かまいたち濱家「フジモンさんにいじられてゼーゼーしています」東京に来て“トゲトゲ”を脱いだ日

かまいたち濱家「フジモンさんにいじられてゼーゼーしています」東京に来て“トゲトゲ”を脱いだ日

©深野未季/文藝春秋

なぜか60代女性から圧倒的支持 かまいたちが語るラジオ「ヘイ!タクシー!」の秘密 から続く

 かまいたちが東京に活動の場を移してから1年あまり。「まったく変わらない」山内さんと、東京進出後に急にいじられるようになって動揺を隠せない濱家さん。テレビでは見せない二人の素顔を深掘りすべく、話はそれぞれが発信しているインスタグラムから、相方への思い、そして東京進出の裏話へ――。(全3回の2回目/ #1はこちら )

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■奥さんに“ハムフラワー”が入ったお弁当を作る濱家さん

――好感度はあまり気にされてないというお話をされていましたけれども、お二人のSNS、特にインスタは山内さんの猫だったり濱家さんのお弁当だったり……好感度爆上がり感あります。

濱家 そうですか? この間、ラジオ(『かまいたちのヘイ!タクシー!』)で女性誌の『CREA』編集部にお邪魔させてもらったのがきっかけで、 「CREAWEB」でお弁当の記事 を書かせてもらうことになったんですよ。さっきマネージャーにやっと原稿を送ったんですけど、書いてるうちに、ちょっと好感度上がってしまいそうな感じやなというのは、正直ありましたね。

――どんな内容なんですか?

濱家 奥さんにお弁当を作る。そのきっかけになったのはこういうことです、みたいな。これちょっと好感度が上がりそうやなと思ったんで、最後に一応「『奥さんにお弁当作ってるなんて良い人〜!』と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、僕の場合はそういう訳ではなく、自分の趣味なだけですので」とだけ添えておきました。「好感度が上がると、万が一何かあった時に大変そうなので、一言添えさせて頂きました」って、一文も。

――何か……あった時……?

濱家 いうても版元が文春さんですし。

――ああ。

濱家 何もないですけど、何かあった時のために、備えあれば的なことで。

――濱家さんのお弁当は、美味しそうプラス、色合いも美しくて。

濱家 料理作るの好きなんです、ほんまに。それが趣味というだけなんで、別に奥さんのためにとかそんなんじゃないですよ〜(笑)。

■「猫系の仕事が来たらいいな」(山内)

――山内さんの猫のインスタはどういうきっかけで始めようと思ったんですか?

山内 趣味ってほどのものじゃないですけど、スニーカーと猫なら載せる材料がいっぱいあったから、アカウント分けてやろうというところから始まって。で、今猫はすごいファンが多いから、『志村どうぶつ園』じゃないですけど、猫系の仕事が来たらいいなっていう。猫の本とか写真集とかにつながらないかなというところからスタートしてます。

濱家 でも、ほんまにちょっと猫の仕事入ってきてるもんな。『ねこのきもち』とか。

山内 『ねこのきもち』で1回写真撮ってもらいましたけど、あんなものは金にならない。

濱家 吐かんでいい毒は吐かんでいい!

山内 『ねこのきもち』さんは悪くない。ただこっちが意図したお金の稼ぎ方とは違う。

濱家 『ねこのきもち』さんが払ってはるやろ。

山内 『ねこのきもち』さんは払ってると思いますよ。ただこっちが意図したお金の稼ぎ方とは違う。

濱家 変な毒吐いてるから。自分にしか回らない毒。

――これですね。先ほどからちょいちょい出てくる。

■タモリさんが開口一番「お前(山内)、目が変なんだよ」って

濱家 ほんま、出会った時から全く変わらないんですよ。何考えてるか分からへんというか。僕は15年も一緒にいるので何となく分かりますけど、人は山内のことは分からないって言いますね。この間『タモリ倶楽部』で初対面のタモリさんが、開口一番「お前(山内)、目が変なんだよ」って。タモリさん、さすがの着眼点やと思いました。やっぱりちょっとキマッてる、ほんま変なやつに見えるんやろうなって改めて思いましたね。

山内 タモリさんにいじってもらえたっていうのがまずうれしかったですね。ずっとテレビで見てた人なんで、共演できたのがまずテンション上がって。で、覚えてもらった感がすごいうれしかったです。目が怖いやつって。

――山内さんから見て濱家さんはどうですか? 昔から同じ感じですか?

