武装集団がカトリック住民への攻撃を開始…宗教によって分断された“故郷の街” 「ベルファスト」を採点!

武装集団がカトリック住民への攻撃を開始…宗教によって分断された“故郷の街” 「ベルファスト」を採点!

©2021 Focus Features, LLC.

■〈あらすじ〉

1969年、北アイルランド・ベルファスト。9歳の少年バディ(ジュード・ヒル)は、出稼ぎで留守がちのパ(ジェイミー・ドーナン)、気丈で愛情深いマ(カトリーナ・バルフ)、兄ウィル、祖父(キアラン・ハインズ)、祖母(ジュディ・デンチ)と幸せに暮らしていた。その生活が8月15日に激変する。プロテスタントの武装集団が、街のカトリック住民への攻撃を開始したのだ。すべての住民が顔見知りで大きな家族のようだったベルファストは、宗教によって分断されていく。パの雇い主が、出稼ぎ先のロンドンに仕事と家を用意してくれることになったが、マは故郷を離れることを頑なに拒む。翌年の3月、街に再び大暴動が発生する。

■〈解説〉

監督・脚本は『ナイル殺人事件』のケネス・ブラナー。自身の幼少期を投影した自伝的なヒューマン作品。第94回アカデミー賞で作品賞や監督賞など計7部門にノミネート。98分。

中野翠(コラムニスト)

★★★★☆長年、敬遠して来たK・ブラナーだが、意外にも面白く観た。バカ爆発の少年時代。おばあちゃんというカナメ。地方色も。

芝山幹郎(翻訳家)

★★★★☆気はやさしくて力持ちの映画。「9歳の少年が見たベルファスト」という作りが割引材料だが、脇を固める俳優は巧者揃い。

斎藤綾子(作家)

★★★★☆分断しようにも町の住民がひとつの家族のよう。随所に映画好きにはたまらん演出が。K・ブラナーの人となりを知る。

森直人(映画評論家)

★★★★☆『フェリーニのアマルコルド』の系譜。映画作家が自身の原点を包み込んだ宝箱。心の籠もり方がそのまま作品の強度に。

洞口依子(女優)

★★★★☆監督自身の少年期の甘く悲惨な記憶に息を吹き込んだ、映像は白黒なのに息遣いや感情はカラーに感じる、胸躍る98分。

『ベルファスト』(英)
3月25日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほか全国ロードショー
https://belfast-movie.com/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年3月31日号)

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