【中日】名古屋開催のオールスター 思い出の3つの名場面

【中日】名古屋開催のオールスター 思い出の3つの名場面

©文藝春秋

■オールスターゲームは特別な戦いである

 セ・パ合わせ光り輝く56人が集結! 今日から2試合、オールスターゲームが行われる。第一戦は我がドラゴンズのフランチャイズであるナゴヤドーム。シーズン当初からこの日が来ることをどれだけ待ち焦がれたことか。それだけオールスターゲームは特別な日なのだ。

 名古屋開催の思い出を振り返れば、3試合がすぐ頭に浮かぶ。まずは1984年の第三戦、ナゴヤ球場で演じられた巨人・江川卓投手の江夏豊に迫った8連続奪三振ショー。9人目のバッター、近鉄・大石大二郎内野手にカーブをチョこんと当てられセカンドゴロとなった時、球場に詰め掛けたファンのため息の大きさは今でも耳に残っているほどだ。

 舞台がナゴヤドームに変わり、初めてのオールスターゲームが開催されたのが1998年の第一戦。満を持してセントラルの先発を務めたのが、この年明治大からドラフト1位で入団し、開幕から大車輪の活躍をした川上憲伸投手。3回を2安打ピッチングに抑え、見事新人投手としては初のMVPに輝いた。

 最後は前回2011年の第一戦。セ・落合監督の粋な計らいにより、先発に起用されたのは史上最強のクローザー、岩瀬仁紀投手。当時、毎年ナゴヤドームでの最初のオープン戦で先発することが恒例行事となってはいたものの、公式戦ともなれば2000年10月に一度経験したのみ。ましてやオールスターゲームの晴れ舞台。いつも荒れたマウンドを主戦場としていただけに、まっさらのマウンドを踏みしめたのはさぞかし嬉しかったに違いない。アマチュア以来となる振りかぶっての投球に童心に戻り、楽しんで投げられたと当時のスポーツ紙にコメントが残されていた。

 またこの試合にはもうひとつの見せ場が用意されていた。5回裏一死一塁の場面、打席に向かったのが荒木雅博内野手。落合監督との『ホームラン打って来い!』『打ってもいいんですか?』『打っていいよ』との掛け合いのもと、本当にレフトスタンドにアーチをかけた予告ホームラン。まさにオールスターでしか味わえない投打のビッグショーが演じられたのだ。

■今イチ盛り上がらない名古屋の街

 そして今年、6年ぶりとなる地元開催だけに名古屋の街は大盛り上がり! かと思いきや、いたって平常ムード。ナゴヤドーム周辺でさえオールスター開催の熱気が伝わってこない。現在、大相撲名古屋場所が行われており、周りの声は大島より高安! ゲレーロより高安! ってな感じの様子。せっかくの千両役者が揃う一日だけになんとかもう少し盛り上がらないものかと感じてしまうのは私だけだろうか。

 ひと昔前は人気のセ、実力のパと呼ばれ、テレビをつければ巨人中心のプロ野球中継。なんとかひと暴れする姿を見せつけてやりたいとパ・リーグの面々はここぞとばかり力を発揮した。セの野球に慣れ親しんだ私もオールスターでしか見ることのできない野武士揃いのパ戦士に目を輝かせたものであった。よく言ったもので、まさにオールスターゲームは夢の球宴。七夕同様、一年にこの時だけ戦うことが許される夢舞台。そんな時代を生きてきたからなのか、今でもオールスターゲームという言葉の響きに胸の高鳴りは抑えきれない。

 しかし時の流れがオールスターゲームの価値を下げたのかもしれない。契機になったのはおそらくセ・パ交流戦が開始された頃からだろう。オールスターゲームでなくても対戦が可能となり、“夢の対決”が、“公式戦のリベンジ”という安っぽいタイトルに変わってしまった感が強い。

■復活願う伝説の戦い

 メジャーリーグに倣い、年一試合にして希少価値感を上げようとか、もっとショーアップして楽しい球宴にしようという声が拡がっているのも事実。ならばかつて実際に行われ、それはそれは好評に終わったあの伝説の一戦を復活してはもらえないだろうか。

 今から22年前、オールスターゲームが行われる前日、福岡ドームで行われた阪神大震災復興チャリティードリームゲームと銘打たれた一戦こそ、今まさに再開を願うのである。今でいう侍ジャパン級の全日本チーム、ジャパンドリームズ。助っ人外国人で編成されたフォーリンドリームズ。メンバーが今見ても凄すぎる!

<ジャパンドリームズ>

1番ライト イチロー(オリックス)
2番ショート 野村(広島)
3番セカンド 小久保(ダイエー)
4番DH 清原(西武)
5番ファースト 松井(巨人)
6番センター 佐々木(西武)
7番サード 初芝(ロッテ)
8番レフト 金本(広島)
9番キャッチャー 中島(オリックス)
先発投手 野田(オリックス)

<フォーリンドリームズ>

1番ライト ジャクソン(西武)
2番サード ハウエル(巨人)
3番ファースト オマリー(ヤクルト)
4番ショート フランコ(ロッテ)
5番センター パウエル(中日)
6番DH スティーブンス(近鉄)
7番レフト マック(讀賣)
8番セカンド ローズ(横浜)
9番キャッチャー ジョー(ロッテ)
先発投手 グロス(日本ハム)

 フォーリンドリームズにはキャッチャーを務める外国人選手が存在しなかった為、急遽西武・大久保をデーブ、ロッテ・定詰をジョーとして登録し招集して、大いに盛り上がりを見せた。現在で例えれば、広島・石原をウータン、DeNA・戸柱をスッパマンと登録するようなもので、このムチャクチャ感、なんでもあり感に身震いしたものだった。このチャリティーマッチは大好評を博し幕を閉じたわけだが、こんな面白い戦いを開催しないのはもったいなさ過ぎる話だ。

 オールスターゲーム規定より、両チームともファン投票選出以外、4人の外国人選手しか登録することができないわけで、今年であれば文春野球阪神担当・山田さん絶賛のメッセンジャーをはじめ、バンデンハーク、マイコラスらの素晴らしいピッチングは見れずじまい。またDeNA担当・西澤女史オススメのロペス課長、エルドレッド、ペゲーロらの芸術的なホームランは絶対拝めないわけである。これだけの芸達者な外国人選手たちを一年に一度ぐらい集結させなければ罰が当たるってなもので、ある意味こちらの戦いこそがオールスターゲームかもしれない。まさにドリームゲームと呼んでいいだろう。

 オールスターゲームは一試合、そしてこのドリームゲームを組み入れることによりオールスターゲームの価値も再び上がることであろう。またドリームチームに選出されることで選手も誇りに感じるはずだ。どうだろう、読者の皆さん! この案、文春野球コラムからムーヴメントを起こしませんかっ! ネットからNPBへ熱烈なる要望の声を!

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※「文春野球コラム ペナントレース2017」実施中。この企画は、12人の執筆者がひいきの球団を担当し、野球コラムで戦うペナントレースです。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイトhttp://bunshun.jp/articles/3339でHITボタンを押してください。

(竹内 茂喜)

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