「空き地の土管に子猫がいっぱいいて…」マンガみたいな猫の拾い方をした作者が、猫マンガを描くまで

「空き地の土管に子猫がいっぱいいて…」マンガみたいな猫の拾い方をした作者が、猫マンガを描くまで

©文藝春秋

「文春オンライン」で保護猫2匹との生活を描いた「 あざらし、猫をかう。 」を連載中のフナカワさん。現在は保護猫のハクとアワと一緒に暮らしているが、初めて猫を飼い始めたのは小学生の頃まで遡る。その時の猫が、LINEスタンプやグッズ展開で人気を博しているオリジナルキャラクター「チャンミー」の元になっているそうだ。

■土管の周りに子どもが群がっていて、中を覗いたら…

ーー連載が始まる前は、これまで飼っていた猫の思い出を描く案も出ていましたね。

 そうですね。最初に飼った「みーちゃん」のネームも描きました。

 元々は捨て猫で、僕が小学2年生の頃に拾いました。拾った場所は近所の広い空き地で、ある日空き地の土管の周りに子どもが群がっていて。中を覗いたら子猫が沢山入っている箱が置いてあったんです。「拾ってください」というメッセージもあったかな。気づいたら1匹持って家に帰っていました。それがみーちゃんだったんです。

 ちなみにみーちゃんは鍵しっぽなんですが「自分が運んでいる間に強く握りすぎて、曲がってしまったんだ」と思い込んでいました。

ーー何匹もいる中からなぜみーちゃんを選んだのですか?

 柄が一番印象的だったので。中には真っ白の子もいましたね。今になって思うと、両親が雑種同士だったのかもしれません。他の子たちがどうなったのかは分からないです。

ーー家族から「元いた所に返してきなさい!」と叱られませんでしたか?

 生まれたてホヤホヤみたいな状態で、自分で動けないくらいの赤ちゃんだったからか「返してきなさい」とも言われなかったですね。

 ひとまずうちで育てて、2〜3か月経ったら祖母の家に連れて行こう、という話になりました。祖母は猫や犬を飼い慣れている人だったんです。

ーーでは数か月でお別れを?

 その予定だったんですが…。祖母の家まで車で連れて行く日に、後部座席に座っていた姉の膝に乗っていたみーちゃんがずっと震えていて…それを見て、両親も可哀想に思ったんでしょうね。結局連れ帰って、家で飼うことになりました。

■遊んでいると友達から「猫見てるよ」と言われたことも

 僕が家の裏にある公園で友達と遊んでいると、みーちゃんがベランダからずっとこちらを見ていました。当時は友達から「ふな」って呼ばれていて、遊んでいる最中に「ふなん家の猫見てるよ」って言われたりしたことも。可愛かったですね。外が好きだったんだろうなあ。

 14歳まで生きて、亡くなった後は家族全員ロスになってしまいました。学校帰りにペットショップへみーちゃんに似た猫を見に寄ったり、日中にみーちゃんに似た柄の猫を見かけたら、その日の夜、家族一緒にその猫を探しに行ったりして…。その時は自分も20歳を過ぎて全員いい大人だったのに、相当参っていたんだろうな…と思います。

 高校卒業後に専門学校に入って、その頃に「チャンミー」という名前の、みーちゃんを元にしたキャラクターを作りました。 Twitterのアカウント を作ったのは学校の卒業展示の最終日でした。文化祭でチャンミーのグッズを作って売っていたので、ある程度みんな知ってくれていたみたいで、最初から30~40人くらいフォローしてくれていたんです。それで頑張ろうって思ったのかな。卒業して会社員になったあとも並行して描き続けていました。

 単行本に収録したマンガにも描きましたが、みーちゃんの優しいところがチャンミーにも出ていたら嬉しいです。

ーー会社員時代に作ったのが「オレアザラシ」で、よりフナカワさんの分身的な立ち位置ですよね。

 はい。今はフリーですが、会社員時代のことを「オレアザラシ」でマンガにしていることもあります。土日疲れて何もできなくてピザを取った話とか、残業の話とか。チャンミーでは描けないことばかりです(笑)。

 フナカワさんのコミックエッセイ『 オレアザラシの食う寝るにゃんこ 』は11月10日に発売です。現在予約受付中。

 こちらのコミックエッセイに収録している連載「 あざらし、猫をかう。 」も一部公開中です。

(文春コミック/文春コミック)

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