坂東玉三郎「8歳の頃に見た舞台“道成寺”の記憶」

坂東玉三郎「8歳の頃に見た舞台“道成寺”の記憶」

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「5人でやることでその華やかさ、楽しさを味わってほしい。口伝よりも一緒に舞台に立つことで伝わるものがある」という玉三郎の思いで、あまりにも豪華な『娘道成寺(むすめどうじょうじ)』が実現したのは、一昨年の12月。玉三郎を筆頭に、次代を担う中村勘九郎、中村七之助、中村梅枝、中村児太郎が共演。

「勘九郎さんが、“道成寺に出たい人は星の数ほどいる”と言うのを聞いて、“その感覚を忘れていた”と気づかされました」

 実は玉三郎には忘れられない道成寺の記憶があった。

「私が8歳の頃に見た舞台です。東京体育館で俳優祭が行われ、歌舞伎役者6名、新派2名で道成寺を踊ったのです。水谷八重子さんらが四方で踊る様子は、すばらしかった」

 華やかな記憶をインスピレーションに、玉三郎は今回の構成を考案した。

「5人でどうやって踊ろうかと考えた結果がフォーメーションを組むことでした。歌舞伎座という大きな舞台といえども、5人が一斉に踊るとぶつかるんです。組み合わせの工夫が必要でした」

 揃いの衣裳で舞う姿は、まさに圧巻。師走の歌舞伎座を沸かせた。この華やかな舞台は何台ものカメラで撮影され、玉三郎編集によりこのたび映像作品となった。

「インタビューや、舞台裏のシーンも入れ、ドキュメンタリー風にしました。役者独特の感覚かもしれませんが、華やかなものが終わっていく淋しさも籠めました」

INFORMATION

シネマ歌舞伎『京鹿子(きょうかのこ)娘五人道成寺/二人椀久(ににんわんきゅう)』
1月13日より公開
http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/

(「週刊文春」編集部)

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