山内 東京に来て、今、大きく変わろうとして。

■面白いですね。いじられてるやんって

――具体的にはどのような変化を?

山内 大阪時代は他のやつをいじるキャラやったんですけど、東京に来て『アメトーーク!』や『ロンハー』でいじられる側に今、急遽回って。で、フジモンさんとかね、濱家のことを誰も大阪ではいじってなかったのに、いじってなかったからこそっていうので、バーッといじってきてはって。で、それに今戸惑ってる段階ですね。いじられたことないから、いじられて一塁に走らずに三塁に走り出すっていう事態が相次いでる。今はまず一塁に走ることを練習しているという。

――大阪では全然いじられてこなかった相方さんが東京でいじられているのを見て、山内さんはどういう気持ちなんですか?

山内 面白いですね。いじられてるやん、っていう。いじられて大汗かいて、ゼーゼー言うてる。

濱家 こんな怖いことないですよ。やっぱり東京、いつか上京しようと一生懸命頑張ってきて、大阪で15年間いろんな勉強してきて、「よし、自分なりの武器そろった」と思って東京来たら、その武器がすべて通用しない。何も持たない1年目になるって、こんな怖いことありますか。山登りしよう思ってリュックにいろんなもの詰めて、現場着いたら海やったみたいな。

■僕は根がイタイから、ちょっとずつズレている(濱家)

――元々そういう魅力を持ってらっしゃった。

濱家 たぶん僕は根がイタいから、それがちょっとずつズレたまま来てるんですよ。僕はそれに気づいてなかって、東京に来てみんなそこをちょっと「なんや、お前」みたいな感じで言ってくれ始めて。それはありがたいんです。そういうところもできるようになれば、また新しい、1個ランクが上がったところに行けるから……。今、それを本当に一生懸命、何とか何とか乗り越えるために頑張ってる……。いや、それはいいんです、いいんですけど、山内は大阪で、おそらくうっすらそこに気づいてたはずなんです。やのに、それは一切言わずに、東京に出てきてみんながワーッ言いだした時に、しれっとそっち側に立ってる。言っとかんかい。「お前、ここ直せよ」って言っとかんかい。


フジモンさんや東京の猛者たちはすごいと思った

山内 イメージは、佐々木健介が前やってたパワー・ウォリアーですね。大阪での濱家は。肩にトゲトゲ付けて、それ取っといたほうがいいのになって。武装して、誰もそれをいじれないようにして、で、東京のフジモンさんとかに「そんなんいいから脱いで脱いで」って言われてる状態です。

濱家 お前、言うとけよ! 「トゲトゲ危ないで」って!

山内 何回かありましたよ。でもこっちが言ってるのに気づかないんです。「いや、トゲトゲかっこええやろ?」って。これは俺が言っても無理だなと。それがフジモンさんとかのすごいところですね。

――トゲトゲの具体的なエピソードを教えてください(笑)。

山内 そうですね……これは濱家も覚えてると思うんですけど、舞台で30人ぐらい後輩と僕らが居る状態で、13時からリハーサルだったんです。で、濱家以外が全員舞台上でスタンバって「濱家来てないやんけ」ってなって、「濱家来たら謝らせようぜ」みたいなことをみんなで言ってたんですよ。それで13時ちょうどくらいに濱家が戻ってきた時に、僕が「もう時間過ぎてるやん。謝れよ」みたいに言ったら、「いやいや、まだ13時になってないやんけ」みたいな。「ええから謝れよ」って後輩もワイワイそのまま入ってこようとしてたのに、「いやいや、そっちが早く始めてるやん」ってピシーッとトゲトゲ満載で来て。だから、あとで「いやいや、あそこはフツーに怒るより嘘でも『すいません』って言ったほうがええやんか。ボケで、『ごめんなさい!』みたいな土下座とかのほうがええやんか」って言ったら、「ウーン……」と。僕が言ってもそのトゲトゲの意味が伝わりにくかったんですけど、そこフジモンさんが一撃で突破したから、やっぱり東京の猛者たちはすごいんだなと思って。

