「4人目が一番キツかった。高齢育児も…」44歳で第4子を出産したhitomi(46)が語る“3回の結婚とステップファミリー”
2023年01月22日 12時00分文春オンライン

hitomiさん ©avex
2000年代に『LOVE 2000』『SAMURAI DRIVE』などの大ヒットを経験し、現在は9年ぶりの単独ライブ・ Billboard Live 公演に臨んでいる歌手のhitomiさん(46)。アーティストとして約30年にわたり活動を続けるなかで、プライベートでは4人の出産と3回の結婚にも向き合ってきた。hitomiさんに、自分ごととしてステップファミリーを知ってからの「結婚観」や「家族との関係性」の変化について聞いた。(全2回の1回目/ 後編 に続く)
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■44歳で第4子を出産「4人目が一番キツかった」
――2020年、44歳のときに第4子を出産されたんですよね。子だくさんな家庭を望まれていたのでしょうか。
hitomiさん(以下、hitomi) 4人目も欲しかったですね。とはいえ妊活というほどのことはしてなくて、「自然にできたら最高だね」くらいの感じだったので、幸運でした。
――44歳というと高齢出産になりますが、4人目ともなると余裕が生まれるものですか。
hitomi いえ、陣痛から産まれるまで、4人目が一番キツかったです。今思えば、最初の長女のときは一番ビビってましたけど実際には一番ラクで、あとは1人産むごとに辛くなる感じ(笑)。
最初は2000グラム台だったんですけど、産むごとに出生体重も増えていって、第4子は3200グラム。胎児の数百グラムの違いも身体にはこたえるのかも、とも思いました。
■「高齢出産も大変ですけど、高齢育児も…」
――大変さはご自身の年齢の部分も大きいですか。
hitomi 高齢「出産」も大変ですけど、高齢「育児」もペース配分をうまくしないと体力が持たないです。なので文字通り、力を抜きながらやるようにして。あとは6人家族なので、単純に家事の量は多くなりますよね。洗濯物も皿洗いも、やってもやっても終わらない(笑)。家事で1時間立ちっぱなしはザラです。
――お子さんは現在14歳、8歳、6歳、2歳の1女3男と、年齢層もさまざまですよね。
hitomi 食べ物の好みも全員違うから、「はい、みんなそれぞれ好きなもの頼んで!」と言えるファミレスが一番ラクですけど、毎日行くわけにいかないですし、ウーバーイーツも高いですしね~。
昨年は本当に子育てが大変でイライラしてしまうことが多い1年だったんです。でもよくよく考えれば、4人の子どもがいて、そのうち1人は思春期の女の子で、1人はイヤイヤ期真っ盛りの2歳児。しかも全員、自己主張が激しくて、私も同じくらい曲げない。「これは大変なのも当然だわ」と客観的に思い至りました(笑)。
――hitomiさんもそんな風に育児で大変なんだと思うと、ちょっとホッとします。
hitomi 「しかたないよhitomiさん、そりゃあイライラしちゃうよね」と、自分に声をかけてねぎらうと心が落ち着くというか。「今度もあのパターンね」みたいに考えると、キーッとなりそうなときでも冷静にいられる気がします(笑)。
■両親の不仲で、結婚や家庭に憧れがあった
――hitomi さんは2度目の結婚の際に長女を出産し、3年で離婚。シングルマザーを経て38歳のときに3回目の結婚と妊娠(長男を出産)を発表しました。変化の度に、ご自身の言葉で率直に語られてきた印象があります。
hitomi いや、結構隠してますよ(笑)。ただ、離婚・再婚やシングルマザー、ステップファミリー(子どもと一緒に結婚や同居をしてできた新しい家族・家庭)といったことに悩まれている方に向けて、「自分の場合はこうですよ」とお伝えできることがあるのなら、という気持ちです。
私自身は両親が不仲だったこともあり、結婚や家庭というものに人一倍憧れがありました。20代のときはその理想と現実の間を埋められずモヤモヤしていましたし、2度目の結婚のときには震災もあり、生活のすれ違いに大きな不安を感じたりして、その都度、悩みながら決断していったという感じです。これまでの歩みは、人から見たら失敗だらけかもしれないですが、自分自身ではひとつひとつ、納得した上で積み重ねてきたことなんです。
