“小田和正超え”で紅白を狙うC&Kに必要なのは“老人受け”――近田春夫の考えるヒット

“小田和正超え”で紅白を狙うC&Kに必要なのは“老人受け”――近田春夫の考えるヒット

Y/C&K(Universal)1年以上ライブで歌い、「この曲で紅白出場を本気で狙うと決意した」(インタビュー記事)とのこと。

『Y』(C&K)/『見たこともない景色』(菅田将暉)

 先々週に引き続きまたもや“堂々切々”的相当苦手系音源が編集の方から送られてきまして(笑)、わたくしこれを一体どのように扱えばどなた様にも失礼のない、そして心にもないことを書くのでもない、そんな原稿に仕上げることが出来るというのでありましょうか……?

 てなわけで、さぁ! 今週も“お魚を釣らず、釣る手付きを見せる芸(青山二郎の小林秀雄への批判)”の始まりはじまり〜! とかなんとかお気楽に書いていますけどね。そりゃあホントいったらあーた、これでも結構俺だってアタマもとい! 気は使ってるのよ毎週毎週、ハイ。

 さて送られてきたのは、どこぞの大学で知り合ったとの案内の男子2人組の楽曲だったんですけどォ、静けさをたたえた、どこか物悲しき響きも叙情溢れるピアノの前奏に続いて入ってきた歌声(正確にはCDではなく映像付きを検索してチェックしていたので声だけではなかったが)に、思わず「こりゃすげ〜わ!」私はひとりごち、いや、のけぞってしまったのだった。

 というのも、2人のうちの――何というお名前かは存ぜぬが――ヒゲのほうの青年。この、正によくクリエイターと称する人種に超ありがちな顔立ちにヘアスタイルはともかく、何をそこまで思い詰めたかも知らぬよ。とにかくなにしろ気が遠くなるほど真剣な眼差しでこちらを見据えて歌い出したその第一声が、画面で判断可能な範囲のアピアランス、アティチュードからでは到底推し量ることも不可能なほど、甲高いのである。

 ハッキリいって笑っちゃうぐらいに想定外なキーの高さであり、声質であった。

 もうこうなってしまうと、もはや苦手だの何だのと、そんなチマチマした感想を書いたりしてる場合じゃないだろうという話である。

 かねてより持論“顔声一致の説”を唱えてきたものとして、珍しく、顔かたちからはどうしても想像の出来ぬような声の持ち主、その日本代表の例として、長年にわたり小田和正を第1人者に挙げてきた訳だが、遂にそれを凌ぐ人材が現れたかと思ったものだ。

 これは一体如何なる発声方法の賜物なのか? また一方では、喋る時はどんな声をしているのかしらん、それも気になる。しかしそんなこんな建設的な議論も、彼の歌声を――画面を見ながら――聴けば聴くほど、そのシリアスの極致の表情との組み合わせが俺には可笑しくって可笑しくって……どーでもよくなってしまうのにはマジ困った。

 ところで聞けばこの人たち、紅白出場を何よりの目的として活動しているそうなので、老婆心ながら一案をば献上。

 グループ名をも少し老人受けの良いものにしては?(動画を観る限り)相方は帽子が印象的なので“髭&帽子”通称“ヒゲボー”なんてどうすか? いいと思うんだけどな。

 菅田将暉。

 今日の今日まで知らなかったァ。この人、苗字“すだ”って読むんだったのね。

(近田 春夫)

関連記事(外部サイト)