2022年、優勝戦線を吉田正尚と共に戦えるオリックスファンの幸福な毎日

2022年、優勝戦線を吉田正尚と共に戦えるオリックスファンの幸福な毎日

ロッテ戦で勝ち越しの本塁打を放った吉田正尚

■全試合出場中はチームが不振 昨年の優勝争い中は吉田が離脱

 9月17日・18日・19日の対ソフトバンク3連戦は全オリックスファンの記憶に長く刻まれるであろう壮絶な3試合となった。

 第1戦。山本由伸の異次元エースっぷりにただただ脱帽。

 第2戦。宮城、宇田川、颯一郎、阿部、ワゲスパック、日本最強の投手陣につくづく感嘆。

 そして第3戦。勝てば逆転優勝への挑戦権が復活する大一番。序盤は前日までの勢いそのままに吉田正尚の先制ツーランなどで4点のリードを奪う。しかし見えない重圧は名手の手元を狂わせナインの平常心をも喪失させ致命的ミスを連発。あっという間に逆転を許し4対5。何せ敵は最近20年間の日本プロ野球界絶対王者、あのソフトバンクホークスだ。

 昨年は大スランプだったものの今年はホークスらしい野球を取り戻し、大切な試合をことごとくモノにして首位に君臨。

 そして迎えたこのオリックスとの天王山。本気のホークスナインの「凄み」はテレビ画面越しにもビンビンに伝わってきた。その「本気の王者」を相手に互角の戦いを繰り広げ2連勝しただけでも感無量ではあるのだがこの壁を越えなくては連覇はないのだ。だが、元々得点力不足に苦しむオリックスはあっという間に追い詰められ最終回。しかもマウンド上には絶対的守護神モイネロ。走者二人を出すもツーアウト。絶体絶命。

 しかし2022年の我らがオリックス打線には吉田正尚がいる。そう、吉田正尚がいるのだ。

 吉田正尚は入団2年目の2017年までは腰痛に苦しんだものの翌2018年からは3年連続全試合出場を続けてきたオリックスの絶対的主砲であり、暗黒期のオリックス貧打線の中で孤軍奮闘する姿は「吉田個人軍」などと揶揄されてきた。その間、チーム成績も振るわず全試合出場の3年間は4位・6位・6位。

 そんなオリックスに稀代の名将・中嶋聡がやってくるやチームは一変。2021年には悲願のリーグ優勝を成し遂げるのだが、最終盤のロッテとの激烈な優勝争いに吉田正尚は加わることが出来なかった。死球による骨折などにより2度に渡る長期離脱を余儀なくされたからだ。

 その間、チームはベンチに背番号34のユニフォームを飾り、福田、宗、ラオウ、T-岡田、安達、紅林、モヤ、ジョーンズら野手全員で吉田正尚の穴をカバーして優勝を掴み取った。

■あと5試合、吉田正尚と共に戦う幸せな優勝争いを満喫したい

 そして2022年。再び最終盤の優勝戦線で戦うオリックス打線は昨年に続き盤石とはとても言えない状態だ。モヤ、ジョーンズは去り、新助っ人野手は全滅。さらには安達が故障離脱。ラオウ、T-岡田は極度の不振。

 だが、今年は逆に吉田正尚がいる。いるどころではない。ここにきていつも以上の恐るべき勝負強さを発揮し、昨年自分の穴を埋めてくれたメンバーたちへの恩返しとばかりに劇的一打を打ち続けている。

 話を戻そう。19日のソフトバンク第3戦最終回二死一、二塁。吉田正尚は守護神モイネロの初球を叩き起死回生の同点タイムリー。10回裏、宗佑磨の涙のサヨナラ打への道を切り拓いた。さらに翌20日。細雨に包まれた千葉幕張でのロッテ戦。2点リードで終盤を迎えるも7回裏、小木田がロッテ井上晴哉に痛恨の同点ツーランを被弾。球場の雰囲気が一気に悪化した直後の8回表。先頭打者として打席に入った吉田正尚はロッテの剛腕セットアッパー・西野勇士から超特大の勝ち越し本塁打を右中間スタンドに叩き込み一瞬で再び球場の雰囲気をひっくり返してみせた。ZOZOマリンスタジアムに居合わせた僕は威風堂々ダイヤモンドを回る吉田正尚の勇姿を見つめながらしみじみ思った。

「今年、ついに僕たちオリックスファンは吉田正尚と共に優勝争いを体験できているんだ」

 この5年間、暗黒期も今も圧倒的存在感でオリックス打線を牽引する吉田正尚。投手陣の大黒柱が山本由伸なら野手陣の大黒柱は吉田正尚以外にはあり得ない。そんな絶対的主砲が今年は僕たちと共に連覇の夢を追ってくれている。こんなにうれしいことはない。

 今年のペナントレースも残るはわずかに5試合。ソフトバンクとの一騎打ちの結末は誰にもわからない。でも「吉田正尚と共に戦う幸せな優勝争い」を今は全力で満喫したい。そうさ、今日もあの美しすぎるフルスイングが僕らを待っているのだから。

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(市原 武法)

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