「70キロ切ると夜中に寝れなくなる」45歳で筋トレ開始…52歳男性が語る、“過酷すぎる”トレーニング生活〈妻もボディビルダー〉

「70キロ切ると夜中に寝れなくなる」45歳で筋トレ開始…52歳男性が語る、“過酷すぎる”トレーニング生活〈妻もボディビルダー〉

しらぴょんさん

〈驚きのビフォーアフター〉「筋トレをきっかけに結婚。会社では“整形”を疑われ…」52歳男性が語る、“トレーニングで激変した人生” から続く

 劇的なビフォーアフター写真がたびたびネットで話題になる人物がいる。ボディビルダーの“しらぴょん”こと、白石進氏(52)だ。 

 2014年から本格的にトレーニングを始めたという彼に、ボディビルダーカップルとしての生活、大会準備のハードさ、肉体作りに密接した食事などについて、話を聞いた。 (全2回の2回目/ 1回目 を読む)

◆ ◆ ◆

■「夫婦でボディビルダー」メリットは?

ーーパーソナルトレーナーをされている奥様の白石千賀子さんも、ボディビル界隈では有名なお方ですよね。 

しらぴょん 妻のほうが、私より成績がぜんぜん上で。ビキニフィットネスという競技カテゴリーでは日本のトップ4に入るんです。ほんと、私は「あの白石千賀子選手の夫」みたいな感じ。 

 私が鍛えているのは完全に趣味だけど、彼女はパーソナルトレーナーなので本業で鍛えているという。 

ーーいえいえ、そんなことは。おふたりとも鍛えていると「その筋トレ、違うんじゃないの?」みたいなことになったりは。 

しらぴょん 一緒にジムに行くことがあっても、私が教わるばっかりですね。なんせ向こうは、プロですから。コンテスト前になると、コンディショニングといって、体がよく動くようにいろいろ施術してくれて。そのへんが私はなんだかわかっていないんですけど、実際によく動くんですよ。 

 あと、コンテスト中って、どうしても何度も夜中に起きちゃうんです。体脂肪率の関係なのかもしれないんですけど、70kgを切ったあたりで、すぐ起きちゃうんですよね。なにかが研ぎ澄まされているのか、わからないですけど。そのあたりも理解してくれるので、なにかとすごく楽ですね。 

■スキンヘッド、日焼け…コンテストで闘うには

ーーコンテストでは、スキンヘッドは有利にはたらきますか。目立ちそうですが。 

しらぴょん スキンヘッドは目立つのかは……どうですかね。今やってるボディビルという大会のカテゴリーでは、有利でも不利でもない。 

 私があまり出場しなくなってしまった、フィジークという、サーフパンツを穿いて、体のかっこよさを競う大会のカテゴリーがあるんですね。そういう大会では髪型や表情とかも評価されるので、注意書きに「スキンヘッドは似合っていればオッケー」みたいなことが書かれているんです。 

 オッケーではあるけど、髪型や表情を評価される以上、髪型を変えようがないスキンヘッドは、フィジークの場合は不利かもしれないです。 

ーーこうしてしらぴょんさんにお会いして筋肉にも圧倒されたのはもちろん、まず「黒いな」と。大会に出る方々などが肌を焼くわけは、どういったところから来ているのでしょう? 

しらぴょん けっこう勘違いされるんですけど、肌を焼くとギュッと締まって見えるとか、筋肉が強調されるわけではないんです。肌が白いと照明で陰影が飛んじゃって、せっかく鍛えてデコボコにしたのに見えなくなってしまう。筋肉の陰影をはっきりと審査員に見てもらうために、肌を焼いて黒くしているんですね。 

■スプレーは1回1万3000円…実は細かい「大会の規定」

ーートレーニング同様に、肌の状態にも気を使わないといけない。 

しらぴょん ちゃんと焼いて、私は念には念を入れてスプレーも。セルフタンニングって自分で塗るヤツもあるんですよ。 

 大会に出る際は、この状態まで焼いた後に自分で塗って、一度シャワーで落として、次の日にもう一度塗って、本番前日に有料のスプレーをしてもらうっていう。私はその3度塗りで大会に出てます。 

 有料のスプレーは大会で指定されたサロンがあるんです。「ここかあそこで、ちゃんと受けてくださいね」という公認のサロンが。まぁ、1回で1万3,000円ぐらいしちゃうんですけど。 

