コラボ大好き球団ライオンズの“内海哲也さんコラボ”前半戦大反省会

コラボ大好き球団ライオンズの“内海哲也さんコラボ”前半戦大反省会

「参上!」という力強いメッセージが躍る、内海哲也プロデュース・ダブルチキン弁当。 ©都内在住「『惨状!』じゃなくてよかった」さん提供画像

 我が埼玉西武ライオンズはコラボが大好きです。

『ダイヤのA』(野球つながり)
『ダイヤのA actII』(野球つながり)
『メジャーセカンド』(野球つながり)
『MIX』(野球つながり/※2019年8月15日実施予定)←NEW!!
『アニマエール!』(野球応援チアガールつながり)
『ルーズヴェルト・ゲーム』(廃部寸前の野球部つながり)
『クレヨンしんちゃん』(舞台が埼玉つながり)
『月がきれい』(舞台が埼玉つながり)
『らき☆すた』(舞台が埼玉つながり)
『ALL OUT!!』(舞台が埼玉つながり)
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(舞台が埼玉つながり)
『心が叫びたがってるんだ。』(舞台が埼玉つながり)
『翔んで埼玉』(舞台が埼玉つながり)
『ヤマノススメ』(舞台が埼玉の山奥つながり)
『ヤマノススメ セカンドシーズン』(舞台が埼玉の山奥つながり)
『ヤマノススメ サードシーズン』(舞台が埼玉の山奥つながり)
『新あたしンち』(舞台が西武線沿線つながり)
『お前はまだグンマを知らない』(舞台が群馬つながり)
『ぐんまちゃん』(群馬つながり)
『LION COFFEE』(ハワイのコーヒー屋/ライオンつながり)
『ハローキティ』(ネコ科つながり)
『妖怪ウォッチ』(ネコ科つながり)
『ドラえもん』(ネコ科つながり)
『ジャングル大帝』(レオつながり)
『家入レオ』(レオつながり)

 これらはここ数年で実施された埼玉西武ライオンズの節操のない……じゃなくてバラエティ豊かなコラボ相手のほんの一例。野球or埼玉or山奥orレオが関連すると聞けば、とりあえず行ってコラボを持ちかける……それがライオンズ魂です。これ以外にもなんじゃーかんじゃーと理由を見つけてはコラボを行ない、公式サイトのお知らせには「コラボのお知らせ」「コラボグッズ発売のお知らせ」「コラボグッズ誤表記についてのお詫び」とコラボ関連情報がズラリと並びます。

 しかも、埼玉西武ライオンズとしてのコラボはもちろんのこと、「パ・リーグ6球団合同」「プロ野球12球団合同」などのコラボにもしっかりと参加します。『ウルトラマンレオ』コラボ(レオつながり)とか。『ミニオンズ』コラボ(オンズつながり)とか。『ONE PIECE』コラボ(山賊と海賊の薄いつながり)とか。『すみっコぐらし』コラボ(すみっコから僻地を連想つながり)とか。『ジュラシック・ワールド』コラボ(舞台が秘境つながり)とか。『あらいぐまラスカル』コラボ(最終的に人里離れた山奥に行かされるつながり)とか。

 我が埼玉西武ライオンズは飢えているのです。何らかの目新しいものに。山とか川とか森とか栗とか山とか秋とか山とかじゃない新しい変化に。そして、それらのコラボ目当てのお客様に電車に乗っていただけるよう願っています。楽天イーグルスが球場内での決済手段として楽天ペイを強制しているように、移動手段として西武鉄道を強制することでお金を儲けようと思っています。「試合は見なくてもいいけど、電車には乗ってね!」「だから西武線しかない気が滅入る場所に球場作ったよ!」「道も細いから公共交通機関を利用してね!」の心で。

 そんな埼玉西武ライオンズにとって、この事態は必然だったと言えるでしょう。今季入団した内海哲也さんとの節操のない……じゃなくて、スピード感あふれるコラボの数々は。所属選手なんだから何をやってもいいという考え方もあるにせよ、それにしてもこの節操のなさ……じゃなくてスピード感は埼玉西武ライオンズなればこそ。「アクセルとブレーキを踏み間違えた」わけではなく、最初からアクセルはベタ踏みなのです。

■1年間の期間限定、埼玉西武×内海哲也さんコラボ開催中!

