村田諒太、劇的な王座奪還の理由は“新トレーナー”と“コーヒー断ち”

村田諒太、劇的な王座奪還の理由は“新トレーナー”と“コーヒー断ち”

右ストレートのパワーも増していた ©共同通信社

 再戦は前回勝った者が有利。そんなボクシング界の常識を打ち破った劇的な夜だった。7月12日に行なわれたWBA世界ミドル級タイトルマッチ。挑戦者の村田諒太(33)は、昨年10月“聖地”ラスベガスで大差の0-3判定負けに終わったロブ・ブラント(28)に対し2回、1度ダウンを奪ってからの猛攻でTKO勝利を収め、見事、リベンジを果たすことに成功した。

「絶対に負けたくないという気持ちと、(所属する帝拳ジムの)本田会長やトレーナーのカルロスがずっと付き添ってくれましたし、チーム帝拳のおかげだと思います」

 試合後の会見で名前を出して感謝した「カルロス」とは、今回新たに陣営に加わった30歳のベネズエラ人トレーナー、カルロス・リナレスだ。兄ホルヘは3階級制覇を果たした帝拳ジムの看板選手で、弟も2007年に入門して日本ミドル級1位までランキングを上げた。彼は現役を引退してベネズエラに一度帰国しながらも再来日し、同ジムのトレーナーに転身した。

 村田とは年齢も近く、すぐに気が合ったという。

「あの人、ボクサーとしての才能、めちゃめちゃありましたからね。いいトレーナーになるんだろうなというのはもちろんありました」と、後に村田は語っている。

■村田が好物の“コーヒー断ち”をした理由

 身長は183cmの村田よりも5cm高い。ミット打ちでは体全体を使って村田のパワーを引き出した。最大の収穫は「ワンツーだけじゃ勝てない」と彼の指導によって連打が磨かれたこと。TKOにつながった2回の猛ラッシュは、まさにカルロストレーナーとの“日常”が発揮された形だ。ラテンの明るいノリも村田をリラックスさせたそうである。

 周囲のサポートに感謝する村田だが、リベンジを成し遂げるためにコンディションづくりで妥協は一切なかった。試合翌日の会見では好物の“コーヒー断ち”していたことを明らかに。カフェインには興奮作用があるとされており、「練習でテンションをマックスにしたかったので、敢えて飲まなかった」というのだ。

 世界王座に返り咲き、次戦はミドル級の超ビッグネーム、サウル“カネロ”アルバレスやゲンナディ・ゴロフキンとの対戦も候補に挙がるとか。まずは体をゆっくりと休めて、“コーヒーブレイク”を。

(二宮 寿朗/週刊文春 2019年7月25日号)

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