格差問題や難民問題……ファストファッション業界の内幕 「グリード ファストファッション帝国の真実」を採点!

格差問題や難民問題……ファストファッション業界の内幕 「グリード ファストファッション帝国の真実」を採点!

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■〈あらすじ〉

ファストファッション・ブランドの経営者として莫大な富を築いたリチャード・マクリディ卿(スティーヴ・クーガン)は、60歳の誕生日を祝うために、ギリシャのミコノス島に滞在中だ。違法すれすれの金融取引や脱税疑惑、縫製工場での労働搾取などにより、彼はマスコミから“グリーディ(強欲な)”・マクリディと揶揄されていた。イメージを回復すべく、盛大なパーティーを催そうとしていたが、彼の傲慢な言動により、家族や部下との間に軋轢が生じ始める。

■〈解説〉

「TOPSHOP」などを保有していたフィリップ・グリーン卿をモデルにした主人公の、成功と転落の物語。ファストファッション業界の内幕や搾取の構造、格差問題や難民問題にも切り込む社会派ドラマ。監督・脚本は『イン・ディス・ワールド』で知られるマイケル・ウィンターボトム。104分。

中野翠(コラムニスト)

★★★☆☆貧民をくいものにする俗悪「セレブ」という図に耐えられず。直球のドキュメントか、捻った悲喜劇に徹してほしかった。

芝山幹郎(翻訳家)

★★★☆☆喜劇と悲劇とモキュメンタリーを混ぜているのだが、どの部分も紋切型でじれったい。もっと面白く撮れる題材なのに。

斎藤綾子(作家)

★★★☆☆えげつなさが強烈。安い労働力で大量生産する服飾実業家一族を笑うだけじゃない、グローバル化の闇をキラキラ映す。

森直人(映画評論家)

★★★★☆『甘い生活』の遠い親戚。セレブカルチャーなど西欧の虚栄や退廃をパワフルな笑いで抉る。主演クーガンの芸も高速回転。

洞口依子(女優)

★★☆☆☆ファストファッションを通じて覗く西洋資本主義の栄枯盛衰。辛辣な展開に苦笑するも風刺に弱いファストフードな大味。

『グリード ファストファッション帝国の真実』(英)
6月18日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
http://greed-japan.com/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年6月24日号)

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