 内海さんは昨年のオフ、西武から巨人へFA移籍した炭谷銀仁朗選手の人的補償として西武球団にやってきました(※海無し県・埼玉に内海が来た)。もちろんコレは期間限定であり、その意味では移籍というよりはコラボというべきもの。なにせ内海さんはすでにFA権を取得済であり、今オフには宣言即復帰で巨人にお帰りになられるだろうお方。巨人ファンへのお別れメッセージでも「将来的にはジャイアンツに帰ってこれるように」「帰ってこれたらいいな」と行く前から帰る話をしていたほどです。

「突然のことですが…」と訃報みたいな始まりのお別れメッセージ動画

 僕も正直「お返しすべきだ」と思っています。内海さんは巨人のスターです。引退まで巨人一筋でいるべき選手でした。取れるからと言って、取っていい選手ではなかった。近年、巨人の監督は「巨人一筋」の人しか就任していませんが、西武が人的補償で飛びついたことが内海さんの指導者としてのキャリアに影を落とさないか心配で仕方がありません。巨人としては「FA権取得済の選手を人的補償で渡せば、実質的に他球団の支配下登録枠をトランクルームとして一時的に使用できる」という思惑でもあったかもしれませんが、内海さんの心情を思うと心苦しい。僕の中のあらいぐまラスカルも泣いています。「え!? ワシ、今、山奥に捨てられたん!?」「ワシに会えて神様にまで感謝していたのに!?」「オイ人間、最後まで面倒見ろや!」と。

 だからこそ、急ぐのです。

「内海さんは1年であるべき場所にお返しせねばならない」

「限りある内海さんとの時間にたくさんの思い出を作りたい」

「この1年で内海さんからたくさんのものを吸収し」

「内海さんとコラボしまくるのだ」と。

 その結果、内海さんがまだ1軍の公式戦に1試合も出場していない段階で、いろんなことをやっちゃっているのはしょうがないことなのです。活躍しようがしまいが、試合に出ようが出まいが、写真を勝手に使える期間は1年しかないのですから。

 本拠地開幕の4月2日から内海さんの弁当を早速売り出した西武。「出会って5秒で弁当プロデュース」「阪神の西勇輝も早速弁当出してるから問題ナシ」「昨年最多勝の多和田真三郎弁当はまた今度にしよう」という決断力と実行力はなかなかのものです。(※ちなみに多和田真三郎は「たわたしんさぶろう」と読みます。「上から読んでも下から読んでもタワタ」「新サブロー(※ロッテのウグイス嬢の声で)」で覚えてくださいね)

 ゴールデンウィークの観戦を呼びかけるポスターでは「ライオンズもありじゃないですか? お父さん。 #27内海哲也 趣味:子育て」というキャッチコピーで内海さんを起用した西武。「ナシが前提みたいな言い方だけど、まぁいいか」「自分自身に言い聞かせているみたいな言い方だけど、まぁいいか」「呼びかけた本人はGWにジャイアンツ球場に行ってたけど、まぁいいか」という懐の深さが光ります。(※どうでもいいですけど、「子育て」って趣味カテゴリに入れていいものですかね?)

 そして、毎年恒例のイベント「ライオンズフェスティバルズ」用限定ユニフォームでも内海さんの背番号入りレプリカをしっかり作成した西武。「内海さんはもしかしたら一回も実戦で着ないかもしれないが……」「それでもウチから10名程度に絞るなら内海さんは外せない」「昨年最多勝の多和田真三郎レプリカユニフォームはまた今度にしよう」という割り切りはマーケティングセンスの塊です。(※多分、ビッグデータとかでレプリカ需要の高い選手がわかってる)

 たとえライオンズフェスティバルズのサイトで一番デカく写真が表示されているのが多和田さんだったとしても、多和田真三郎レプリカユニフォームは「また今度」なのです!

■「ボブル内海」が世界最速でメットライフドームに参上!

 迎えた5月26日、内海哲也さんコラボ前半戦最大のイベントがやってきました。3月4日に球団から発表され、3000枚限定で発売された「内海哲也投手ボブルヘッド付きチケット」。野球グッズのなかでも人気が高い「ボブルヘッド人形」の内海さんバージョンが配布される日が、この5月26日だったのです。巨人時代につけていた背番号26にちなんだ配布日は、まさに内海デーといった様相。

 この2日前には西武球団・小野投手コーチによる「(内海さんの復帰は)6月中はない」というコメントも報じられたなかでの内海デーは独特な高揚感に満ちていました。「うへー! 投げるより先にボブった!」「これ確実に世界最速記録でしょ!」「登板ゼロ試合を抜くにはもはや他球団の選手のボブルヘッドを勝手に出すしかない!」とコラボマニアも大盛り上がりです!

 西武移籍後の背番号27(※西武では伊東勤さん以降キャッチャーがつけている番号だけどお互いにこだわりはナシ)を刻されたボックスに入ったボブル内海はズッシリとした重量感。投球中の一瞬を切り取ったポーズは、やや頭部が台座より外にはみ出す状態となっており、今にも倒れそうな躍動感が表現されています。球場付近にセブンイレブンはないけれど(※一番近い所沢下山口店まで1.8キロ)、セブン銀行のロゴを入れたプレートを台座に配するなど遊び心もタップリ。

 グローブの色や利き腕、背番号など内海さんの特徴が丁寧に再現された造形は、どの角度から見ても内海さんとわかります。内海さんのほっこり家族愛エピソードである、「帽子のつばに家族のイニシャルS・E・O・S・Kが書いてある」については残念ながら再現されていませんでしたが、間違って文字が抜けて「S・O・S」になる事態を避けるためにはやむを得ない処置でしょう。

 ボブル内海と応援歌を歌ったり、ボブル内海とビールを飲んだりしながら過ごした充実の時間。試合は4点リードから中継ぎが次々に炎上して逆転負けとなりましたが、とても楽しい内海デーとなりました。しかも当日は試合後にグラウンドに降りられるイベントがありましたので、ボブル内海もメットライフドームのグラウンドに降りてみました。内海さん本人が参上できなくてもボブル内海がいるぞ、そんな前向きな気持ちで!

