「ダウンタウンさんを前にすると緊張しますね」“TikTokフォロワー1000万人”芸人・ウエスPが語る“世界一危険なテーブルクロス引き”誕生秘話

「ダウンタウンさんを前にすると緊張しますね」“TikTokフォロワー1000万人”芸人・ウエスPが語る“世界一危険なテーブルクロス引き”誕生秘話

©文藝春秋

TikTokフォロワー1000万人! “日本の芸人として初の快挙”ウエスPが海外でバズりまくる意外なワケ 「7割スベッて、3割当ててきた」 から続く

 2022年4月3日、吉本興業所属の芸人・ウエスPのTikTokのフォロワー数が日本の芸人として初の快挙となる1000万人を突破した。YouTubeのチャンネル登録者は206万人、Instagramは134万人フォロワーとなっており、自身のSNS総フォロワー数は1400万人を超えている。(6月13日時点)

 ウエスPは、全裸の身体の上に乗せた布にティーカップを置いてテーブルクロス引きをするなど、身体ひとつで行う芸が海外で大ブレーク。近年では多くの世界的スターを輩出するオーディション番組「アメリカズ・ゴット・タレント」のフランス版にも出演し、話題になった。

 そんなウエスPに、海外でバズった芸の誕生秘話や国によっての反応の違い、今後の目標など話を聞いた。(全2回の2回目。 前編 を読む)

◆ ◆ ◆

■テーブルクロス引き芸がウケて海外からオファー

――世界的オーディション番組「ゴット・タレント」に出演したきっかけはなんでしょうか。

ウエスP 2017年の夏ごろにTwitterにあげた“扇風機で危険なテーブルクロス引き”っていうのがあるんですけど(笑)。それが5万リツイート、8万“いいね”がついて、海外でバズったんです。その動画がきっかけでアメリカやイギリス、スペインとか各国のゴット・タレントのオファーが5本くらい来ました。あとは、アメリカのテレビ番組で一芸を披露したり、海外メディアの取材を受けたり。

https://twitter.com/uespiiiiii/status/886173407938699264
自身のTwitterより

――その動画1本で海外のテレビ番組に呼ばれるようになったんですね。

ウエスP そうですね。もともと日本人向けにずっと動画をあげていたんですけど、その動画がバズって、その2週間後にはドイツに行っていました(笑)。さすがに急すぎてマネージャーさんも誰も付いてきてくれなくて。今まで大阪までしか行ったことなかったのに初めて1人で海外に行きました。全く英語しゃべれないし、訳わかんないまま1人でドイツに行って、いろんなテーブルクロス引き芸を10分くらいやって帰ってきました(笑)。

■海外の方が緊張せずにパフォーマンスに集中できる

――海外での活動で一番手応えを感じた瞬間は?

ウエスP 今のところフランスの「ゴット・タレント」で“ゴールデンブザー”を獲れた時ですね。フランスに行く前にイタリアとスロバキアのテレビ番組でパフォーマンスをしたんですけど、2つともちょっと失敗しちゃったんですよ。ちょっとこれはヤバイというなかでフランスの「ゴット・タレント」に出ることになって。

 一発決めないと、という気持ちで気合を入れてやった結果、“ゴールデンブザー”が獲れて。“ゴールデンブザー”を狙ってはいたんですけど、まさか本当に獲れると思っていなかったので、すごく嬉しかったですね。それがきっかけでいろんな海外の仕事に繋がっていったので、結構印象深い思い出ですね。

※2018年にフランスで放送された公開オーディション番組「France’s Got Talent」に出演したウエスPは、各審査員が1シーズンにつき1度だけ押すことのできる“ゴールデンブザー”を勝ち取った。ブザーを獲得した参加者はその先の数回にわたる予選に参加することなく、ファイナルに進出することができる。

https://www.youtube.com/watch?v=9uIQ_4wXC4g
「France’s Got Talent」YouTubeチャンネルより

――やはり海外のテレビ番組に出る方が緊張されるのでしょうか。

ウエスP 日本のテレビよりは緊張しないかもしれないですね。規模が大きすぎて緊張しないというか(笑)。例えば日本だと、ダウンタウンさんとか昔から見ている人を目の前にするとやっぱり緊張します。でも海外だと緊張せずに楽しくやれているかな。パフォーマンスに集中できますね。

