美しい妻と若い男の仲を疑い、船乗りの仕事も辞めてしまう夫…保守的な男性の揺らぎを細やかに描く 「ストーリー・オブ・マイ・ワイフ」を採点!

美しい妻と若い男の仲を疑い、船乗りの仕事も辞めてしまう夫…保守的な男性の揺らぎを細やかに描く 「ストーリー・オブ・マイ・ワイフ」を採点!

© 2021 Inforg-M&M Film - Komplizen Film - Palosanto Films - Pyramide Productions - RAI Cinema - ARTE France Cinéma - WDR/Arte

■〈あらすじ〉

 1920年、マルタ共和国のカフェ。貨物船の船長のヤコブ(ハイス・ナバー)は、友人に「最初に店に入ってきた女性と結婚する」と宣言する。そこに現れたのがリジー(レア・セドゥ)という美しい女性客。彼女はプロポーズを受け入れ、2人は互いのことをほとんど知らないままで夫婦となる。

 ヤコブは、自分が海に出ている間、若くて美しい、そして社交家のリジーのことが心配で仕方がない。そこに彼女と親しげな若い男・デダン(ルイ・ガレル)が現れる。2人の仲を疑い、嫉妬を抑えきれないヤコブは、パリからハンブルクに移り、船乗りの仕事も辞めてしまう。それでも妻を信じきることができず、探偵に浮気調査を依頼する。

■〈解説〉

『心と体と』のイルディコー・エニェディ監督作。妻を愛するがゆえに葛藤する夫の姿を描く、大人のラブロマンス。169分。

中野翠(コラムニスト)

★★★★☆主人公の男も観客も、女の真意が判然としないまま話が進んでゆく。構成の妙味。大男の純情。1920年代の時代色も愉しい。

芝山幹郎(翻訳家)

★★★★☆原作を筆写したような台詞が出てきて白けるが、玉虫色の無意識を出没させるレア・セドゥはさすが。弱点と魅力が混在。

斎藤綾子(作家)

★★★★☆裸体を絡める構図は絵画のように美しく嫉妬か執着心か苛立つ心理も濃厚。陳腐な結末と思いたいが濃厚なだけに切ない。

森直人(映画評論家)

★★★★☆屈強な海の男が非合理な人生のレッスンという未知の航海に乗り出す。保守的な男性の揺らぎを細やかに描く興味深さ。

洞口依子(女優)

★★☆☆☆レア・セドゥの謎めいた眼差しは邪悪な誘惑者にしか見えないとしても凄い吸引力。ステレオタイプな描写と長尺が難色。

『ストーリー・オブ・マイ・ワイフ』(ハンガリー、独、仏、伊)
8月12日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、ユーロスペースほか全国公開
https://mywife.ayapro.ne.jp/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年8月18日・25日号)

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