一人だけど一人じゃない…ドラゴンズ女子が語る「ソロ活野球のススメ」

一人だけど一人じゃない…ドラゴンズ女子が語る「ソロ活野球のススメ」

ソロ活中の筆者 ©舘谷春香

 突然ですが皆さんに質問をしたい。「野球観戦に行くとき、誰と一緒に観に行きますか?」。友達? 恋人? 会社の同僚? 野球好き仲間?

 いろいろあるが、私は圧倒的に一人で行くことが多い。仕事終わりに「この後、野球見に行くんです」と言って「いいねー! 誰と?」と聞かれ、「一人です」と答えて何度「(え? 女性が一人で野球観戦……?)」と引かれたことだろう。

 ツイッターでエゴサーチをして「球場でたてはる見かけた。本当に一人で見てた」という呟きを見かけたこともある。友人からはっきりと「一人なの? やば!」と言われることもある。まだまだ女性が一人で野球観戦をするのは不思議がられる。少数派なのかもしれない。

 一応言っておくと、私だってもちろん友人や同僚と野球観戦をすることもある。そしてもちろん、それはそれでとても楽しい。でも、みんなで見る野球がとても楽しいということを踏まえた上で、私はみなさんに話したい。一人で野球観戦することの楽しさを。

「ソロ活女子のススメ」というドラマがあったように、私は「ソロ活野球のススメ」を説きたいのだ。

■?ドアラを連れて野球場へ行こう

 一人で野球を見ることの良さの一つに「圧倒的に試合に集中できる」ことがある。

 私だけかもしれないが、友人と野球を見ていると楽しくなってお酒も進み、楽しくなっておしゃべりしてしまって、一人で見るときよりも試合内容をしっかり覚えていないことが多い。得点シーンや良いプレーは覚えていても、細かいことに目が向かない。

 一人で見ているときは目の前の試合に全集中しているので、試合展開をよく覚えている。そして細かいことが気になってくる。例えば、バッターがスイングをしたかしていないか微妙なときのキャッチャーが塁審に確認する仕草好きだなあ、とか。レフトの選手の打球を待っている時の姿勢好きだなあ、とか。試合内容について「よくそんなこと覚えているね」と言われるが、それは私が基本一人で観ているからだ。お酒を飲みたいときは飲めばいいし、集中して試合を見たいときには飲まなくてもいい。全ては自分次第なのだ。なぜなら一人だから。

 せっかく球場に行ったんだから写真を撮りたい! だけど一人で行ったら写真が撮れない! という恥ずかしがり屋なアナタ。一人だからなんて気にせず自撮りをしよう。大丈夫、意外にまわりの人はアナタのことを気にしていない。なぜならまわりの人も野球が好きな人なんだから。

 野球観にきてユニフォーム着たら、そりゃ写真撮りたいよね、うん。わかるわかる。ということで、球場で自撮りしてる人を見ても引かないでほしい。人目が気になる人は、客席最後列の後ろから撮るのがおすすめだ。野球場の雰囲気はたっぷり感じられつつ、人目をあまり気にしなくていい。悲しいかな平日のバンテリンドームは客席がガラガラで、客席で撮っても何の恥ずかしさもないこともある。ドラゴンズはソロ活に向いている。ソロ活人口が増えたら、この悲しみも少し減るのかもしれない。

 それでも恥ずかしいという方はグッズを持って撮ろう。ドラゴンズファンの方に特にオススメなのは、ドアラを1匹連れていくことだ。ドアラと撮れば1人じゃない。1人と1匹だ。もはや2人だ。ドアラの耳を装着して撮れば、なんなら2匹だ(私は一体何を言っているんだろう)。

 それでもやっぱり自撮りは恥ずかしい! という方、もはやドアラだけ撮ろう。それでもあなたの写真フォルダには、その日の思い出として唯一無二の写真が残る。一人で野球を観たという思い出を写真に残そう。

■16-0の試合で生まれたドラゴンズファンとの絆

 だんだん「一人で野球見るのも悪くないね」と思ってきたアナタには、一人野球観戦を始めたらぜひやってもらいたいことがある。それは「スタジアム探検」だ。一人なら一緒に観ている人を待たせることがないので、時間も気にせずスタジアム内を探検し放題。

 スタジアムグルメはどこに何があるか一周してみたり、グッズショップがどこにあるのか、ガチャガチャがどこにあるのか、誰のことも気にせずに回って見てほしい。モバイルバッテリーの貸し出しはここにあるとか、この球場の名物グルメはここにあるとか、グッズ売り場はここが豊富だとか、誰かと一緒に来たときにも役に立つような知識を身につけられる。好きな時間に席を立って、好きなだけ歩き回る日があってもいいだろう。早めに球場に着いて探検してもいいし、大敗しているときに気分転換に行くのもいい。

 昨年9月、ドラゴンズが神宮球場で16-0の大敗を喫した試合を一人で観戦していた私は、10-0の時点で一旦スタジアム探訪に出かけた。仕事終わりの観戦で少し疲れていた私は、試合途中何度も「もう帰ろうかな……」と思ったが、いったんスタジアムを探検して気持ちを落ち着かせることにした。

 黒豚丼を食べ、じんカラを食べ、スイーツタイムまでフルでスタジアムグルメを楽しんだ。そして最後まで試合を見届けた私は、実際は一人だったが「ここで16-0の試合を見届けたドラゴンズファンの仲間たち」と見えない絆が生まれた気がした。私以外にもこの試合を最後まで見届けたドラゴンズファンの仲間がいるのを見て嬉しくなった。こんなことがたまにあるから、私はどんどんスタジアムに詳しくなっていくのだ。

■ソロ活野球観戦は「一人だけど一人じゃない」

 近くの球場で一人野球に慣れたら、次は一人遠征だ。一人旅に大好きな野球がついてくるなんて最高じゃないか。

 私は先日の交流戦で、久しぶりにバンテリンドームに一人遠征に行ってきた。1泊して2試合を見て、試合以外の時間はご当地グルメを食べて回ったり、昔住んでいた家の近くを散歩したりと大いに楽しんだ。

 土日のガールズシリーズで満員御礼のバンテリンドームは、やっぱりガラガラのドームよりいい。可愛いドラ恋ユニホームをゲットして、イケメンうちわをもらって、名古屋に来なければ見られない試合を楽しんだ。旅の終わりには、ドラゴンズストアサカエでドラゴンズプリクラを撮って東京に帰った。流石にこの歳で一人プリクラは少し恥ずかしかったが、この恥ずかしささえもいい思い出だ。好きなものを食べ、自分の行きたいところに行って、濃密でとても充実していた。

 とにかく私が言いたいことは一つ。一人で野球を見ることは、恥ずかしいことでもヤバいことでもない。誰にも気を遣わず、野球観戦や球場の魅力を最大限に楽しめる。

 そしてソロ活野球観戦は、他のソロ活とは違う点もある。実際に見ているのは一人だが、スタジアムには同じチームを応援するたくさんの仲間がいる。一人だけど一人じゃない。野球が大好きで観に行きたいのに一緒に行く人がいないから今回は行くのをやめる、なんて勿体無い。ソロ活野球人口が増えれば球場にドラゴンズファンが少なくて寂しい……と思うことも減るだろう。

 さあ、アナタも、素晴らしいソロ活野球の世界へようこそ。

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2022」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト https://bunshun.jp/articles/54931 でHITボタンを押してください。

(舘谷 春香)

関連記事(外部サイト)