【オリックス】それでも俺たちは佐藤達也を愛している

【オリックス】それでも俺たちは佐藤達也を愛している

©時事通信社

■「サトタツ」を愛していないBsファンなど居ない

 描いた夢とここにある今 2つの景色見比べても 形をかえてここにあるのは 確かな1つのもの

 ロードオブメジャーの代表曲「心絵」。心地良いBPM190の8ビートが刻まれるその直前、まさに絶妙のタイミングで平野MCがコールする。「バファローズ! 選手の交代をお知らせします!!」。その瞬間、京セラドームは割れんばかりの歓声に包まれるのである。

 佐藤達也、背番号は15。空を割く直球を武器に相手を三振に切って取るその剛腕。飄々とマウンドから見下ろす不敵な表情。脇の下まで全開に覗くアンダーシャツ。通称「サトタツ」。彼を愛していないBsファンなど居ないのでは無いだろうか。言い過ぎかもしれないが、彼はこのBs国において「国民的スーパースター」なのである。

 場面は変わって6月のMAZDA Zoom-Zoom スタジアム。対広島3連戦。交流戦優勝の為には何としても勝ち越しておきたかったこのカード。しかもパのリーグ戦においてBs浮上のきっかけとしたかったセ・パ交流戦である。その頂上決戦とも言えるビジターカードは、まさかの3連敗という最悪の結果で幕を降ろす事となってしまった。

 その第2戦となった6月14日。年跨ぎで“神ってる”鈴木誠也(広島)を生み出したのは、残念ながら12回からマウンドに上がった「サトタツ」であった。翌15日も登板した「サトタツ」であったが、名誉挽回とは至らなかった。

 結果的に「サトタツ」が打たれ、交流戦優勝という1つの目標から大きく遠ざかる事となってしまったBs。しかし我々Bsファンは、それでも「サトタツ」の完全復活を心待ちにしている。「サトタツ完全終了説」などこれっぽっちも信じていないのだ。

 2014年の活躍がそう思わせているだけなのか? 否! 決してそうでは無い。彼のピッチングスタイルには我々ロックシンガーと相通じるものがある。だからこそシンガーとして断言しよう! 「サトタツ」はまだまだ全盛期の輝きを放っている。

■「ファルセット」と「ミックスボイス」と「速球派」と「剛球派」

 平井堅は透き通るような高音が魅力のシンガーである。森山直太朗もそうだろう。彼らが高音域で歌う時に多用するのが「ファルセット」と呼ばれる発声法である。「ファルセット」と言うと難しく聞こえるが、言ってしまえば「裏声」である。声帯への負担が少なくクリアな高音が出せる為、音の立ち上がりも早く、まさに透き通ったような高音が魅力である。

 それに対して稲葉浩志や氷室京介の高音域は「ミックスボイス」と呼ばれる発声法である。地声(チェストボイス)がそのまま高音になるようなイメージで、かなり高音域になると声帯を筋力で締め付け、絞り出すように発声する。「クリアで透き通る」とは言い難いが、力強く発声する為、メッセージを乗せやすい。また、激しい音楽を演奏する上では、この唱法でないとバックの演奏にかき消されてしまうだろう。

 投手のピッチングも同じでは無いかと思うのだ。いわゆる「速球派」と「剛球派」である。大谷翔平(日本ハム)は「速球派」の代表格であるが、あまり剛腕のイメージは無い。腕から離れたボールが一瞬でミットに吸い込まれて行く。言わばクリアな高音のような、美しいとさえ言えるストレートである。

 それに比べ佐藤達也のピッチングは「剛球派」である。160km/h超えのストレートを投じる事は出来ないが、そのストレートはあまりに力強い。全盛期の藤川球児(阪神)がそうであるように「手元で伸びる」剛球なのである。

 これは野球人の方が話題に明るい事だと思うが、初速(投手が投げた瞬間の速度)と終速(捕手が受ける瞬間の速度)の差に大きく起因する。投手の手を離れたボールが加速する事はありえないので、厳密には「手元で伸びる」事はない。しかし、初速と終速の差が小さければ打者から見れば「手元で伸びる」ボールに映るのである。

 初速と終速の差を小さくするには、ボールにいかにスピンを掛けるかが重要になる。佐藤達也の剛球は恐らくスピンが掛かりまくっているのだろう。ロックシンガーが声帯を絞りまくって高音を捻り出すように、ボールにスピンをかけまくって剛球を捻り出しているのだ。なんとロックな投球だろうか。

■再びロードオブメジャーとアンダーシャツ談義で盛り上がろう

 余談だが、我々シンガーが喉を痛めた場合、一番出し辛くなるのが「ファルセット」である。少々喉を痛めても地声(チェストボイス)で話す分にはさほど問題がないように、地声混じりの「ミックスボイス」であればある程度の高音域までは絞り出せるだろう。しかしこれが「ファルセット」だと喉のダメージが致命傷になってしまうのだ。

 また、加齢により劣化しやすいのも「ファルセット」で、この「ファルセット」を多用するシンガーがいかに喉を大切に扱っている事か。そう思えば我々「ミックスボイス」を多用するロックシンガーは喉の酷使に強い為、中継ぎ向きなのかもしれない。

 佐藤達也がいわゆる「速球派」であれば、酷使による疲労や経年による筋力の劣化を大いに心配する必要があるのだろう。「サトタツ完全終了説」も現実味を帯びてくるのかもしれない。しかし大丈夫。佐藤達也は生粋の「剛球派」投手。少々の疲労や経年による筋力の劣化による影響も少ないはずである。きっとまだまだロックな投球を披露してくれる事だろう。その証拠に今シーズンも節々でその剛球を披露してくれている。

 そう、大丈夫なんだBsファン同志諸君。再びロードオブメジャーの「心絵」と彼のアンダーシャツ談義で盛り上がろうじゃないか!! そして平野MC至極のチェストボイス、佐藤達也コールに酔いしれよう。

「バファローズ! 選手の交代をお知らせします!!」

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(MEGASTOPPER DOMI)

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