元夫の借金、娘の反抗期、体調不良に苦しみ…母親となった三姉妹が向き合う“心の傷” 「三姉妹」を採点!
2022年06月20日 18時00分 文春オンライン

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■〈あらすじ〉
長女ヒスク(キム・ソニョン)、次女ミヨン(ムン・ソリ)、三女ミオク(チャン・ユンジュ)の三姉妹は結婚し、それぞれの家族とソウルに暮らしていた。小さな生花店を営むヒスクは、元夫の借金や反抗期の一人娘、体調不良に苦しんでいる。熱心なキリスト教信者のミヨンは、一男一女に恵まれて完璧な人生を送っていたが、大学教授の夫の裏切りに遭う。劇作家のミオクは重度のスランプで昼夜を問わず泥酔し、夫の連れ子から疎まれている。そんな折、年老いた父の誕生日を祝うために、三姉妹は久々に帰省する。誕生日会で末弟ジンソプが起こした事件をきっかけに、3人が抑え込んでいた感情が爆発する。
■〈解説〉
母親となった三姉妹が、幼少期の心の傷に向き合う人間ドラマ。監督・脚本は本作が長編第3作となるイ・スンウォン。115分。
中野翠(コラムニスト)★★★☆☆観客は三姉妹の中の誰かに自分を重ねるだろう。姉妹ならではの体感的な親密さの描写も欲しい。喜劇にしてもよかったか。
芝山幹郎(翻訳家)★★☆☆☆語りのくどさが難点。手札のエースを温存しすぎたのが原因か。映像に粘りはあるが、露骨な感情表現についていけない。
斎藤綾子(作家)★★★☆☆自分の親族は棚に上げ、他人の親族の過去やら傷を奥まで覗くと皆こんなか。エンドロールに流れる詩に口もあんぐり。
森直人(映画評論家)★★★☆☆ハードな問題に向けて共感の回路を敷くためにあえて定型を採用したか。熱量は高いが既視感に回収されるもどかしさも。
洞口依子(女優)★★★☆☆トラウマを抱えた三姉妹の各々の前半から後半のフラッシュバック白黒部分への移行が遅い。だがそのモンタージュは良。
『三姉妹』(韓)
6月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
http://www.zaziefilms.com/threesisters/
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年6月23日号)
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