森で出会った少女は“母親と同じ名前”を持っていた…時空を超えて3世代の女性が出会い直す 「秘密の森の、その向こう」を採点!

森で出会った少女は“母親と同じ名前”を持っていた…時空を超えて3世代の女性が出会い直す 「秘密の森の、その向こう」を採点!

©2021 Lilies Films / France 3 Cinéma

■〈あらすじ〉

 8歳の少女ネリー(ジョセフィーヌ・サンス)の大好きな祖母が亡くなった。両親と共に祖母の家を訪れるが、森の中にあるその家で育った母親のマリオン(ニナ・ミュリス)は、黙って家を出て行ってしまう。

 一方、父親(ステファン・ヴァルペンヌ)が片付けをしている間、森で遊んでいたネリーは、母親と同じ名前を持つ8歳の少女・マリオン(ガブリエル・サンス)と出会う。突然の雷雨に見舞われ、彼女の家に逃げ込むと、そこは23年前の祖母の家だった。数日を一緒に過ごし、マリオンと親友になったネリーは、彼女にある告白をする。

■〈解説〉

『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマ監督・脚本作。娘・母・祖母の3世代が時空を超えて出会い、喪失が癒やされていく。73分。

中野翠(コラムニスト)

★★★★★思い切った発想で描かれた生と死の物語。森の中で出会った不思議少女。短めの映画なのに、様々な感興をかきたてる。

芝山幹郎(翻訳家)

★★★★☆超自然的な描写を避けた静かな魔法が効いている。哀惜や鎮魂は日常の雑音を伴うのか。落葉を踏みしめる音が耳に残る。

斎藤綾子(作家)

★★★☆☆幼い頃に誰もが体験しそうな少女二人の掛け合いが面白い。乖離しかける母を赦し抱き合う8歳の姿が切なく愛おしい。

森直人(映画評論家)

★★★★☆コンパクトな尺で綺麗に設計された良質の寓話。“実写ジブリ”に近い味。内面世界の多層性を探究する眼差しが細かい。

洞口依子(女優)

★★★★☆秋色の森に二人の少女。映画という魔法に誘われる映像は過去作同様記憶に残る。森で私も少女の母に会いたくなった。

『秘密の森の、その向こう』(仏)
ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開中
https://gaga.ne.jp/petitemaman/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年10月6日号)

関連記事(外部サイト)

  • 1

    フェミニスト弁護士のモチーフ? 上野交番で相談したヤツ。 同じ刑事弁護でも、どうしてこんなに違い出る?って。

すべてのコメントを読む