「女性がひとりで楽しく暮らすというと…」“アコムお姉さん”小野真弓(41)の“自称・木更津の動物ババア”生活

「女性がひとりで楽しく暮らすというと…」“アコムお姉さん”小野真弓(41)の“自称・木更津の動物ババア”生活

写真=佐藤亘/文藝春秋

 2002年に「アコム」のCMで大ブレイクし、「癒やし系」として人気を博したタレントの小野真弓さん。昨年40歳を迎え、芸能生活が20年をこえた小野さんは、2019年に木更津市の一軒家を購入。悠々自適なひとり暮らしを楽しんでいる。

 仕事とプライベートを見つめ直した結果行き着いた「田舎暮し」について話を聞いた。

◆◆◆

――2019年に東京を離れ、木更津にお引越しされたそうですね。

小野真弓さん(以降、小野) 今日も木更津から運転してきました。都内まで車で1時間くらいですかね。いつも早めに家を出るので、今日は文春さんの近くに路駐して時間を潰してました。おかげで停めても大丈夫な場所を見つける嗅覚が発達してきてます(笑)。

――木更津には地縁があったのでしょうか。

小野 まったく知らない土地です。生まれは同じ千葉県ですが、木更津に知り合いもいませんでした。

 田舎に引っ越したくて物件を探し始めたのですが、田舎暮しをしている知人は鎌倉などの湘南エリアが多かったので、私も最初はそのあたりで考えていたんです。でも、半年以上探してもピンとくるところが見つからない。それでなんとなく趣向を変えて木更津に行ってみたら、一瞬で「ここがいい!」と、ときめきました。

――鎌倉方面はおしゃれな感じがしますけど、小野さんがビビッと来たのは木更津だったんですね。

小野 同じ金額でもお庭の広さが違ったり、物価が安いとかもあるんですけど、景色が好きで自分に合っている感じがしました。2019年の4月に引っ越して今丸3年になります。

■「は? 結婚するの?」

――コロナ禍で郊外移住を決めた人の話はちらほら聞きますが、小野さんは結果的に時代を先取りされたようなかたちです。

小野 今思えば本当にそうですよね。当時、木更津に一軒家を買ったことを話すと「は? 結婚するの?」とよく言われましたが、コロナ以降は「自分も興味あるんだけど……」と、田舎暮らしの相談が一気に増えました。

――田舎の一軒家を購入した一番の理由はなんだったのでしょうか。

小野 土いじりと犬が走り回れるスペースが欲しかったので、庭が欲しかったんです。

 それまでは休みの度に犬と一緒に車で八ヶ岳など、あちこち遊びに行っていました。そのうちにふと、都内はアスファルト地獄なので散歩の時間や気温にも気を遣わなくちゃいけないし、人の家におしっこかけないように、車に轢かれないようにと、楽しい時間のはずがどうしてもピリピリしている自分がバカバカしくなってきて。

 だったらドライブも好きだし、休みの度に田舎に出ていたので、都内にとどまる理由もないな、と思うようになっていきました。

■犬と猫が2匹ずつ、近所の捨て猫を拾ってきて…「『木更津の動物ババア』です(笑)」

――犬との生活が移住の大きなきっかけだったんですね。小野さんはトリマーや動物介護士の資格も取られていて、動物の保護活動もされています。

小野 今は家に犬と猫が2匹ずついます。あとは近所にいる捨て猫を拾ってきてお世話したりとかして。今日はこういうキレイな衣装を着れるチャンスですが、こういう刺繍なんて猫にかかれれば一撃ですから、家に帰っても玄関ですぐ着替えますね。普段はパジャマやワークマンが大活躍、「木更津の動物ババア」です(笑)。

 これまでずっと芸能界にいましたが、芸能の仕事以外にもう一つ大事な、自分の柱になるようなものを作ることを40歳までの目標にしてみようと思ったんです。それで、好きな動物に関われる資格を取って活動をはじめました。

――芸能の仕事以外に目が向くようになったきっかけは?

