井端弘和が語る「与田監督のすごさ」と「ドラゴンズが優勝するために必要なこと」

中日ドラゴンズ・与田剛監督のすごさを井端弘和氏が語る 優勝もありうると発言

記事まとめ

  • 元中日ドラゴンズ・井端弘和氏が与田剛監督の『眼力』のすごさについて語っている
  • 井端弘和氏は開幕戦で京田陽太と福田永将を外した采配についても評価している
  • シーズン前半で上位争いをする経験ができれば、中日が優勝する可能性はあるという

井端弘和が語る「与田監督のすごさ」と「ドラゴンズが優勝するために必要なこと」

井端弘和が語る「与田監督のすごさ」と「ドラゴンズが優勝するために必要なこと」

今年から「大澤広樹のドラゴンズステーション」(東海ラジオ)の解説者に就任した井端弘和氏 ©カルロス矢吹

 おかえりなさい、井端さん! 中日ドラゴンズ黄金期を支えた“伝説のいぶし銀”井端弘和さんが文春野球に登場! 「コーチとして呼ばれたら、いつでもすっ飛んでいく」(『ドラゴンズぴあ 2019』より)とキッパリ語った古巣・ドラゴンズの現在の戦いぶりと亜細亜大学の先輩・与田剛新監督について、愛情いっぱいに語っていただきました(開幕3連戦直後の4月2日に収録)。

――横浜DeNAベイスターズとの開幕3連戦は1勝2敗と負け越してしまいましたが、ドラゴンズの戦いぶりを井端さんはどうご覧になりましたか?

井端 2勝1敗になる可能性は十分にありました。1戦目の結果は大敗でしたが、途中までは五分五分でしたし、しっかり戦っていたと思います。「今年は違うな」と思ったところで、2戦目は快勝しました。山井(大介)が40越えて開幕2戦目で勝てたというのも良かったと思います。

 3戦目は初回で点を取られて、今までのドラゴンズだったらズルズル負けてしまうところを、投手が踏ん張っている間に打線が1点ずつ取って一度は追いつきました。あとは終盤の1点勝負の場面、送るところできっちり送る野球をやっていれば勝ちにつながったと思います。いい野球をしていたので、今後が楽しみになった3連戦でしたね。

――井端さんからご覧になって、去年までのドラゴンズとはどのような違いがありますか?

井端 野手から言うと、ドラゴンズは去年、規定打席に達した打者が7人いて、捕手以外はほぼレギュラーと言って良かったのですが、開幕戦ではその中から京田(陽太)と福田(永将)を外して、阿部(寿樹)と(堂上)直倫が起用されましたよね。

 このことによって「頑張れば試合に出られる」という意識がチーム全体に浸透したと思います。監督が代わって、以前はくすぶっていた選手も「俺はまだできる」と思うようになった。試合に出た選手たちも良い仕事をしているし、京田もまた頑張らないといけないと思うようになったでしょう。「ダメだったらスタメンから落とされる」「調子が良ければ試合に出られる」という選手たちの意識が、戦い方に表れていると思います。

――選手の競争意識がチームに良い影響を与えているんですね。

井端 あとは二軍で打っている選手がいるので、一軍の選手との入れ替えも行えば、さらに突き上げが激しくなってチームも良くなると思いますよ。誰が試合に出ても遜色ないというのがいいんです。一軍の試合に出るとき、「大丈夫か?」と思われるのではなく、期待感が持てる選手がどんどん出てくれば、チームにとっても良いことですし、ファンも楽しいと思いますよ。

 投手については、与田監督はずっと(コーチとして)見られてきた方なので、また別の起用をしていくのだと思います。阿波野(秀幸)さんも亜細亜大学で一緒にやられていた方なんで、上手く回していくでしょうね。

■井端さんが語る与田剛監督の「すごい眼力」

――井端さんといえば、与田監督の亜細亜大学の後輩ということで先日もインタビューされていましたが、与田監督の選手との接し方についてどのように感じていますか?

