降板時にデス・パーティーを開催!? 『ウォーキング・デッド』の興味深いトリビア10選(後編)

降板時にデス・パーティーを開催!? 『ウォーキング・デッド』の興味深いトリビア10選(後編)

『ウォーキング・デッド』Blu-ray BOXより

(前編はこちら)

6.キャストのマグショットが存在する

 シーズン2から登場した農場のオーナー兼獣医師で、頑固だがなにかと頼れる、善人キャラクターのハーシェル・グリーン。髪も眉毛もひげも白い穏やかな風貌だが、彼のマグショットが流出する騒ぎがあった。ハーシェル役を演じるスコット・ウィルソンが、飲酒運転で逮捕されてしまったのだ。

 スコットは2012年8月18日午前2時、スピード超過で警官に車を停止させられた際、飲酒運転だったことが発覚。シーズン3を撮影しているジョージア州セノアのレストランバーでスコッチやワインをしこたま飲んでおり、警官に「道路が傾いている」「ヨガをしたい」と意味不明なことを訴えていたそう。マグショットは、撮影の最中ということもあり、ハーシェルそのまま。

 シーズン5から登場する神父のゲイブリエル・ストークス。演じるのはセス・ギリアムだが、彼も飲酒運転で逮捕されており、マグショットがネットに出回っている。15年5月3日深夜にスピード違反で警官に止められ、飲酒運転がバレた上にマリファナ所持容疑で逮捕。スコット同様、「神父ゲイブリエルのマグショット!」だとネットをにぎわせた。

 ちなみにウォーカー役のエキストラ、シャノン・リチャードソンという女優は、13年5月に当時のオバマ大統領やブルームバーグ・ニューヨーク市長に猛毒リシンを入れた封書を郵送したことで逮捕。禁錮18年の刑に処されている。

7.シーズン3で死ぬはずだったキャロル

 ウォーカーがはびこる壮絶な世界でサバイブしていく『ウォーキング・デッド』のキャラクターたちは、シーズンが進むにつれ、みんな強くなっていく。中でも最も強く変化したのは、キャロル(メリッサ・マクブライド)だろう。

 キャロルは最初、DV夫に共依存していた弱々しい女性だったが、夫が死に、ウォーカー化した一人娘も倒され、シーズンを重ねるにつれて精神的に強くなった。誰よりも現実的に物事を考えられ、実行力もあるため、番組にはなくてはならない重要なキャラクターとして人気を集めているのだが、当初はシーズン3でウォーカーにかまれて死ぬという設定だった。同シーズンで、Tドッグ(アイアン・シングルトン)が己を犠牲にしキャロルを逃すシーンがあるが、もともとはキャロルがウォーカーの餌食となり、Tドッグが助かる予定だった。脚本家たちは「これ以上、キャロルを生かしてもうまく使えない」と思ったからだ。

 しかし、現場で指揮を執るスコット・ギンプルは、「番組にとって彼女は使える存在になる」と確信し、キャロルを生かすと書き換えた。その確信通り、キャロルは大きく成長し、「使える」キャラクターとなったのだった。

8.ジュディス役を演じるのは複数の子役たち

 主人公であるリックの妻ローリが命を懸けて出産したジュディス。自分の子どもではない可能性が高いものの、リックは娘のために崩壊する心を必死に立て直し、前に進む。まだまだ小さな幼児だが、番組にはなくてはならない「希望」を象徴するキャラクターでもある。

 通常テレビドラマにメインキャラクターとして登場する子役には、双子がキャスティングされ、交互に撮影を行う。しかし、『ウォーキング・デッド』は一定に時間が進んでいくわけではないため、子役の成長が追いつかない。そのため、エピソードごとに合う月齢/年齢の子役を用意し、18年4月までに16人の子役がジュディス役を演じてきた。人気ドラマ『ストレンジャー・シングス』で愛らしいホリー役を演じている双子の子役アニストン&ティンズリー・プライスもジュディスを演じていた。

9.『ブレイキング・バッド』後の世界が舞台!?

 米3大ネットワークの1つNBC、『Sex and the City』などの大ヒットドラマで知られる人気ケーブルチャンネルのHBOから放送を断られ、『マッドメン』と『ブレイキング・バッド』で知名度を上げたケーブルテレビAMCに拾われた『ウォーキング・デッド』。クリエーターやプロデューサーたちは、AMCへ感謝の気持ちを込めて『ブレイキング・バッド』が前日譚だと匂わすような演出を細かくちりばめられている。『ブレイキング・バッド』は、余命わずかな高校教師が家族に財産を残すため、麻薬精製という危険な副業に手を出すという内容。

 『ウォーキング・デッド』シーズン2で、ダリル・ディクソン(ノーマン・リーダス)が負傷して苦しむTドッグに、兄メルル(マイケル・ルーカー)の荷物の中から鎮痛剤をあげるというシーンがあるのだが、その袋の底に青いクリスタルのようなものが入っている。『ブレイキング・バッド』視聴者ならこのクリスタルを見て、「主人公ウォルター(ブライアン・クランストン)が密造していた麻薬ブルーメスだ!」と、ピンときたことだろう。

 また『ウォーキング・デッド』シーズン4では、メルルがブルーメスの売人について、「誰のことも“ビッチ!”と呼ぶ男だった」と説明。『ブレイキング・バッド』に出てくるジェシー(アーロン・ポール)の口癖は、ズバリ「ビッチ」。そのことから「メルルはジェシーからブルーメスを購入していたに違いない」と話題になった。

 ほかにも、『ブレイキング・バッド』で登場した車を『ウォーキング・デッド』シーズン1で登場させるなど、『ブレイキング・バッド』を思い出させるシーンが多いことから、ファンの間で「ブルーメスが人々をゾンビ化させたのでは?」という説が流れるように。米カルチャーイベント「コミコン」で、ファンが『ウォーキング・デッド』の原作マンガの作者ロバート・カークマンにこの説の真偽を問いかけたところ、彼はすごくうれしそうな顔になり「あぁ、そうなんだよ」と冗談めかして答え、ファンを大喜びさせた。

10.「さよならパーティー」ではなく「デス・パーティー」

 放送年数が長い海外ドラマでは、降板するキャストの収録最終日に、撮影現場でちょっとした「さよならパーティー」を開くことがお決まりとなっている。キャストのためにケーキを用意して、食べながら最後の会話を楽しむのが定番だ。キャスト仲が悪い場合には開かれないこともあり、流出した「さよならパーティー」の写真を見て「仲良くてよかった」と安堵するファンもいる。

 『ウォーキング・デッド』ではキャストが降板する時に、「さよならパーティー」ではなく「デス・パーティー(死のパーティー)」を開くとのこと。同番組では、「降板=死ぬ」ことなので、こう呼ばれるようになったという。番組プロデューサーは、「うちはキャストもクルーも、みんな仲が良いからね。毎回、誰かが降板する時は、心の底から悲しむのさ」と明かし、みんなでテーブルに着き、料理を食べながらこれまでの撮影を振り返り、「もう一緒に働けないだなんて、本当に寂しいな」「これからも絶対に連絡を取り合おうな」などと約束するのだと語っている。

 ちなみにこの「デス・パーティー」では、降板するキャストのための特注ケーキを食べるそうだが、ケーキ屋の店員が情報をリークしてしまうことを警戒し、「バースデーパーティーだといって、大きなケーキを発注する」とのことだ。

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