濱家 今言われて「確かにそんなことあったな」っていう。これ恐ろしいのが、10年前とかの話じゃなくて、3年前とかなんです。

――わりと最近(笑)。

濱家 それがちょっと今……。あったな、そんなこと。そういうことか……。

■僕の相方はたぶん山内じゃないと務まらない

――でも、こういう話をお互いにできるのがすごいですよね。相性の良さを感じます。

濱家 僕は……そう思いますね。全てが真逆なんですよ。僕の相方はたぶん山内じゃないと務まらない。僕、ほんまに何でもすぐ言うし「あれ、こうしたほうがええんちゃう?」とか「これ、あかんのちゃうん?」とか。さっきみたいに気づかない時はあるんですけど(笑)。山内はメッチャ大人なんです。僕がおかしいことを言ってても、取りあえず「うん、そうやな。オッケーオッケー」って言って、そっちでやってくれる。山内以外だったらほんまにストレスたまるやろうし。まぁ山内もたまってるでしょうけど(笑)。

山内 僕の方は基本、めちゃくちゃめんどくさがり。「大体でええやん」タイプなんで。今年単独ライブで全国回るんですけど、グッズとかもね、精鋭部隊をそろえてやってて。それで精鋭部隊の人とグループLINE作ってて、A案、B案、C案、D案と送られてくるんですけど、正直何でもいい。でも濱家は「Bの、さらにこれをCっぽくしたらどうですか?」とか言う。そういう細かいこだわり。だから、グッズに関しての貢献度ですよね。

濱家 (笑)。 ネタは!?

山内 グッズのクオリティがけた違いに上がってますから。今回見てほしい。

濱家 お笑いのほうは? お笑いのほうの貢献度は?

山内 デザイナーの人も気づいてますからね。僕が「Cで」とか送っても、僕のCは全無視。

――お笑いのほうは?

山内 お笑いのほうもそれはあるとは思うんですけど、とにかくグッズがケタ違い。

濱家 グッズの貢献度(笑)。

山内 そこはぜひ見てほしい。

■足スティーブジョブスだった山内さんがスニーカーにはまるまで

――たしかにお二人ともおしゃれなイメージがあります。

山内 デザイン性はほぼ濱家ですね。だって僕、服にも全く興味なかったのが、3〜4年前にスニーカーを買いだして、そこから服にも気を使いだしたくらい。それまでは「汚いな」じゃなければ何でもいいと思ってたんで。

――スニーカーへの興味は突然なんですか?

山内 突然ですね。大阪のディレクターの子が、誕生日プレゼントでスニーカーをくれたんです。僕、それまでユニクロの白のデッキシューズしか履いてなくて。ちょっと汚れたらすぐ買い替えるみたいな。

濱家 ずっと同じ靴履いてた。白のユニクロのデッキシューズしか買わない。

山内 5足ぐらい持ってて。

濱家 足スティーブ・ジョブズな。

山内 2000円か2500円ぐらいなんで。ずっとそれでいいと思ってたんですけど、プレゼントでナイキの靴をもらって、「あ、かっこいい」って、なんか懐かしい気持ちになって。高校の時、そういえばオシャレなやつはこういうの履いてたなって。そこから自分でも買うように。最初靴だけでいいと思ってたんですけど、靴と上の服があまりにも合ってなかった。靴から侵食していって、服、髪形……と。

――今では渡辺直美さんのインスタグラムにも載るぐらい。

山内 いや、載ってない。まだストーリー止まり。

――ストーリーだと、24時間で消えちゃう。

濱家 だって、ちゃうもん。直美ちゃんのインスタの趣旨と。

山内 ほんまにあれ、本編に一切載せない。毎回言ってるんですけど。残る本編に載せろって。なのにストーリーにしか上げてくれないんですよ。それ消えるやん。

濱家 消えてほしいのよ。残ってほしくないのやんか。毛色が違うから(笑)。

( #3 に続く)
写真=深野未季/文藝春秋

かまいたち/山内健司(1981年生まれ、島根出身)と濱家隆一(1983年生まれ、大阪府出身)が2004年に結成。かけだしの頃から注目を集め、07年に「ABCお笑い新人グランプリ」(第28回)最優秀新人賞を受賞。「キングオブコント2017」(第10回)で優勝、2018年から東京進出を果たす。今年、初となる全国ツアー『コンビ結成15周年いたち〜素直・謙虚・感謝〜』を5都市で開催する。

「お笑いにのめり込んでない」かまいたち山内が千鳥に「追いつきたい」と思った“事件” へ続く

(西澤 千央)

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