《レコ大、紅白で歌手活動休養》氷川きよし(45)が望む事務所独立と「Kiina」への正式改名「豪邸の権利、芸名の使用…立ちはだかる“契約問題”」
2022年11月22日 18時10分文春オンライン

氷川きよし ©️時事通信社
12月30日に放送される「第64回輝く!日本レコード大賞」の大賞候補となる楽曲が発表され、大晦日の「NHK紅白歌合戦」の出場者も発表された。芸能界はすでに年末ムードだ。
今年、揺れに揺れた演歌界のプリンス・氷川きよし(45)は、レコード大賞の最有力候補でもあり紅白では紅組・白組の枠を超えた「特別企画」での出演となる。なにせ、年内いっぱいでの「歌手活動休養」を発表している大切なポイントなのだ。
■自分を見つめなおしリフレッシュしたい
所属事務所・長良プロダクションのホームページで「年末での休養」が発表されたのは、今年1月21日のことだった。
《2000年2月2日にシングル「箱根八里の半次郎」でデビューして以来、22年間歌い続け、走り続けて参りました。
ここで一旦お休みをいただき、自分を見つめなおし、リフレッシュする時間をつくりたいという本人の意向を尊重しこの様な決断に至りました。
お休みの期限は特に定めておりませんが、お休みに入るまで約1年ございます。コンサートツアー、6月からの劇場公演等で皆様にお会いできるのを楽しみにしております。》
業界もファンもざわめいたが、発表の通りその後氷川はものすごい数のコンサートツアーや明治座などでの座長公演をこなし続けてきた。
「新曲やコレクションアルバムCDもリリースを続け、12月までコンサートツアーがあります。どのステージでも『23年のあいだ一日も感謝の気持ちを忘れたことはありません。ひとに何を言われたって応援してくれる人には喜んでもらいたい』と話して、『きよしのズンドコ節』から最新曲まで歌ってくれます。会場は色とりどりのペンライトで溢れるんです」(ファンのひとり)
だが、こんなトークもあったという。
「最新曲の紹介のときに、『氷川きよしとしては最後のリリースの曲です』と言ったんです。そうか、今後はKiinaでいくのかなって」(同前)
■ジェンダーを超えた新生・氷川きよし「kii(キー)」
振り返ると3年前の11月。新曲の発表会で、「本来の自分に戻りました。新生・氷川きよし、kii(キー)です」と、呼び名を変えつつあることを喋ったのが最初だった。翌年のデビュー20周年を控えたデイリー新潮でのインタビューでは、「世間が求める『氷川きよし』の姿とは違う。あくまで『演歌の王道』を歩んで欲しい、男らしく生きて欲しいって言われると、自殺したくなっちゃうから、つらくて……」と答えていた。
「Kiinaはkiiとnaturalを足したもので、よりナチュラルに生きられるようにつけた名前だと本人がインスタで言っていました。ファンは、きーちゃんと呼ぶひとが多いかな」(同前)
いまやジェンダーを超えた美しいKiinaを発信するインスタとして、演歌ファンのみならず45万人ものフォロワーが氷川のファッションや日常生活の様子を日々楽しみにしている。
■社長が幹部社員に殴りかかり…
だが、氷川がそんな多忙なラストイヤーを過ごすなか、 「週刊文春」(10月13日号) には衝撃的な記事が掲載された。「社長の暴力事件、幹部4人退社の陰で 氷川きよし 事務所独立へ」というものだ。今夏、氷川のファンクラブ事務局が入居するビル2階にある社長室で起きた“事件”。社長が50代前半の幹部社員(当時)に殴りかかり、警視庁捜査員と救急隊員が出動する騒ぎとなったというのだ。
現在の社長は、福岡から上京した氷川を見出し育てた故・長良じゅん氏の長男でいわゆる2代目。先代は2003年に現社長に代表を引き継ぎ会長職に退いた後、2012年にハワイのゴルフ場で事故に遭い急逝している。
「亡くなった会長には恩義も尊敬も溢れていた氷川ですが、2代目とはそりが合わず直接会話することもお互い避けているような状況でした。双方弁護士をたて、今後の契約解消について話し合おうとしていた矢先に投打事件が起きたのです。結局殴られた幹部社員をはじめ、主に氷川周りのスタッフ計10名ほどが退社をすることとなりました」(芸能デスク)
先代の社長(会長)は、氷川を守ることに長けていることで知られていた。
「芸能マスコミから氷川についての問い合わせなどがあると、会長の個人名で立派な果物などが突然送られてくる。ほかの芸能プロではありえない“贈り物”で、氷川の私生活やスキャンダルを探そうとするマスコミはある意味けん制される部分もありました。それもこれも、その才能を見出し育てることに尽力した先代の優れた手腕だった」(同前)
■豪邸の権利、芸名の使用…事務所との“契約問題”
代替わりした現社長との相性と先代の死で、所属事務所としっくりいかなくなっていた。ベテラン歌手となるにつれ「もっとナチュラルに生きたい」と願う氷川が、今年末での休養を発表する裏には「事務所からの独立」のシナリオがちらついていたのだ。
そんななか、暴力事件の被害者で退社に至った元幹部社員の新たな動きが聞こえてきた。
「元幹部が一緒に辞めた数名を連れて、とある大手音楽制作会社に移籍をする。80年代から90年代にかけて急成長を遂げた会社で、いまやたくさんのグループ企業を有して多方面での経営に手を広げている有名なところです」(同前)
いずれそこに氷川が移籍して――、という目論見もあったのかもしれない。だが、そうすんなりとはいかない事情があった。
「8年半前に氷川が建てた豪邸があります。登記上、この土地には3億円以上もの抵当権設定がされていますが、その抵当権者は長良プロです。会長の死後に独立を恐れた事務所がお金を貸したカタチになっており、支払いは給料から天引きになっているといいます。
さらに、氷川きよしの芸名の使用を巡っても一種の契約を取り交わしているそうで、いまの事務所を辞めると使えなくなる可能性が高い。ほかにも『氷川が長良にいるという条件で契約した』というような事務所と企業の取引案件などが存在するそうで、個人レベルでは難しい状態だと聞いています」(事務所関係者)
だからこその弁護士をたてての話し合いになっているのだろう。解決策はみつかったのだろうか。
■氷川が描く事務所独立のシナリオ
「込み入った事情を整理整頓するために、来年休養に入った氷川はまずいまの事務所との契約解消から始めます。そして、先にスタッフが移籍している大手音楽会社の“グループ会社”を作るようです。
数カ月間そこに所属してマネジメントをしてもらい、次に世間に出るときにはKiinaという名前がメインになる予定です。本人としては、名前が変わることをむしろ望んでいる。あとは往年のファンの応援あるのみです」(同前)
レコ大そして紅白歌合戦での氷川きよし、いやKiinaの晴れ姿は多くの人の目に焼き付くはずだ。
(山本 雲丹/Webオリジナル(特集班))
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