「一転して、すごい攻め将棋で…」人気漫画家の心をつかんだ女流棋士の“ギャップ”とは

「一転して、すごい攻め将棋で…」人気漫画家の心をつかんだ女流棋士の“ギャップ”とは

『永世乙女の戦い方』(小学館)より

 制服姿で友人たちと談笑していた女子高生が、将棋盤を挟むと一転して鬼気迫る表情に――。

 そんな“乙女”たちのギャップがたまらない作品が『 永世乙女の戦い方 』(小学館ビッグコミックスペリオール連載)。作者は、これまで『兄の嫁と暮らしています。』『笑顔のたえない職場です。』などでも女性たちのドラマを描いてきたくずしろさん。YouTuberとしても人気の女流棋士・香川愛生女流四段が棋譜監修を務めている。

 人気漫画家が将棋、とりわけ女流棋界をテーマにした理由とは? このほど『永世乙女の戦い方』の最新刊(第7巻)を刊行したくずしろさんに、作品への想いを聞いた。

【マンガ】『永世乙女の戦い方』1話を読む

■自分の将棋になると皆すごい攻め将棋で…

――題材に「女流棋士」を選んだ理由を教えてください。

くずしろ ニコニコで将棋中継見ていて、そこから将棋に興味を持ちました。

 その放送の中でタイトル戦の聞き手をされていた女流棋士の方に注目して、彼女たちの将棋にも興味が出てきたのがきっかけですね。ただ、なかなか女流の棋戦は中継がなくて……。でもそれで余計興味が湧きました。

――「女流将棋」の魅力はどこにあると思いますか?

くずしろ ギャップにとても魅力を感じます。女流棋士の方たちは、男性棋戦の聞き手をやったり、補佐的なイメージがあります。普及にも尽力していて、とても将棋界を盛り上げる活躍をされています。

 それなのに、一転、自分の将棋になると皆すごい攻め将棋で、そのギャップが好きですね。

■作品を面白くするためには大胆に嘘をつく

――監修の香川愛生女流四段との関係を教えてください。

くずしろ 将棋漫画をやりたいと担当編集に伝えたら、担当編集がたまたま香川先生と繋がりを持っていて、それならダメ元で頼んでみようということになりました。

 まさかお受けいただけるとは思っていなかったので、とてもありがたく思っています。

――作品を作る上で気を付けていることを教えてください。

くずしろ リアルと嘘をつくところのバランスには気をつけています。作品を面白くするためには大胆に嘘をつくことも重要だと思うので。

 例えば、タイトル戦の時期なんかはリアルとは違うのですが、そこは物語の面白さを重視して変えさせてもらっています。

――作中のキャラクターで一番好きなのは誰でしょうか?

くずしろ 天野香織ですね。振り切れているところがいいですね。今まで勝負に関わる漫画を描いたことがないので、天野みたいに将棋がすべてという価値観を持ったキャラができたのは良かったです。

■今注目している女流棋士はいますか?

――物語はどのように考えられているのでしょうか?

くずしろ 将棋自体はそれほど詳しくないので、キャラクターがどう動くかを重視して考えています。棋譜は用意してもらいますが、その棋譜に引っ張られすぎないように面白さを優先で考えています。

――今注目している女流棋士の方はいますか?

くずしろ 香川先生はもちろんですが、今は里見香奈先生、西山朋佳先生の2強にはとても注目しています。そこに伊藤沙恵先生や加藤桃子先生が肉薄してきていて、面白いですよね。若手の実力者の山根ことみ先生にも頑張ってほしいです。

――将棋盤や駒などはどのように描いているのでしょうか?

くずしろ 専門の方に3DCGで盤と駒を作ってもらいました。盤も足が付いているものや、折り畳みのものなどいろいろあるのですが、特に足付きのものはとても大変だったみたいです。駒の書体もこだわって作ってもらいました。それをレンダリングして絵に起こしていっている感じですね。

――作品が出来上がるまではどのような工程があるのでしょうか?

くずしろ ネーム、下描き、ペン入れ、仕上げという段階です。ペン入れの段階で、アシスタントさんに入ってもらい、仕上げに進んでいく感じです。

――仕事がない時は何をして過ごすことが多いですか?

くずしろ 基本的に仕事ばかりしているので、何もない時はぼーっとしていることが多いです。たまに外を散歩したりするぐらいですね。あとは美容院に行った時に詰将棋を解いたりしています。

【マンガ】『永世乙女の戦い方』1話を読む

「あの子の中に、何人いるの…!?」将棋を”指す”女子高生に魅せられてしまった理由とは へ続く

(「文春オンライン」編集部)

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