■成功率は海外9割、日本7割

――視聴者としては身体の上でのテーブルクロス引きなど、ヒヤヒヤしながら見るというのも楽しみの1つですが、実際に失敗してしまったことはあるのでしょうか。

ウエスP 日本ではあります。収録で1回失敗して全部出てしまったこともありますし、なんばグランド花月でも1回失敗しましたね。テーブルクロスだけじゃなくて、股間に載せたティーカップも全部飛んで(笑)。でもすぐに隠したので、ギリギリセーフだったみたいです。でもそこから1年ぐらい呼ばれなくて、ほとぼりが冷めた頃に呼んでくれました(笑)。

――失敗することもあるんですね(笑)。

ウエスP たぶん僕の気持ちの問題です(笑)。海外では9割ぐらいの成功率で日本だと7割ぐらいの成功率ですかね。海外だと思いっきりできるのかもしれないです。言葉がしゃべれないぶん、思い切りやらないと伝わらないっていうのもあって。表情とか動きとか声とか全部オーバーにしたら失敗が少なくなるのかも(笑)。

■ラテン系の陽気な国の方が相性がいい

――今まで何か国行かれましたか。

ウエスP 15か国ぐらいですかね。ヨーロッパが多いです。

――国によって反応の違いもありますか?

ウエスP イギリスやフランスだったり、スペインとかラテン系の陽気な国の方が相性がいいかもしれないですね。逆にアメリカの「ゴット・タレント」に出た時が一番反応が良くなかったです。僕も意外だったんですけど、唯一アメリカで失格になってしまって。たまたまかもしれないですけどね。

 あとは、インドネシアのイオンモールでやった時に宗教的な理由で「裸NGです」って言われて。服を着てパフォーマンスしたんですけど、得意技封じられたので僕のいいところが10%ぐらいしか出なかったですね(笑)。

■勝手にオーデションを受けて吉本に怒られた

――ノンバーバル(非言語)な芸が海外でウケて人気になりましたが、そもそもこういった芸はどのようにして生まれたのでしょうか。

ウエスP 吉本の養成所(NSC)を卒業したばかりの頃はコントと漫談をやっていたんですけど、それがウケなくて(笑)。あとは、テレビ番組で短い芸を欲していると聞いたので、オーディションに向けて、短いネタを作っていったら、こういうテーブルクロス引きが生まれた感じですね。

 初めてテレビに出たのが「笑っていいとも!」の特技を披露するコーナーだったんですけど、そこでやったのが“Tシャツを一瞬でキャミソールにする”っていう特技で(笑)。吉本の芸人というのを隠してオーディション受けたらすごいウケて、一発で出演が決まったんです。「笑っていいとも!」への出演は、本格的に短いネタを作り始めたきっかけでもありますね。ただ、勝手にオーディションを受けに行っていたので吉本から怒られました(笑)。

■日本一のTikTokerを抜きたい

――コロナ禍もようやく落ち着いてきましたが、これから本格的に海外進出も考えているのでしょうか。

ウエスP そうですね、これだけ海外の人たちが見てくれるのであれば、やっぱり行きたいなって思いますね。ただ、英語がしゃべれないという大きな問題があるんですけど(笑)。

――英語は勉強されているんですか?

ウエスP 全然できてない……。コロナ入る前の方が勉強していましたね。コロナ禍になってからは「とりあえず動画だ!」みたいな感じで生きるために動画を始めたので。言語に関してはこの2年ぐらい全くやってないですね。そろそろ勉強しないとですね、頑張ります!

――今後の目標は?

ウエスP 今後もSNSを頑張っていきたいですね。今、日本一のTikTokerは、4000万人のフォロワーがいるので、いつか抜けるようになりたいと思っています。あとは、コロナが落ち着いてきたっていう状況もあるので、海外でパフォーマンスを生でできたらなと。本当はワールドツアーみたいなことができたらいいですけどね。とりあえず目先のSNSの活動を地道にやっていって、それが大きなことに繋がっていけばいいなって思います。

インタビュー撮影=宮崎慎之輔/文藝春秋

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

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