙」と銘打ち、AKB48およびSKE48(名古屋)、NMB48(大阪)、HKT48(福岡)、NGT48(新潟)、STU48(瀬戸内)の国内の姉妹グループだけでなく、タイのBNK48、台湾のTPE48からも初めてメンバーが立候補し、今週の土曜(6月16日)には開票イベントがナゴヤドームで開催される。

■速報ではNGT荻野由佳が1位に

 昨年の選抜総選挙で3連覇を達成した指原莉乃は参加せず、2位の渡辺麻友もすでに卒業した今回、はたして誰が頂点に立つのか? 投票開始前よりSKEの松井珠理奈(昨年3位)とHKTの宮脇咲良(昨年4位)の下馬評が高かったが、投票開始2日目の先月30日に発表された速報では、NGTの荻野由佳が昨年に続き1位(昨年は最終的に5位)となり、三つ巴の争いが予想されている。いや、この3人以外にも有力なメンバーは目白押しで、誰が1位になってもおかしくない状況ではある。ひょっとすると海外のグループからも上位に入るメンバーが出てくるかもしれない。

■一ファンとして、今年の総選挙に思うこと

 愛知在住で、これまでライターとして、それ以前にファンとして地元のSKEを中心にAKB48グループを追いかけてきた者としては、ナゴヤドーム開催は感慨深いものがある。そんな私が今年、もっとも注目しているのはやはり松井珠理奈だ。地元での開票イベントの開催、そしてSKEの結成10周年を迎えるタイミングとも重なり、1位への期待はいやがうえにも高まる。

 もっとも、正直にいえば、私はかなり最近まで珠理奈のことがどちらかといえば苦手だった。それは、デビュー時からセンターを務めていた珠理奈を、積極的に推す気が起きなかったからというのもあるし、彼女のセンターへのこだわりや上昇志向が、屈折したサブカル人間の自分にはあまりにもまぶしく、まっすぐすぎたせいでもある。

 しかし、今年の総選挙は珠理奈にぜひ1位になってもらいたいという思いが、ナゴヤドーム開催が決まったときからふつふつと湧いてきた。以下、その理由を説明したい。

■SKE第一幕もそろそろ終わる、と感じた2015年

 選抜総選挙では、2013年の第5回あたりからSKEのメンバーが多数ランクインするようになった。グループとしても、これと前後して紅白歌合戦に初出場をはたし(12年)、ナゴヤドームで単独コンサートを開催する(14年)など躍進の時期だった。一方で、毎年春先になるとメンバーの卒業があいつぐのが恒例のようになっており、グループの先行きを心配させたが、そのたびに新たなメンバーが台頭し、勢いが衰えることはなかった。こうした傾向のせいか、SKEのファンには、特定のメンバーを応援するというよりは、グループ全体を応援する「箱推し」が、ほかの姉妹グループとくらべても多いといわれる。

 選抜総選挙でのSKEの強さも、そんなファンに支えられてのことだ。2015年には、ランクインしたメンバーの数がAKB本体を上回り、SKEがついに“与党”になった。折しもこの年、結成からの足跡をたどった映画『アイドルの涙 DOCUMENTARY of SKE48』が公開され、さらにSKEのデビュー以来ほとんどのシングルで珠理奈とWセンターを務めてきた松井玲奈が卒業を発表、豊田スタジアムで卒業コンサートが開催された。それらの祭りを楽しみながらも、SKEの第一幕もそろそろ終わると感じたファンは自分だけではないはずだ。

 はたして、ここ数年のSKEは、いままでの昇り調子から一転して逆境ともいうべき時期が続いてきた。紅白への単独出場も2015年以降ない。テレビ各局の音楽番組でもSKEが単独で出演する機会は減り、地元の冠番組までもが一時消えた。そのなかで、私はようやく珠理奈がグループにいることの大きさに気づくことになる。

■「まだまだ、まだまだ成長したい」

 昨年9月、名古屋・日本ガイシホールで、同日夜のAKB48グループのじゃんけん大会を前に開催されたSKEの単独コンサートは、珠理奈と同じ1期生の大矢真那の卒業コンサートとなり、おおいに盛り上がった。その終演後には大矢の囲み取材が行なわれたのだが、私たちメディア関係者が会見場に向かう途中、狭い通路にSKEのメンバーが勢ぞろいし、グループを代表して珠理奈が次のようにあいさつした。

