さえない16歳の少女が辛口音楽批評家に…富と名声を手に入れたが、越えてしまった“一線” 「ビルド・ア・ガール」を採点!

さえない16歳の少女が辛口音楽批評家に…富と名声を手に入れたが、越えてしまった“一線” 「ビルド・ア・ガール」を採点!

© Monumental Pictures, Tango Productions, LLC, Channel Four Television Corporation, 2019

■〈あらすじ〉

1993年、イギリス郊外。16歳のジョアンナ(ビーニー・フェルドスタイン)は貧しいが優しい家族、豊かな想像力、そして文才に恵まれていたが、学校では冴えない子扱いをされて悶々としていた。音楽マニアの兄の勧めで、大手音楽誌のライター募集に応募した彼女は、“ドリー・ワイルド”というペンネームで瞬く間に人気ライターとなる。ところが、取材をしたミュージシャンのジョン・カイト(アルフィー・アレン)に夢中になり、冷静な原稿が書けなくなってしまう。編集部のアドバイスで辛口音楽批評家として返り咲いたジョアンナは、富と名声を手に入れるが、越えてはいけない一線を越えてしまう。

■〈解説〉

90年代前半の英国音楽シーンが舞台。主人公が冴えない自分を変えようと奮闘する青春映画。コーキー・ギェドロイツの長編映画監督デビュー作。105分。

中野翠(コラムニスト)

★★★★☆90年代初頭のポップな時代色(音楽、ファッション)、考える隙を与えないスピーディな展開。階級社会の影も感じつつ。

芝山幹郎(翻訳家)

★★★★☆語りがくどくて自制心にも欠けるが、弾みのよさが欠陥を上まわる。水面を跳ねる丸い石ころが、沈みそうで沈まない。

斎藤綾子(作家)

★★★★☆立ち止まらずに驀進する16歳がただの美少女じゃないのがいい。多感な年頃に誰と出会うか真っすぐな欲望と愛嬌に☆。

森直人(映画評論家)

★★★☆☆主演者のアイコン力が光る。ただ不快さに傾く炎上キャラへの道行きはもっと慎重に調整して欲しい。家族の優しさが◎。

洞口依子(女優)

★★★☆☆『レディ・バード』や『ブックスマート』を経て尚、カリスマ的演技が光るビーニー・フェルドスタイン。成長譚としても星。

『ビルド・ア・ガール』(英)
10月22日(金)より新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
https://buildagirl.jp/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年10月21日号)

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