ある弁護士夫夫(ふうふ)の奮闘「弱者は法律から一番遠いところに置かれている」

ある弁護士夫夫(ふうふ)の奮闘「弱者は法律から一番遠いところに置かれている」

戸田ひかるさん

 東京国際映画祭・日本映画スプラッシュ部門の作品賞を受賞するなど、各国の映画祭で熱烈に迎えられた『愛と法』がいよいよ日本で公開される。

 監督は欧州で長く活動していた戸田ひかるさん。大阪の下町で法律事務所を営む弁護士夫夫(ふうふ)カズ(南和行さん)とフミ(吉田昌史さん)の姿を描くドキュメンタリーだ。

「2012年に2人に出会い、お互いの弱い部分も欠点も全て受け入れ、支えあっている関係性に強く惹かれました」

 カズとフミのところには全国から“困っている人たち”がやってくる。養護が必要な子ども、戸籍を持たない女性……。いつも笑顔を絶やさない2人だが、フミが静かに涙を流す場面がある。

「法律は弱者のためにあると思われていますが、実際には弱者は法律から一番遠いところに置かれている。そして、余裕を失い追いつめられると、弱者が弱者を差別するという事態も起きてしまうんです」

 戸田さんは10歳から海外で育った。日本人でありながら「外側」の視線を持った戸田さんの目に映ったのは、異様な同調圧力の中で生きることを強いられる日本社会だった。

「“マイノリティ”の人だけの映画だと思われるかもしれませんが、誰でも人とは違うマイノリティの部分を持っているはずです。お互いの自分らしさを大切にするきっかけになれば嬉しいので、幅広い人に見て欲しいです」

INFORMATION

映画『愛と法』
9月29日(土)より 渋谷・ユーロスペースほか全国順次ロードショー
http://aitohou-movie.com/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2018年10月4日号)

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