■ステップファミリーの一員になってわかったこと
――現在はステップファミリーとして家庭を築いています。連れ子である娘さんとパートナーとの関係で気をつけていることはありますか。
hitomi 自分自身がステップファミリーの一員になってはじめてわかったことがたくさんあります。最近思ったのは、役割の決め方ですね。夫が「娘のよき理解者でありたい」と率先して前に出ていってしまうと当然、彼女を叱るような場面も出てきます。そのとき、内容によってはやっぱりずっと一緒に過ごしてきた私からの指摘のほうが娘もスッと受け入れやすいことがあって。
――過ごした時間の積み重ねや思春期という年代、父親と母親の違いなどもありそうです。
hitomi なので、今は夫は「ポジティブ担当」。あくまで今の段階での話ですが、繊細な話はなるべく私が聞いて、彼は褒めるとか、買い物に行くとか、陽気に過ごせるパートを担当してもらうことにしました(笑)。
とはいえ当然、注意するときはしないといけないし、今って、言い方は正しくないかもしれないですけど、ちょっと過剰に反応する時代だと思うんですよ。
■学校から「申し訳ありませんでした」と電話が…
――「過剰」というのは、具体的にはどんなことですか。
hitomi 先生のちょっとしたミスで子どもの消しゴムが無くなったことがあったのですが、学校から「申し訳ありませんでした」と丁重に電話がかかってきて驚きました。子どもがほんの少し頭をぶつけたとき、恐縮してしまうくらい謝られたこともあります。
私自身は、外に行けば何か起きてしまうのは仕方ないと思ってるし、アクシデントも学びになると思ってるくらいなんですけどね。だから子どもには基本的な礼儀とか、人を傷つけないとか、そういうことだけはきちんと伝えているつもり……ですが、「どの口が言ってんだか」という感じも常にあって。
――「昔の自分が今の自分を見たら笑っちゃうよね」みたいな感じですか。
hitomi そうなんです。一応、子どもの前では「親」というロールをやってますけど、「本当は親の自分の方ができてないんだよね」みたいなことはしょっちゅうあります。子どもによく「ダメなんだよ、ご飯食べる前にお菓子食べちゃ」と自分が言ってるのに、私が食べてる姿を見られると「ママだってやってるじゃん」と注意されます(笑)。
■自分が特別だと思ってほしくない
――今、一番上のお子さんが14歳ということで、hitomiさんが雑誌「Fine」でモデルデビューした17歳も目前ですよね。お子さんを見ていて、同じ道に進むことなどについて考えることはありますか。
hitomi つい先日、長女が「プロジェクトセカイ」というライブを見に行ったんです。そのライブでは、演奏は生演奏だけど歌い手が初音ミクさんなどでバーチャルらしく、BOØWYファンでライブハウス育ちの自分なんかは、子どもの説明を聞いて「へぇ~」という感じで。
だから、娘の時代と私たちの思春期の時代はまったく違うんだということを踏まえて、子どもたちの将来も考えるようにしています。普段から、私が歌手であることを子どもたちに言うことはないんです。テレビにたまたま出てたら「こういう番組に出たんだ」とかって説明はしますけど。
――お母さんが芸能人であることを意識させないようにしている?
hitomi 自分が「特別」だと思ってほしくないんですよね。歌手というのも職業のひとつであって、八百屋さんやパイロットや税理士や、いろいろある仕事のうちのひとつ。自分の歌詞が生活と地続きで生まれてくるように、子どもにも地に足のついた暮らしをしていってほしいなと思っています。
『LOVE 2000』を前に20代で小室ファミリーから離れ…hitomi46歳が明かす“更年期と還暦”への思い「シミやシワにガッカリすることは増えるけど」 へ続く
(小泉 なつみ)
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