小野 20代に比べて仕事量がぐっと減っていましたし、引っ越す直前の37、38のときはいろいろ考えました。

 20代の頃に遊んでいた友達も家庭や子どもを持つようになって、別に仲が悪くなるわけじゃないですけど、共通の話題や時間が変わってきて。もちろん、パートナーを見つけて家庭を作って……という生活はそれはそれで素敵だなと思うんですけど、じゃあ自分は何をしたいのかなと。

 特に子作りに関してはタイムリミットがあるので、女性なら一度はこれからについて向き合わざるを得ません。でも結婚願望もあんまりなかったし、子どもに関してもやっぱりそこまで情熱を持って考えられなかったんです。

■女性が一人で楽しく暮らすと「もれなく『かわいそうな人』みたいな空気になりますよね」

――先ほど移住のことを周りに話したら「結婚するの?」と聞かれたと仰っていましたが、女性一人で楽しく暮らすことってそんなに「?」なことなのかなと思いました。

小野 もれなく「かわいそうな人」みたいな空気になりますよね。言ってしまうと単純な言葉になってしまうんですけど、もともと一人が好きなんです(笑)。

 表に出る仕事をしていると「行き遅れ」とか「ババア」とかいろいろ言われます。デビューした頃は傷つきましたが、いまでは慣れてしまって外野の声がまったく聴こえない体質になりました。

 自分の心の声と違う行動をしていたら「あの時こうしてれば……」みたいな後悔も出てきたと思うんですけど、自分が好きでやってることなので、「ま、私は変わってるのかな」くらいで終わってます。

――小野さんは「癒やし系」と評されることが多いですが……。

小野 真逆ですね。周りからも「まったく癒やされない」と評判です(笑)。

 20代、30代はグラビアでインタビューをしていただくことが多かったのですが、その頃は特に、私のイメージって「三歩下がってついてきてくれるいいお嫁さん」のような感じだったのかなと思います。旦那さんが帰ってきたらエプロンつけて出てきて、「お風呂にする? 私にする?」みたいな(笑)。

■「将来どんなお嫁さんになりたい?」に…

――実際、記者から「将来どんなお嫁さんになりたい?」と質問をされている小野さんの記事を読んだことがあります。読者のために夢を壊さないようにされていた部分もありますか。

小野 そうですね。もちろん、私のどこかにある「かわいいところ」を増幅させて前面に出しているので、別に完全に演じているわけじゃないんです。でも「結婚願望ないんです」はやっぱり言えませんでしたから、夢を売っていた部分は正直あります。もう時効ってことでいいですかね……。

――今は「癒やし系」の看板を下ろしてもいいかな、と。

小野 イメージをずっと貫いている方は本当に尊敬します。ただ自分は41歳になって、私自身が素で喋ってくれる人の方が好きということもあって、もうそのまんまでいいかなっていう気分ですね。

――グラビア活動は今後も続けていきますか。

小野 引退したわけじゃないですけど、今はそんなにグラビアに心が動かないので……。やるならちゃんとやりたいので、お休みという感じです。

――もともと俳優志望だったそうですが、ビジュアルのお仕事をはじめたきっかけは何だったのでしょうか。

小野 自分がないっていったら変ですけど、尖った個性もなく、デビュー後はオーディションを受けては落ちてという状態でした。

 事務所にはすごくお世話になっていたし、せっかく期待してもらったのに、長い間ずっとうまくいかなかったので、グラビアでも何でももらえる仕事は「やります!やります!」という感じでした。それと前後するように「アコム」のCMが決まったので、流れで写真集のお話をいただくようになったんです。

■人生が変わった“はじめてのアコム”

――小野さんといえば消費者金融「アコム」のCMで演じた爽やかな社員のイメージが強いですよね。

小野 人生が変わったお仕事です。オーディションを受けたときは正直、あんなにすごいとは思っていなくって。「CMにちょっと出られるのかな」くらいの気持ちだったんです。それがいざ決まってみると「え、こんなにパターン撮るんですか!?」と(笑)。

 実際、それこそ“見たくなくても目にせざるを得ない”ほど、どこのチャンネルでも流れる出広量でしたし、ずっとドアップで映る演出だったので、これ以上ないインパクトだったと思います。自分でも流れてびっくりしましたし、ありがたかったですね。

――先ほど「自分がない」と話されていましたが、アコムのオーディション時は手応えを感じていましたか。

小野 「受かるな」とは思えなかったです。さんざん落ちてきましたし、緊張しいで頭真っ白でしたし……。でも、「絶対無理」と「ありえる」だったら、「ありえる」かもとは思いました。

 オーディションが、カメラをお客さんだと思って接客してください、ティッシュを配ってください、みたいなものだったんですよ。バイトもしていて接客業は慣れていましたし、割と得意分野だなという気がしたんです。あれが「ダンスを踊ってください」だったらもう無理でしたね(笑)。
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「私、おっぱいあるみたいなんでグラビアいけるかもしれません!」小野真弓(41)の“アコムお姉さん前夜” へ続く

(小泉 なつみ)

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