“悪魔島”に収監された陸軍大尉の運命は…歴史に残る「冤罪事件」を映画化 「オフィサー・アンド・スパイ」を採点!

“悪魔島”に収監された陸軍大尉の運命は…歴史に残る「冤罪事件」を映画化 「オフィサー・アンド・スパイ」を採点!

©Guy Ferrandis-Tous droits reserves

■〈あらすじ〉

1894年、フランス。ユダヤ系の陸軍大尉アルフレッド・ドレフュス(ルイ・ガレル)は、ドイツに軍事機密を流した反逆罪で終身刑を宣告され、仏領ギアナの悪魔島に収監される。彼の元教官でもあるジョルジュ・ピカール少佐(ジャン・デュジャルダン)は、防諜の責任者に任命され、中佐に昇格する。ピカールは、ドレフュス有罪の決め手となった密書が別人によって書かれた証拠を発見し、ドレフュスの無罪を確信する。上官に対処を迫ったピカールは、国家的なスキャンダルを恐れた上層部により、口封じのために左遷させられる。自らの意志でパリに戻ったピカールは、1898年に作家のエミール・ゾラらと共に真実を告発する。

■〈解説〉

『ゴーストライター』のロマン・ポランスキー監督と原作・共同脚本のロバート・ハリスによるサスペンス。歴史に残る冤罪事件“ドレフュス事件”を映画化。第76回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞。131分。

中野翠(コラムニスト)

★★★★☆法廷劇は苦手だが、ダレることなく面白く観た。19世紀末の時代色、理知への信頼、人物像の彫りの深さ。「悪魔島」って?

芝山幹郎(翻訳家)

★★★☆☆堅牢な家具のような安定感はあるが、常套句に付き物の単調さも。サイコスリラーの匂いが滲むのは、さすがにこの監督。

斎藤綾子(作家)

★★★★☆規律と退廃、正義と裏切り、メディアと官僚組織、現在の国の管理も同様か。ラストの主演2人の会話が特に面白かった。

森直人(映画評論家)

★★★★☆『ゴーストライター』でも組んだ監督・脚本タッグの相性の良さ。考え抜かれた設計のうえで醸成された燻し銀のスリラー。

洞口依子(女優)

★★★★☆ルノワールの絵画の如く古典主義な映像美はさすがポランスキーならでは。19世紀の複雑な仏諜報機関、俳優陣に星。

『オフィサー・アンド・スパイ』(仏、伊)
6月3日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開
https://longride.jp/officer-spy/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年6月2日号)

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