イケメンが八の字眉に? ディーン・フジオカの気取らぬ魅力――近田春夫の考えるヒット

イケメンが八の字眉に? ディーン・フジオカの気取らぬ魅力――近田春夫の考えるヒット

Permanent Vacation/DEAN FUJIOKA(A-Sketch)映画『結婚』主題歌。同映画でフジオカが演じた結婚詐欺師をイメージしてつくったとか。

『Permanent Vacation』(DEAN FUJIOKA)/『WIPER』(Suchmos)

 この私……。

 ディーン・フジオカに関しては、雑誌のグラビアかなにかで幾度か写真を見たことがあるぐらいのもので、本当に綺麗な顔をしているなという印象はあったが、はてどのような芝居をする役者なのか、或いは人となりも含め、一切の知識、情報を持たぬ人間である。CDを出すというのであるからには、相応に音楽のたしなみもあるのだろう、そういった方面の事情も申し訳ないがまったく知らぬ。

 一体どんな音になっているのか? 想像もつかぬまま、音源の再生を始めた。

 ちなみに、クレジットによれば作詞は本人だが、サウンドの方はトラックメーカーの人などに手伝ってもらっているようである。ただ表記からは、音についてどこまでが自身の仕事なのかなどはイマイチ判断がつかない。そこは俺なんかのような商売の人間には一番気になるところなので、こうした表記は不親切といえば不親切である。

 シンセサイザーのストリングスが、くぐもったような音色から徐々に明るい表情に移行するカタチで曲が動きだす。ん? この雰囲気は……と思っているとやはりそうであった。久々に思い出しましたよ『ボーン・スリッピー』! ディーン・フジオカが、いっとき我がjpopでもよく聴かれた、俗にいう“アンダーワールドもの”をやっているのにはちょいと意表を突かれた感じではあった。

 さて歌い出したディーン・フジオカだが、よくいえば飾りっ気がない。“当代きってのイケメン”といって過言でもないあの涼しげな顔を思うと――あくまで主観だが――ちょっと結びつかないような、いささかヘナチョコにも聞こえる、気取らぬ発声なのだ。

 それはともかくなんにせよ『Permanent Vacation』。始まりのあたりを聴いていると、いかにもいつか四つ打ちでアゲアゲにしてくれそうな気配濃厚である。なのだが、そのまま気を持たせたまんま、とうとう最後までダンスビートへの展開は無しの構成となっている。それは果たして意図したことなのか……?

 リスナーとしては、もう少し普通に踊りやすいアレンジにしてくれてもよかったのかなぁと。凝り過ぎというのが素直な感想ではある。

 ところで、ネット上にTVの番組か何かでライブ演奏をしている動画がアップされていたので、参考までに観てみたら、この人、歌う時、結構ものすごい八の字眉の情けない顔になっちゃうのね。たしかにこの顔なら、先に述べたヘナチョコにも思える歌声も“顔声一致”ということでは納得出来る〜っとか思っちゃったんだけど。いやいや、人間、リキ入れて歌うときには普段では見られないような顔になっちゃう人ってのも結構いるもんなんだなぁと。あらためて思ってしまった次第。

 Suchmos。

 最近色々なところでこの人達の名前を聞く。なるほど実力を感じる演奏だとは思ったが、気取りも強そうだよね。

(近田 春夫)

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