良くも悪くも「大人」になった関ジャニは、どこへ行くのか――近田春夫の考えるヒット

良くも悪くも「大人」になった関ジャニは、どこへ行くのか――近田春夫の考えるヒット

絵=安斎 肇

『ここに』(関ジャニ∞)/『ブラン・ニュー・アニバーサリー』(B2takes!)

 またまた私ごとで恐縮です。38年ぶり!?にソロアルバムをVictorから出すことと相成りました。詳細はアルバム名の『超冗談だから』で検索していただいて、何卒、お暇な折にでもチェックしていただければ幸いです。

 さてさて。ここ最近の(広義でいうところの)アイドル界の動向を巡っては、世の中何だかやたらとかまびすしい。ジャニーズ関連のみに絞ってみても、連日ネタには事欠かないといって決して過言ではない、そんな我が国である。

 俺がよくわからないのが、アイドルにとっての性愛の問題だ。昨今の殆どのそっちの分野での醜聞は、貞操帯着用の義務化!?ぐらいで簡単に解決するでしょうに(笑)。

 おっと、いま閃いた。あの事務所なら“貞操隊”なんてぇグループ名はあってもいいわよねェ。あるいはTOKIOにならってMISAOとか……。

 なんにせよ、人気者らしく話題には事欠かぬメンバーを擁する関ジャニ∞であるが、下半身は俺にはどーでもいい。肝心なのは楽曲だ。興味はその一点に絞られる。

 彼らのデビューからしばらくは、本当に面白くまたちゃんとカッコいい、そんなシングルの連発だった。思い起こせば、まさに“関西”の“ジャニーズ”なるものを体現してみせてくれていた。

 てな訳で今週は久しぶりの“関ジャニ∞拝聴の巻”なのだが、はやくも『ここに』というタイトルに一抹の不安を覚えざるを得ない俺であった。

■“一生懸命生きていけば報われる系”の歌詞世界

 すなわち何か暗黙のうちにふりまかれるような、この妙に地味でマジメな佇まいの三文字。大地震のあとなどのjpopによく見られた“もっともらしさ&やさしさ満載の極致”といったらば怒られるかな? あの手の、あからさまに人の心を打つこと主眼の企画だったらヤだなぁとか思いつつ、検索を始めた。すると……。

 おや? ありがたやネットでタダで観れんじゃんさ! そんな塩梅でしたので楽曲のチェックをしてみると案の定、私の想像を決して裏切りはしない、一生懸命に生きていけばきっと報われる系? の歌詞世界が待っていた。

 まぁ、そのあたりについては個人的な好き嫌いに属する話だ、単に俺は分別臭いのが苦手というだけで、この歌に感動し勇気づけられる善男善女も、多分多いことだろう。

 ただ、なんとなく昔の関ジャニ∞のハッチャケぶりを楽しんできた人間からすると、良くも悪くも大人になったんだなぁという“感慨”はある。

 作曲的には、一種軽いミニマル感を持っていたりもして、jpopとしてはちょい前の時代にはなかったテイストが少し盛り込まれているし、売り上げも良好とのことで、今回のシングル、ひとつ彼らのステップアップ/イメージチェンジには有効だったようだ。

 B2takes!。

 いくらアイドルとはいえ、ここまでキラキラな音響は前代未聞だぁ! あっそうか。そもそも歌詞が、♪キラキラだったの忘れてました(笑)。

(近田 春夫/週刊文春 2018年10月4日号)

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