「砂漠の中のポツンと一軒家」なぜ、年老いた女性はたった1人でカフェを営んでいるのか? 「サハラのカフェのマリカ」を採点!

「砂漠の中のポツンと一軒家」なぜ、年老いた女性はたった1人でカフェを営んでいるのか? 「サハラのカフェのマリカ」を採点!

© 143 rue du désert Hassen Ferhani Centrale Électrique -Allers Retours Films

■〈解説〉

 アルジェリアの広大な砂漠の中に佇む、小さなカフェ。そこの女主人・マリカと、店を訪れる客たちの交流を観測するドキュメンタリー。

 カフェの客は、目の前の道路を行き交うトラックの運転手や旅人など。マリカは客たちとお茶を飲みながら世間話をし、暇なときは愛猫や2匹の犬と戯れて時間を過ごし、夜になるとランプを灯して眠りにつく。なぜ彼女はこの辺境の地で、たった1人でカフェを営んでいるのか?

 旅行中に彼女に出会った、アルジェリア出身のハッセン・フェルハーニ監督は、それを本人に問いかけず、カフェとその敷地内だけでカメラを回し続ける。すると、マリカの人生の断片と、アルジェリアの社会情勢が、徐々に浮かび上がっていく。

 2019年ロカルノ国際映画祭最優秀新人監督賞受賞作。104分。

中野翠(コラムニスト)

★★★★☆砂漠の中のポツンと一軒家(カフェ)。店主はもはやコワイものナシといった風情の老女。過不足ない暮らしに見えて来る。

芝山幹郎(翻訳家)

★★★★☆隙の多い作りだが、言うことのしょっちゅう変わる謎のおばさんが面白い。ごろんとした孤独が砂漠の空洞と響き合う。

斎藤綾子(作家)

★★★☆☆広大な砂漠で独居は肝が据わって見えるが、狭い日本にも似た高齢者はいそう。「ふさぎの虫が泳いでいる」と歌う唄に☆。

森直人(映画評論家)

★★★★☆謎の定点観測者の如きおばあちゃんの店が映画の求心点。トポスという概念が似合う「場所」と「主」には哲学が宿る。

洞口依子(女優)

★★★★☆砂漠の喫茶店の愛に満ちた女主人。そこに集う人々。それらを切り取るキャメラのフレーム。謎も含め全て心地よく魅了。

『サハラのカフェのマリカ』(アルジェリア、仏、カタール)
ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開中
https://sahara-malika.com/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年9月8日号)

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    他にもチェーン店でこの名称使ってるところあるから、文春にこの名称に着目されることでの悪影響あるかも。 かわいそうだから、同類同士でエログロゼニゲバ追求やれよ。 今までの、踏みにじり記事の蓄積で徹底的に増幅させた怨念は消えないけど。

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