《日本人大リーガー“逆輸入”なら15年ぶり》メッツ傘下3A加藤豪将(27)「ドラフト指名」が囁かれる理由に巨人・坂本勇人の衰え!?【日ハム、阪神も興味か】

《日本人大リーガー“逆輸入”なら15年ぶり》メッツ傘下3A加藤豪将(27)「ドラフト指名」が囁かれる理由に巨人・坂本勇人の衰え!?【日ハム、阪神も興味か】

加藤豪将 ©時事通信社

「加藤君、ドラフトにかければ面白いかなと思って。足も速いらしいし、根性もあるみたい」

 8月上旬、日本ハムの新庄剛志監督のある発言が米球界関係者の間で波紋を呼んだ。メッツ傘下のマイナー、3Aシラキュースの加藤豪将(27)のドラフト指名に興味を示したからだ。

 この新庄発言に、米大手マネジメント会社の代理人はあきれ気味に語る。

「新庄監督の言葉は明らかにアウト。他球団に所属する選手の獲得に前向きだと表明している。メジャーの球団が、例えば千賀(滉大=ソフトバンク)らに対し、こういう言い方をすることはあり得ない。新庄監督はキャラクターで許されているのか」

■メジャー初昇格で念願が叶ったからか、NPB移籍に前向きに

 日本ハムではその後、8月下旬に行われたスカウト会議で稲葉篤紀ゼネラルマネージャー(GM)が新庄監督を咎めるどころか「ボスが気になっているので、どうするかを考えないといけない」と検討する方針を示して呼応した。

 同球団では04年にマイケル中村投手、07年には多田野数人投手とNPB未経験の日本人大リーガーを、ドラフト会議で指名した実績がある。

 昨季まで監督を務め、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の栗山英樹監督が8月にMLB視察から帰国した時、加藤を念頭に置いたかのように「日本の絡みがある選手、思い切り探してます。冗談じゃなくて。アメリカじゃなかったら日本で出るという空気を感じた」とコメントしたのは偶然だったのだろうか。

 10月20日のドラフト会議を前に多田野以来、15年ぶりに日本人大リーガーが「逆輸入」されるかどうかが、にわかに焦点として浮上してきている。

 NPBではかねて複数の球団が加藤を調査していた。前出の代理人によると、コロナ禍以前は加藤にNPBでプレーする意思がなかったものの、気持ちは変化したという。

「コロナ禍でマイナーは2020年に全試合が休止になった。加藤はメジャー昇格をアピールしたくても、その場がないというつらい経験をし、今季ようやくメジャー初昇格した。念願が叶ったからか、NPB移籍に前向きになったと見られている。年齢的にもアメリカでマイナー暮らしが続くならトップレベルでできる日本行きも考える時期で、機は熟している」

■「ドラフトでは加藤に手を出すな」と囲い込んでいる?

 加藤は両親に日本人を持ち、米国で生まれ育った。サンディエゴの高校時代の13年、MLBのドラフト会議で2巡目、全体66位でヤンキースから指名を受けた。憧れはイチローで、代理人を同じジョン・ボッグスに選定した。大谷翔平(エンゼルス)とは同学年だ。ヤンキースを皮切りにマイナーを転々とし、プロ10年目の今季、MLBドラフトを経て入団した日本選手としては史上初のメジャーデビューを、ブルージェイズで果たした。

 座右の銘は『Late Bloomer(大器晩成)』。遅咲きで構わないとはいえ、今年の日本のドラフト会議時には28歳。晩成へのタイムリミットは近い。

 NPB入りなら日本ハムになるのか。元在京セ・リーグ球団スカウトがこう分析する。

「隠し球のような選手の指名は情報管理を徹底するもの。日ハムが事前にここまでメディアに加藤のことに言及するのは不自然。獲得を検討している他球団が指名しないよう、けん制したのではないか。新庄監督と稲葉GMのやり取りを通して『ドラフトでは加藤に手を出すな』と囲い込んでいるようにも見える。即戦力なのに契約金、年俸が高額にならなそうなのは日ハムの編成方針に合う。来季は新球場オープンの年で、集客につながる話題の選手は一人でも多い方がいいという事情も関係しているのではないか」

 では、日ハム以外に加藤を獲得しようと動きそうな「他球団」とは一体どこか。元スカウトが続ける。

「巨人と阪神の動向が気になる。巨人は坂本(勇人)の衰えが顕著で、来季は遊撃の定位置の保証はない。内野ならどこでも守れる加藤は補強ポイントに合致する。阪神は内野では二塁だけが固定できず、8月にはキャンプでも練習していなかった佐藤(輝明)が入ることさえあった。両球団の指名があっても驚かない」

 特に巨人は今季、低迷を打破しようと、2年ぶりにFA補強に乗り出すことが必至の情勢だ。内野手は浅村栄斗(楽天)や外崎修汰(西武)と候補はいるものの去就は不透明。何よりチームは投手強化が最優先課題で、最大2枠しか使えないFA補強だけでは足りない。

■3位指名を受けるぐらいの実力も持っている

 坂本は来季34歳で開幕を迎える。フルシーズン、正遊撃手でプレーするのは困難だ。ただ、若手が育っておらず、ある程度は坂本に頼らざるを得ない。加藤ならその負担を和らげることができる。二塁に定着した吉川尚輝を遊撃に回し、加藤を二塁に置く手もある。

「加藤は新庄監督が言うように根性もある。『うまい選手は要らない。強い選手が欲しい』と言う原(辰徳)監督好みの選手。環境が劣悪なマイナーを経験してきただけに、その好みに合う選手。停滞するチームに活を入れるにはうってつけと言える」(前出の代理人)

 NPBではオリックスが02年にメジャー通算16勝のマック鈴木をドラフト指名するなど過去に、あっと驚く日本人大リーガーのNPB入りがあった。前出の代理人はこう予想する。

「田沢(純一)は社会人から直接メジャーに行った時に騒動になったいきさつから20年、待っていた指名はなかった。NPBの各球団はまだまだ保守的で、曰く付きの選手の獲得を敬遠するものだが、加藤にその心配はない。3位指名を受けるぐらいの実力も持っている。即戦力の内野手が欲しい球団の指名は十分に考えられる」

 15年ぶりの日本人大リーガーのNPB球団入りは、ドラフトで独自路線を行く日本ハムか、なりふり構わない大補強に打って出そうな巨人か、新監督の阪神が待ったをかけるのか、それとも……。ドラフト当日の上位指名に要注目だ。

(木嶋 昇/Webオリジナル(特集班))

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