カンヌで100人以上が途中退席したR18問題作 「ハウス・ジャック・ビルト」を採点!

カンヌで100人以上が途中退席したR18問題作 「ハウス・ジャック・ビルト」を採点!

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■〈あらすじ〉

1970年代の米ワシントン州。建築家を夢見る技術者のジャック(マット・ディロン)は、山道で車が故障した女性(ユマ・サーマン)を助けたが、彼女の態度に激怒して工具で撲殺。それを機にアートを創作するように殺人に没頭するが、冷凍倉庫で大量殺人を実行しようとした瞬間に、暗がりから名前を呼ばれる。そこには、彼の連続殺人をずっと間近で観察してきたという、ヴァージ(ブルーノ・ガンツ)と名乗る老人がいた。

■〈解説〉

シリアルキラーが“ジャックの家”を建てるまでの軌跡。監督・脚本はヒトラーに共感を示すような発言で7年間カンヌを追放された『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のラース・フォン・トリアー。昨年のカンヌ国際映画祭でのプレミア上映では100人以上が途中退席したが、上映後はスタンディング・オベーションが起こった問題作。R18指定。152分。

中野翠(コラムニスト)

★★★★☆「悪」をきわめようとする姿は求道者か苦行僧のよう。マヌケさも少々。M・ディロン懸命の演技。ラスト、やや疑問。

芝山幹郎(翻訳家)

★★★☆☆強迫性障害が表に出ている間は引力があるが、途中から無駄に観念が先行して頭でっかちになる。最後の絵解きは余分だ。

斎藤綾子(作家)

★☆☆☆☆見るだけで心的外傷を負いそう。☆5つにしたい理屈抜きの面白さだが勧められない。宝の山の混沌には震え上がった。

森直人(映画評論家)

★★★★☆高純度の黒い哄笑。酷い内容だが、やたらファンキーな語りの蠱惑に抵抗できない。ボブ・ディランのパロディにもウケた。

洞口依子(女優)

★★★★☆躁状態が続くシリアルキラーに爆笑。鼻を摘んで笑えるトリアー。R・キーオの美乳。死期感じさせるB・ガンツに黙祷。

INFORMATION

「ハウス・ジャック・ビルト」(デンマーク、仏、独、スウェーデン)
6月14日(金)より新宿バルト9ほか全国公開
監督:ラース・フォン・トリアー
出演者:マット・ディロン、ブルーノ・ガンツ、ユマ・サーマン、シオバン・ファロン ほか
http://housejackbuilt.jp/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年6月20日号)

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