「楽天の4番島内宏明、どう思いますか?」 本人に聞いてみた

「楽天の4番島内宏明、どう思いますか?」 本人に聞いてみた

楽天の新4番に入った島内宏明 ©文藝春秋

 4月9日、埼玉西武ライオンズとの今シーズン初戦、正直いうと開幕戦より緊張感はあったかもしれません。何故ならば、これまで積み上げられてきた絶対的な苦手意識からシーズン初戦を落とす事でまた新しいページにそのハンコを自ら押してしまいそうで……。

 思えば小1の時にジャングル大帝レオの自転車でコケて大ケガした頃から相性は悪かった。大阪市内を歩いていると何度となく出くわすライオンズマンションに怯えながら、森本レオさんの声に癒される事なく、いつしかおはようからおやすみまで暮らしを見つめられているんじゃないかとガタガタ震えながらの日々……。

 しかーし! そんな日々にサヨナラを告げるかの如くの勝利! ありがとー、ありがとー、ありがとうー!!

 えっ?

 いつも通り? 取ったら取られの薄氷を踏むような勝利やて?

 アホなこと言うたらあきまへん。確かにスコアだけみたらそうなんです。ただ正直7回裏に2点とられ7対6とされても昨年までのように、あっ……このままいかれる……みたいな恐怖が不思議となかった。取られてもライオンズに負けんくらい取ったるどーみたいな不思議な安心感さえあった。まぁ昨年まで一番恐怖だった東淀川区出身のドンがウチに来てくれた事も確かにある。

 だがしかーし、それだけやないのです。今季、楽天イーグルスの底力の秘密、それはもしかしたら「4番島内宏明」にあるのではないかと思い、4月6日京セラドームで行われたオリックス戦の後少しお話を聞いてきた。

■「4番島内」について本人に聞いてみた

かみじょう「今日も3安打、絶好調ですね!」

島内「いや……」

かみ「調子良さそうに見えるのですが?」

島内「自分の手応えとしては全くダメで、スイングも鈍いんです」

かみ「えっ……」

島内「なんでいいのかわからないですね」

 意外な答えに戸惑いながらも、打順のお話にはキッパリと断言してくれた。

かみ「4番島内についてはどうお考えでしょうか?」

島内「いやです」

かみ「いやなんかーい。プレッシャーはありますか?」

島内「全くないですね」

かみ「ならば自分の理想の打順はありますか?」

島内「9番ですね!」

 強がりではなく、プレッシャーを感じている雰囲気は全くなかった。プレッシャーを感じるのは「自分は4番」だと意識の中にある選手が感じる物であってあくまで自分は違うと言いたげだった。

かみ「センバツ高校野球、星稜頑張ってましたね!」

島内「そーなんですよっ」

かみ「試合は観てました?」

島内「観ることは出来なかったですが、応援してました。いける(きっと優勝)かなぁと思ってたんですが、よく頑張ってましたね!」

 神妙な面持ちから一転、柔らかな笑顔になる島内選手、選手の頑張りが非常に刺激になるらしく、差し入れはまた改めて考えていると教えてくれた。

■「あの方がいなかったら確実に僕はここにいません」

島内「あと、米村さんから教えてもらった通常の3倍くらいの重さのボールでトスバッティングを試合前してますね」

 突然飛び出した米村理氏の名前。元楽天のコーチで現在はオリックス・バファローズの二軍チーフコーチ兼打撃コーチである。

かみ「米村さんにはお世話になったんですか?」

島内「お世話になったなんて……僕がしょっぼいバッティングしてた頃から、“お前が一番ええバッターや”て言って下さって。あの方がいなかったら確実に僕はここにいません」

 僕自身も大変お世話になっている方、昨年オリックスの春キャンプにお邪魔した際は室内練習場に響き渡る大声で、

「おーい! 皆、楽天ファンのかみじょう君が来てくれたどぉー!」

 振り向いた吉田正尚選手には、

「まさたかぁー! ナニ見とんじゃー」

 パ・リーグ国語辞典を作るなら、【豪快】と【天真爛漫】の言葉の解釈は「米村理」でよし。そんな方である。

 帰り際、背番号00番を指さしながら僕の耳元で、

「本人に言うたら調子乗るから言わんけど、あの新人、来年には一軍いてるぞ」

 もちろんその声も本人に充分届く音量だった事はお伝えしておきたい。

 そして本当に米村さんの言う通り、背番号00番は今シーズンから一軍のセンターのレギュラーとして試合に出続けている。奇しくもインタビューさせてもらったその日、背番号00番こと西浦颯大選手のスーパーレーザービームで刺されたのが島内選手だったのもなんだかなぁ。

 今シーズン開幕前に平石洋介監督は4番島内を明言した。3番浅村栄斗選手との勝負を避けられた際に一番信頼のおけるバッターを据えたのだろう。一般的に繋ぎの4番なんて事も言われているが、繋ぐという事は出来るだけヒットを量産、もしくは出塁する、アウトになれどダブルプレーは避けたい。などなど注文はとにかく多く、三振かホームランでいいという訳にはいかない。つまり“一番ええバッター”でなければならない。その中で9日現在チームトップの打率と安打数、.478というダントツトップの出塁率は“一番ええバッター”の証ではないだろうか。

 最後に聞き忘れてた質問、

 なんで9番なんですか?

 僕が9番打つチームって強くないですか?

 いやそれ日本代表クラスですから(笑)。

「4番島内宏明」本人以外は確実に手応えを感じている。

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(かみじょう たけし)

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