ーースプレーのタンニングは、どれくらい色を維持できるものですか。 

しらぴょん 皮膚に浸透するので、1週間ぐらいは持つんじゃないですかね。2週間前にも塗っていますけど、今日は取れちゃっている状態ですね。 

ーーコンテストといえば、オイルみたいなものは。 

しらぴょん 私が出ている大会の団体は、ワセリン系のオイルを塗っちゃいけないんです。会場を汚してしまうということで。塗っていいのは保湿クリームだけ。たとえば、ニベアもワセリンが入っているので持ち込んじゃいけないとルールにあるんです。タンニングスプレーも会場を汚してはならないということで、前日スプレー、当日シャワーで落とすと決められているんですね。 

 公平性を保つためでもあるし、会場を汚さないためでもあると。 

■コロナ禍でできなくなった「アレ」

ーーフィジークへの出場回数は減ってきているとのことですが、現在はどういったカテゴリーに出場を? 

しらぴょん ボディビルをメインにしています。さっきも話しましたが、フィジークは簡単に言うと“ジーンズが似合う男性”や“海の似合う男性”を選ぶコンテスト。ボディビルは、筋肉があればあるだけいい感じ。しっかりとカットが出れば出るほどいい。カットというのは、脂肪を落として筋肉を際立たせる意味なんですけど。もう、ひたすら首から下で勝負する。 

ーーやはり大会では、すごい筋肉の方が登場すると歓声や掛け声があがるものですか。 

しらぴょん ここ3年くらい、コロナで声を掛けられないんですよ。だから、拍手だけ。やりたいんですけどね。「○○選手、バランスがいい!」とか「肩がデカい!」とか。 

 やっぱり、声を掛けてもらえると出ている側もテンションがぜんぜん上がりますし、十数人の選手がステージに出てくると、審査員の方々はどうしてもパッパッパッパッとしか見られないんです。そこで「○番、いい胸してる!」とかワッと言ってくれることで、審査員も「オッ、この選手いいじゃん」と注目することもあるので、効果もあるんですよ。いま、それができないのは非常に残念ですね。 

■衣装代、遠征代…ボディビルにかかる「費用」

ーーコンテスト出場にあたって、いろいろと出費も掛かりそうですよね。 

しらぴょん けっこう掛かると思いますね。自分が出ている大会は、非営利団体の日本ボディビル・フィットネス連盟が運営している大会なので出場料が安いんですけど、私立でやっているコンテストだと、やっぱり1回につき1万円から2万円のエントリー料を払いますから。また、全国各地でやりますので、遠征代もかかります。 

ーー衣装代はどうですか? パンツだけとはいえ、大会ごとに新しいものにしたい気持ちもあるでしょうし。 

しらぴょん 男性はそんなに掛からないですね。サーフパンツを買うにしても7,000円から8,000円、高くても1万円ぐらいのものを買えばいいので。私はだいたい、1シーズンに1着ですかね。シーズンごとに、2、3着買っている人もいますけど。 

ーー食費も気になります。高タンパクのものは値段の高いイメージがありますし。 

しらぴょん コンテスト中の食費はむしろ下がります。自分で作るし、量も決まっていて増やせないので、かえって安く済むんですよ。今日もお弁当をひとつ持ってきてるんですけど、一日に同じお弁当を4つ作って食べてるんです。この2、3ヶ月は、ずっとそれですね。家に私専用の炊飯ジャーがあるので、前の晩にご飯を炊いて4食分を作っておいています。 

 1日あたり2,000キロカロリーで抑えるのを基本にしていて、お弁当は400キロカロリー。こればかりだと味気ないので、残りの400キロカロリー分はせんべいをつまんだりするようにして。 

 食べたもの、食べるものは、ダイエットアプリを使ってカロリーを把握していますね。 

ーーそうすると、大会が終わると自ずと食べる量も食費も跳ね上がる? 

しらぴょん 反動で食べすぎちゃいますね。本当、2日もあれば6キロや7キロは平気で増えちゃうので。そのうちの3キロぐらいは、水分だとは思うんですけど。 

 最後の最後、皮膚と皮膚の間の水分をできるだけなくしたいんです。そうすると、皮膚と筋肉がピタッと張り付くような感じになって、筋肉や血管の浮き上がりがいいんです。なので、コンテスト前日の夕方ぐらいから水を飲まなかったりするんです。 

ーーコンテストが終わって、真っ先に食べたいものって。 

しらぴょん カーボアップといって、コンテスト前日に炭水化物をいっぱい摂って筋肉を膨らませるんですけど、その時に和菓子とかをいっぱい食べる。なので、洋風の甘いものが欲しくなるんですよ。チョコとか生クリームとか。  

 あとは最後の一日に塩分を抜いちゃうので、しょっぱいもの。ラーメンとか非常に食べたくなりますね。大会後は、これ以上食べられないってくらい食べてるのに、「食べたい」って感じに。 

■半年間、ほぼ減量状態

ーー大会と大会のインターバルって、どれくらいですか? 