■ボブルは立ち上がるさ、何度でも。手で起こせば……

 しかし、ボブル内海はメットライフドームにちゃんと降り立つことはできませんでした。人工芝が柔らかくたわむため、台座の下にコイン2枚分くらいの厚みをかませてやらないと、土台からハミ出した頭の重みで倒れてしまうのです。倒れるときは前のめり、そんな内海さんの生き様を示すかのように、ボブルは何度立たせようとしても倒れました。そして、改めて冷静に見たら似ても似つかない代物……。

 やはり、本物の内海さんに参上してもらわなくては、満足してこのコラボを終えることはできません。世の中には「何試合かだけ出るんやったら、まったく出んほうが、ええかなあと。中途半端に出てね、1勝くらいして、巨・西通算って言われても嫌やし、だからそんなんやったら、まったく出んでも」という考え方もあるでしょう。オール巨人で通算成績を染め上げたほうがスッキリするという意見はわかります。1試合でも投げたら、あと4つに迫った1500奪三振を達成しちゃうなぁ、という計算も働くでしょう。

 でも、せっかくのこの出会い、1勝でも、1ホールドでも、1セーブでも、埼玉西武ライオンズでの足跡を残して内海さんとの時間を終えたい。そして、ボブル内海を「ウチの内海」と思って末永く愛でていきたい。内海さんが1回も投げないままのほうが「珍品」としての価値は上がるかもしれませんが、メルカリ実勢価格2700円が3000円に上昇することよりも、内海さんの1球が見たい。「ホント、悪いことしたなぁ」と思いながら見守る西武ファンの申し訳なさをも包み込み、どんな環境でも妥協なく野球に取り組む内海さんのひたむきさ。そのコラボレーションの記憶を僕は子々孫々に語り継いでいきたいのです。2019年を生きた埼玉西武ライオンズファンのひとりとして……!

<2050年頃の我が家での野球談議>
爺:「昔、この内海さんは西武にいたんじゃよ……」
孫:「ウッソだー! じいちゃんまたウソついてる!」
孫:「内海監督が西武にいたわけないだろ!」
孫:「巨人の監督は生え抜きしかできないんだぞ!」
孫:「こないだもイチローがオリックスにいたとか言ってたし!」
孫:「イチローはメジャーのレジェンドだぞ!」
孫:「イチローがオリックスにいたわけないだろ!」
爺:「お前らが知らないのも無理はない……」
爺:「あれから随分経つからのぉ……」
爺:「あの年、内海さんはほかの選手の移籍で押し出されてな……」
爺:「別に来たくもないのに西武に来たんじゃ……」
爺:「ワシも、『え!? 炭谷で内海を!?』と驚いたものじゃ……」
爺:「案の定、炭谷はさして使われんかったがの……」
爺:「ワシら的には『今年の炭谷は打撃絶好調』と思ってたんじゃが……」
爺:「巨人さんはご不満じゃったらしい……」
爺:「小林とどっこいどっこいじゃねぇかと……」
爺:「ワシらは何度もそう言って事前に止めたんじゃが……」
孫:「誰の話?」
孫:「知らない選手ばっかり」
爺:「しかし、内海さんも怪我をしてしまってな……」
爺:「長い間、試合に出られなかったんじゃ……」
爺:「それでも内海さんは腐らず、練習に取り組んでのぉ……」
爺:「シーズン終盤にようやく復帰すると……」
爺:「ソフトバンク……今のファーウェイ相手に7回無失点の投球を見せてくれたんじゃ……」
爺:「試合自体はマーティンの炎上で逆転負けしたが……」
爺:「内海さんはやっぱり巨人の大スターだったのじゃ……」
爺:「結局、内海さんはFAで巨人に戻り」
爺:「西武での登板はそれが最初で最後じゃったが」
爺:「ワシはあの時の感動を忘れんじゃろう」
爺:「有名な選手が巨人から西武に来た、あの感動を」
爺:「どれ、アレを見せてやろう」
爺:「その年、ワシがもらったボブル内海じゃ」
爺:「もらい手が少なかった貴重な品じゃ、大事に扱うんじゃぞ」
孫:「すげー! 内海監督のボブルヘッドだ!」

孫:「うん、UTSUMIって書いてある! 間違いない!」

孫:「頭揺らそうぜ!」
爺:「あー、イカン! 揺らしてはイカン!」

自分の頭部の揺れでボブル内海は……。 (C)メルカリ民「仕様なのでノークレーム・ノーリターンでお願いします」さん提供動画

 倒れたらまた起き上がればいい!

 できれば最初から倒れないほうがいいけど!

 ガンバレ内海さん、立ち上がれボブル内海!

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(フモフモ編集長)

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