天才セラピストが父と娘をつなぐ 「君はひとりじゃない」ーーシネマチャート

天才セラピストが父と娘をつなぐ 「君はひとりじゃない」ーーシネマチャート

©Nowhere sp. z o.o., Kino?wiat sp. z o. o., D 35 S. A., Mazowiecki Fundusz Filmowy 2015 all rights reserved.

■〈あらすじ〉

検察官のヤヌシュ(ヤヌシュ・ガヨス)は、娘のオルガ(ユスティナ・スワラ)と2人で暮らしている。6年前に妻を亡くして以降、ヤヌシュの酒量は増え、仕事で死体を見ても何も感じなくなっていた。一方、父親と自分の身体を嫌悪するオルガは、摂食障害を患い痩せ細っていく。オルガのセラピストのアンナ(マヤ・オスタシェフスカ)も、息子を生後すぐに失った喪失感を抱えていた。そんななか、突然音楽が流れ始め、部屋が極度に寒くなるなど、ヤヌシュの家で妙な出来事が起きる。霊媒師でもあるアンナは、ヤヌシュに妻の霊との交信を提案する。

■〈解説〉

心と肉体、目に見えるものと見えないものの関係性を描くヒューマンドラマ。日本では本作が初めての上映作となる、マウゴシュカ・シュモフスカ監督作。第65回ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)受賞作。90分。

中野翠(コラムニスト)

★★★☆☆死者との交信によって父娘の心が一気に解放されるという展開について行けず。ユーモアへの意志は感じられるが不発。

芝山幹郎(翻訳家)

★★★☆☆関節の外れたような語りはたまに面白いが、死の影と不条理な笑いをちらつかせる手法が陳腐だ。着地も狙いすぎている。

斎藤綾子(作家)

★★★★☆父、娘、セラピストの3人が猜疑心を解いて一夜を過ごす場面が面白い。日々誰かの気配を感じる人には格別の作品。

森直人(映画評論家)

★★★☆☆霊的な儀式性とリアリズムの融合で、やや強引に癒しを創出する異色セラピー映画。デイヴ・パイクのサイケ曲に痺れる。

洞口依子(女優)

★★★☆☆屍体、摂食障害、霊、霊媒などを介して様々な「肉体」を感じる仕掛け。色彩と風景の趣。『カティンの森』のマヤ好演。

INFORMATION

「君はひとりじゃない」(ポーランド)
7月22日(土)よりシネマート新宿、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて全国順次公開
監督:マウゴシュカ・シュモフスカ
出演:ヤヌシュ・ガヨス、マヤ・オスタシェフスカ、ユスティナ・スワラ ほか
http://hitorijanai.jp/

(「週刊文春」編集部)

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