《土方歳三伝説》近藤勇に贋作を売った刀屋に「よいな、あれは本物だぞ」と言い含める

《土方歳三伝説》近藤勇に贋作を売った刀屋に「よいな、あれは本物だぞ」と言い含める

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 幕末動乱期の京都の治安維持を任務として結成された新選組。局長である近藤勇は天然理心流の剣豪で、その差料である名刀「虎徹」は、尊王攘夷派の浪士の間で恐れられていた。

 近藤の虎徹は、江戸を発つ直前に刀屋から入手したものだった。その近藤の愛刀が、実は贋物であるという噂が……。新選組局長の差料の真贋は、隊の武威そのものに関わってくる大問題だ。

 「鬼の副長」土方歳三は、近藤に贋物を売りつけた刀屋を呼びつけ、意外な申し出をする。その顛末とは……。

 司馬遼太郎原作 『新選組血風録』 のコミカライズ版第2巻から、近藤勇の差料をめぐる騒動を扱った「虎徹」をご紹介する。

【マンガ】『新選組血風録』「虎徹」第1話はこちらから

■格安で手に入れた名刀

 試衛館師範の近藤勇は、幕府の浪士募集に応じて京に上がる直前、刀屋で「虎徹」を二十両という破格の値段で入手する。虎徹は名刀として知られ、当時の心掛けある武士は競って求めた。しかし半面、贋物も多かったのだ……。

 京都で新選組を結成したばかりの頃は、近藤自ら市中巡察に出ることもあった。ある日、豪商・鴻池の別邸で不審な気配が……。近藤の虎徹が鞘から飛び出すように気を放つ──!

 不審な人影は、不逞浪士が尊攘資金と称して富家へ押し込む「御用盗」だった。近藤はたちまち強盗らを斬り捨てる。「虎徹は斬れる!」

■「これは虎徹ではない」

 試衛館時代の仲間である斎藤一が、江戸からやってきた。斎藤は剣の達人であると同時に無類の刀好きでもあった。斎藤は近藤の虎徹を見て、「先生、これは虎徹ではありませんよ」と断言する──。

 近藤は刀屋に騙されたことを悟った。しかし、「これは虎徹だ。斎藤君もそう心得てくれ」と語る。「すでに隊内でわしの虎徹は広まっている。刀は銘の如何ではなく、生かし方なのだ」

 御用盗の一件で、豪商・鴻池の本宅へ招待された近藤。鴻池から正真正銘の虎徹を譲り受けることになった。鴻池は動乱の時代を生きるため、新選組に恩を売っておきたかったのだ。

 喜んだ近藤はその後、鴻池虎徹を帯びて市中に出るようになった。ある日、料亭からの帰りに刺客団に襲われた。

 近藤はひとりで刺客団と相対するが、本物の虎徹はなぜか「斬れなかった」……!

  

■「そちは商売上手だな」

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?? 九死に一生を得た近藤は、斎藤一に「天下の富豪の持ち物だが、あれは贋物だよ」とうそぶく。しかし、斎藤は「これは間違いなく本物ですよ。いくら虎徹でも相手が鎖の着込みをつけていては斬れません」と答える。

 一方、土方歳三は近藤の「虎徹信仰」にあきれながらも、新選組の威名を高めるため、策を弄する事を決意する。近藤に贋物を売りつけた刀屋を呼び出し、「よいな、あれは正真正銘の虎徹だぞ」と言い含めさせたのだ──。

 続きは、コミック 『新選組血風録(二)』 でお楽しみください。

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(文春コミック/文春コミック)

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