無理心中を図った旧友、かつて思いを寄せた女性の変死…現在と過去の事件が交差するサスペンス 「渇きと偽り」を採点!

無理心中を図った旧友、かつて思いを寄せた女性の変死…現在と過去の事件が交差するサスペンス 「渇きと偽り」を採点!

© 2020 The Dry Film Holdings Pty Ltd and Screen Australia

■〈あらすじ〉

 メルボルンの連邦警察官として働くアーロン(エリック・バナ)は、旧友ルークの葬儀に参列するため、20年ぶりに帰郷した。ルークは長引く干ばつにより経済的に追い込まれ、妻子と無理心中を図ったとされていた。彼の両親に真相究明を懇願されたアーロンは、事件に違和感を抱く地元の若い警官と共に捜査を開始する。

 アーロンは17歳の頃、ルークとその恋人グレッチェン、そして思いを寄せるエリーの4人組で青春を謳歌していた。ところがエリーが変死したことをきっかけに、父親と共に故郷を追われることになったのだった。つらい記憶に苛まれながらも、アーロンはルークの事件と、未解決のままになっていたエリーの死の真相に近づいていく。

■〈解説〉

 干ばつに苦しむ閉鎖的な田舎町で、過去と現在の事件が交錯するクライム・サスペンス。監督・脚本はオーストラリアで活躍するロバート・コノリー。117分。

中野翠(コラムニスト)

★★★★☆少年時代に負った心の傷。罪悪感。過去と現在。二つの物語が交錯する形で描かれるので、ちょっと混乱するが引き込まれた。

芝山幹郎(翻訳家)

★★★★☆因縁の炙り出し方は定石通りだが、背景となるアウトバックの渇き方がやはり怖い。渇いた小さな共同体はもっと不気味。

斎藤綾子(作家)

★★★★☆乾ききった大地と、無視するようで監視する人々。記憶の断片の謎が一層の恐怖を捉え、震えあがりつつ引き込まれた。

森直人(映画評論家)

★★★☆☆因果関係を追っていくと謎解きに唐突感を受けるのが惜しい。だが回想もスムーズだし役者や土地の磁力で面白く魅せる。

洞口依子(女優)

★★★☆☆観客を映画へしっかり導く主演俳優。怠慢な銃撃戦もなく『ピクニックatハンギング・ロック』を彷彿とさせる快作。

『渇きと偽り』(豪)
新宿シネマカリテほか全国公開中
http://kawakitoitsuwari.jp/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年10月6日号)

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  • 1

    図々しい文春。寄生獣

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