“伝説の応援団長”ジントシオが、奈良大附属の応援歌を作るまで

“伝説の応援団長”ジントシオが、奈良大附属の応援歌を作るまで

羽黒に競り勝ち、1回戦を突破した奈良大附属 ©共同通信社

 2018シーズン、楽天イーグルスの応援はもっと熱く、もっと楽しく、もっとパワフルに進化するをコンセプトに応援プロデュースチームを結成した。

 球団・私設応援団有志メンバーが一体となり応援をプロデュースするのだが、そのメンバーの一人に千葉ロッテマリーンズの応援団長の経歴をもつジントシオさんが加わった。

 キャッチーなフレーズに一度聞いたら忘れられないワクワクさせるメロディー。

 ジンさんと言えばプロ野球のみならず、千葉ロッテマリーンズの応援をやってみたいという高校にはどんどん楽譜を無償提供し、今では甲子園に高校野球を観に行けば千葉ロッテマリーンズの応援歌を聞かない日はない。

■甲子園で鳴り響く「雨高」の応援歌

 実はそんなジンさんが今年「アメトーーク!」の高校野球大好き芸人の企画で雨高の応援歌を作ってくれたんです。

 そもそも番組打ち合わせの時に僕自身が応援歌を作れたらと言い出した事がきっかけだったのでそれを形にしてくださった事が非常に嬉しかった。そして現在行われている第100回全国高等学校野球選手権記念大会で北照、鹿児島実業、創志学園などが既に甲子園で演奏してくれ、実際アルプススタンドで流れるメロディーを耳にした瞬間は、感動というよりも嬉しさのあまり逆に静かに噛みしめる自分がいました。受験の合格、ここ一番の仕事がうまくいった時に似ているかもしれない。ずーっと心の奥で嬉しいのだ。

 ただ今回ジンさんが手掛けた楽曲はそれだけではない。これは誰も知らない応援歌のお話。20日ほど前になるだろうか、7月も後半に差しかかったある日、雨高の応援歌を作ってくださった事や楽天のつながりもあり、ジンさんから初めて連絡をいただいた。

「奈良大附属に楽譜を送ってあげたいのですがかみじょうさんなら知り合いはいませんか?」

 どうやら高校野球奈良大会で奈良大附属がジンさんの曲を使っていたが耳コピで演奏していたため少し違う感じになっていたようだ。偶然にも僕が奈良大会のダイジェスト番組をやっていた事もあり、知り合いの方に協力してもらいなんとか楽譜を渡す事ができた。そしてあれよあれよで奈良大附属は決勝戦まで勝ち上がる。決勝の日、スタンドに顔を出した僕に吹奏楽部の方が声をかけてくれた。

「お陰様で正確な曲が決勝で演奏できてますっ。ありがとうございます!」

 僕は何もしてないのだが……。

■「奈良大附属のオリジナル応援歌作ったら?」

 そんな奈良大附属は決勝で昨年の王者天理を倒し、見事初の夏の選手権出場を決めた。

 そして吹奏楽部の方の言葉を直接伝えねばと7月30日にバファローズ3連戦前夜という事で関西に乗り込んでいたジンさんと初めての飯会を開く事に。応援仲間や奈良大附属とのパイプを繋いでくれた方々とワイワイ盛り上がる。楽しすぎるとできるできないではなく夢のような話になるもので……、

「もう、これも何かの縁やし、奈良大附属のオリジナル応援歌作ったら?」

 もう一度言っときます。これは7月30日の夜更けのお話。夏の選手権は8月5日開幕、いちから作詞作曲、それを学校の吹奏楽部が覚え、野球部に振り付けし……まぁ夢のお話で、

「作りましょか!」

 ジントシオー!

 失礼を承知で言わせてください。きっとバカです。愛すべきバカヤローなのです。

 そうと決まれば早かった。次の日のお昼前には学校に到着。奈良大附属に繋いでくれた方の協力もあり、野球部員の前でシンセサイザーを打ち鳴らすジンさんの動画が送られてきた。

 凄いよね。

 気持ち一つで即行動。できるできないじゃない。やるかやらないか。ジンさんの「応援」というものへの凄まじい情熱を感じながら、8月3日には楽譜が完成したとの連絡があった。

 野球部のみんなと相談して曲名は「青のプライド」。天理は紫、智辯学園は赤、青の新しい歴史が始まる!

 雨高の応援歌に青のプライド、楽天の応援にジン力を注いでくれる男が100回目の夏を盛り上げてくれる。

 ちなみに報徳学園の2番村田選手は兵庫大会でウィーラー選手の応援歌を使っていた。聖光学院の主軸も近年甲子園でウィーラー応援歌を使う。8月11日の第3試合で両者の激突がある。

 高校野球にちりばめられたイーグルスを探すのも僕の一つの楽しみとなっている。

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(かみじょう たけし)

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