井端 物腰は優しそうですが、亜細亜大学なので目の奥はすごいですよ!(※編注:井端さん曰く「日本一厳しい野球部」。著書『土壇場力』では「鬼より怖い亜細亜大学」「あまりの理不尽さに気が狂いそうになる」などと表現)。インタビュー中もニコニコしているようで、グッと見られたら、こうなっちゃいましたから(と、のけぞるポーズ)。

――井端さんでさえ!

井端 すごい眼力ですよ。京田の例ばかりで悪いのですが、オープン戦の終盤でああいうプレイ(与田監督は「動きが悪かった」と説明)があったりすると、何も言わずに引っ込めて平気で使わないですからね。それが選手にとって一番恐ろしいんです。

――そ、そうなんですか?

井端 「無言で使わない」ってのが選手は一番こたえるんです。やっぱり、まず怒って、それでダメだったらスタメンから外したりするのが普通だと思いますが、(与田監督の場合)何も言わずに使わないんですから。そんなこと、僕には絶対にできませんよ。

 京田の代わりに起用した(堂上)直倫が打って、京田が「俺は大丈夫か?」と思ったところで使って2安打放っているんですから、素晴らしい起用法だと思います。

 打順に関しては、開幕後もベストの打順をずっと探していると思います。自分の野球はこうだ」というものが見つかるまで、どんどん追求しているのでしょう。堂上直倫の5番なんて、僕の頭にはまったくなかったですから!

――僕も驚きましたが、開幕2戦目はそれがハマりました!

井端 普通、高橋(周平)を5番に上げたりすると思いますが、そうはしなかった。今年は4番の(ダヤン・)ビシエドと6番の高橋は1年間固定していくと思います。ここは頑なですね。与田監督は芯がしっかりした方なんですよ。亜細亜大学ですから!

――現在のドラゴンズは2番打者が固定できていないように思います。現役時代に2番を打つことが多かった井端さんですが、誰が適任だと思いますか?

井端 どんな野球を目指すかにもよりますが……実は(ソイロ・)アルモンテがいいんじゃないかと密かに思っているんです。

――2番アルモンテ!

井端 送りバントをしないという前提ですが、広角に打てて、選球眼も良くて、スイッチヒッターで、投手が簡単に投げると長打や一発もある。相手からしたらすごくイヤな2番打者だと思いますよ。

■ドラゴンズが優勝するために必要なこと

――ズバリ、ドラゴンズに優勝の可能性はあると思いますか?

井端 あると思います。先ほども言いましたが、去年規定打席に達した選手が7人いるのはとても大きなことなんですよ。1年間通して一軍で結果を出した経験があるのとないのとでは大きな差があります。そこに控えの選手が割って入ることができれば、高いレベルで競争が起きる。これはすごく良いことなんです。

 広島だって、野村(謙二郎)監督のときに若手選手を我慢して使っていたから今があるんです。経験を積んで、規定打席に達した選手たちが活躍するようになり、最初は5位、6位だったのが3位争いをするようになって、3連覇するようになったわけですからね。

――では、優勝争いをするために今のドラゴンズに必要なことは何でしょうか?

井端 まずは離されないこと。早い段階で2位や3位あたりになることですね。シーズン前半で「今日勝てば1位になれる」という戦いを経験しておくことが大切なんです。そのとき1位になれなくても、その経験がシーズン終盤で「今日勝てば3位」というような大切な試合に生きてくるんです。

 リーグの下位で戦っているのと、上位で戦っているのとは、まるで違うんですよ。去年の9月に逆転CSを賭けた試合がありましたが、それまでずっと5位、6位にいたので、大切な試合では負けてしまうんですよ。しかも大敗だったから一気にズルズルといってしまった(9月21日から5連敗)。それまでに上位で戦った経験があれば違ったと思います。

 今年、シーズン前半で上位争いをする経験ができれば……あると思います!

――力強いお言葉、ありがとうございました!

協力:イオンモールナゴヤドーム前

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(井端 弘和)

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