しらぴょん 自分の場合はコンテストのシーズンに入っちゃうと、5月から9月まで大会に出ちゃいますね。まぁ、好きでやってるので。 

ーーでは、半年間ほぼ減量状態。 

しらぴょん ですね。去年は5月にコンテストがスタートするので、2月ぐらいから減量していって、9月で終わろうと思ったけど最後の戦績がよくなかったのが悔しくて、12月のコンテストにも出ようと思って。だから、10ヶ月も減量してましたね。といっても途中で波はありますけど。 

ーーコンテストに打ち込んでいる時は、甘いものは完全に断つと。お酒もお好きだとおっしゃってたので、そちらがいけないのも辛いのでは。 

しらぴょん 甘いものは時々食べますけど、スイッチが入っちゃうと、もうストイックになるというか。甘いものが目に入らないわけじゃないですよ。めちゃめちゃ目に入るけど、我慢できちゃうんです。自分が我慢した先にどういう体になれるのか、だいたいわかってきたので。 

 お酒は飲みます。来週、コンテストに出ますけど、昨日の夜も飲んでましたし、今日もこれから飲んで、明日も海で飲んで。ただ、念のためにコンテストのある週は月から金までは飲むのをやめますけど。飲むのは、ビールよりも蒸留酒ですね。ビールじゃなくて、ウイスキーを飲む。ハイボールをペットボトル500mlの炭酸がなくなるまでって決めて飲んでます。 

 おつまみは野菜とか。キュウリとか、できるだけ太らないものを食べながら飲む。私は脂質だけを減らして減量しているので。 

ーーコンテストに出ないオフの期間は、食べるものは普通に? 

しらぴょん オフは一切こだわらずに食べちゃうので。オンオフ関係なしに、普通に外食にも行きます。 

■筋トレは1日2時間…しらぴょんさんのスケジュール

ーー筋トレの頻度は、現在も週5ですか。 

しらぴょん 週5ですね。月から金で、仕事が終わってから1時間半から2時間。いまはコンテスト前で種目を増やしているのもあるので、2時間ぴったりぐらいになっちゃいますけど。それで12時前には寝て、7時に起きるようにしています。きちんと寝ているほうが筋肉はつきやすいんじゃないかと考えているので。 

ーーサーフィンもやられているんですよね。現在は転勤を機に神奈川県の藤沢市にお住まいとのことなので、サーフィンをする環境としては申し分なさそうです。 

しらぴょん サーフィンは、筋トレをやるすこし前から始めたんです。バーで「サーフィン、いいよ」って言われたのがきっかけで。土曜日は朝の3時くらいに起きて、千葉の海に行ってサーフィンをやって、昼前に帰るという。日曜と月曜が妻の休みなので、日曜は家族みんなでゆっくり過ごしています。 

ーーえ。藤沢に住んでるのに、千葉まで行ってサーフィンするんですか? 

しらぴょん 湘南の海だとそんなに波が立たないし、混んでいて人を避けられないから、それなら空いているほうがいいやと思って千葉に。会社のサーフィン仲間もみんな千葉なので、そっちに行ったほうが楽しいし。 

 湘南でサーフィンするのは、むしろ平日ですね。波が良さそうなときは朝4時に目覚ましをかけて、波情報をチェックして、実際に良ければ「ちょっと行ってくるわ」って。で、その後出勤です。 

――恐ろしい体力です。 

しらぴょん 自分の信条は「仕事は生活を豊かにするため、遊びや趣味は人生を豊かにするため」なんですけど、人生を豊かにするほうにだいぶ重きを置いているのは確かですね(笑)。 

■ボディビルにおける「目標」

ーー今後もボディビルをメインに、筋肉量をアップしていく感じでしょうか? 

しらぴょん そうですね。だんだんと体も大きくならなくなってくるとは思うんです。それでも理想を言えば、60歳の白石のベストな体、61歳の白石のベストな体というのを、1年ずつきれいに写真で撮っておければなと。 

ーースキンヘッドの今後は。いまはミノキシジルなど、AGA治療薬がありますが。 

しらぴょん 髪の毛が100%生える薬があるぞといっても、やらないと思います。会場にいても、スキンヘッドだから僕だと気づいてもらえる。いまやトレードマークなので、帽子もほぼ被らないですね。 

写真=三宅史郎/文藝春秋

(平田 裕介)

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