「最近、メディアのみなさんだったり周りの方に、SKEの勢いがどんどん出てきたねと言っていただけることがすごく増えたので、でもまだまだ、まだまだ成長していきたいなと思っておりますので、みなさんこれからも私たちに力を貸していただけたらすごくうれしいなと思います」

 たしかにこのころにはSKEは徐々に復調のきざしが見えていたとはいえ、「まだまだ」を2回繰り返したあたり、まだ安心はできないという危機感がうかがえた。

■AKBを停滞から救ったのは珠理奈だった

 その翌月に名古屋・栄のSKE48劇場オープン9周年を祝い、前夜祭として行なわれたメンバーによるトークショーでは、MCを務めた安田大サーカスのクロちゃん(熱烈なアイドルファンとしても知られる)が締めくくりに、ここしばらくメディアへの露出が減っていたSKEへエールを送った。これに思わず感涙したのが珠理奈と須田亜香里である。二人ともソロでの活動も多く、現在のSKEを代表する存在だけに、グループに対する責任感はどのメンバーよりも強い。とくに珠理奈は、松井玲奈の卒業以来、SKEの牽引役を一身に担ってきただけに、なおさら自分の不甲斐なさを感じていたのではないか。

 じつは、珠理奈はこれ以前、AKBでもグループを停滞から救う役回りを担ったことがある。それはSKEが結成された2008年のこと。AKBはこの年、06年のメジャーデビュー楽曲をリリースしてきたレコード会社との契約が終わり、キングレコードに移籍して再びCDを出すまで、配信限定となった9作目を挟んで8ヵ月も待たねばならなかった。この“空白期間”を経て同年10月にリリースされたAKBの10thシングル「大声ダイヤモンド」で、前田敦子とWセンターに抜擢されたのがSKEの珠理奈だった。彼女はこのときまだ11歳の小学6年生ながら、同シングルのジャケット写真も単独で飾っている。

 起死回生をかけたシングルで、まだ無名の新人をセンターに据えたのは運営側としても賭けであっただろう。しかし突如として地方から現れた小学生にセンターを奪われ、AKBのメンバーたちは奮起した。これを機に、それまでアキバのアイドルというイメージが強かったAKBは国民的アイドルへと駆け上がっていったのである。

 あれから10年。初期にグループの中心となったメンバーの多くが去り、AKBに対する世間の注目度はかつてほどではなくなっている。10回目となる選抜総選挙は、ぜひ、そんな停滞ムードを打ち破るきっかけとなってほしい。それにはやはり珠理奈の力が必要なのではないか。

■珠理奈がトップに立ってほしい、2つの理由

 選抜総選挙はもともと、シングル曲を歌うメンバーを運営側ではなくファンが自分たちで選びたいという要望を受けて2009年から始まった。運営側の選考ではシングルでセンターになったことのない指原莉乃が、センター常連の大島優子や渡辺麻友を押さえて総選挙で通算4度も1位になり、その座を射止めたのは、まさにこの趣旨にかなっている。

 こうした先例からすれば、AKBのシングルではまだセンター経験のない荻野由佳が1位になってもおかしくない。個人的にも、荻野のほか、前出の須田亜香里(昨年6位)や、AKB48に在籍しながらSTU48のキャプテンを昨年の結成時から務める岡田奈々(昨年9位)が1位になるところはいつか見てみたい。

 だが、今年にかぎってはやはり松井珠理奈がトップに立ってほしい。それは、10周年を迎えるSKEの幸先のよい再スタートと、10年前と同様にAKBに漂う停滞ムードの打破を期待してのことだが、もう一つ、彼女にはここまでSKE48のために背負ってきたものをいったん下ろしてもらい、個人としてこれから進む道をじっくり考えてほしいと思うからでもある。本人の性格からいっても、総選挙で1位にならないことには、次のステップへ進めないのではないだろうか。

 とはいえ、1位になったらなったで、負けず嫌いの珠理奈のこと、今度は前人未到の総選挙4連覇をめざすのではないかという気もしないではないが。

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※AKB総選挙、今年は記念すべき第10回目。これまでの総選挙史を振り返りましょう! こちらもあわせてお楽しみください。 「クイズ王・古川洋平からの挑戦! AKB総選挙史おさらいクイズ!」

※6月16日(土)20:00〜ニコニコ生放送で配信する「直撃!週刊文春ライブ」では、毎年恒例AKB48選抜総選挙の裏実況をしちゃいます! ぜひご覧ください。
http://bunshun.jp/articles/-/7580

(近藤 正高)

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