シリア難民が「アート作品」に…現代芸術家が持ち掛けた“驚くべき提案” 「皮膚を売った男」を採点!

シリア難民が「アート作品」に…現代芸術家が持ち掛けた“驚くべき提案” 「皮膚を売った男」を採点!

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■〈あらすじ〉

2011年、内戦が続くシリア。国家反逆罪に問われたサム・アリ(ヤヤ・マヘイニ)は、恋人のアビール(ディア・リアン)を祖国に残し、レバノンに亡命する。翌年、著名な現代芸術家から驚くべき提案を持ち掛けられる。それは、大金と自由を手に入れる代わりに、サム自身が芸術作品になることだった。サムは、外交官と結婚してベルギーへ脱出していたアビールに会いたい一心で、提案を受け入れる。ブリュッセルの美術館に展示されたサムは世界中から注目を集め、高値で取り引きされる存在となる。サムは遂にアビールとの再会を果たすが……。

■〈解説〉

ヴィム・デルボアのタトゥー作品に着想を得たカウテール・ベン・ハニアの脚本・監督作。アート作品となった難民の数奇な運命を描く人間ドラマ。104分。

中野翠(コラムニスト)

★★★★☆難民問題、芸術とは何か、男と女……大きなテーマが混然と。それでも生硬には陥らず。妙なあやしさとおかしみもあり。

芝山幹郎(翻訳家)

★★★★☆観察やひねりがやや大雑把だが、厄介なテーマに食い下がった執念を買う。気弱な男が崖っぷちで粘る描写もブラック。

斎藤綾子(作家)

★★★★☆注目を浴びたい心理と注視に辟易する心理。それに恋物語を絡めるとは。ゾッとした直後に安堵の政治的な結末に驚いた。

森直人(映画評論家)

★★★★☆現代美術と難民問題を接ぎ木して珍しい毒花を咲かせた。上質の風刺喜劇であり、往年の大映映画っぽさもある刺青奇譚。

洞口依子(女優)

★★★★★予想外で多面的要素が刻まれた逸品。主人公が陳列されていないところでもショット構成で見せる監督と撮影の手腕に星。

『皮膚を売った男』(チュニジア、仏、ベルギーなど七カ国合作)
Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開中
https://hifu-movie.com/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年11月25日号)

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