尾木ママ「高校野球は学びの宝庫 佐賀北を忘れない」

尾木ママ「高校野球は学びの宝庫 佐賀北を忘れない」

イラスト 中村紋子

 八月七日、夏の甲子園が開幕したわね。先月終わった西東京大会は早実の清宮フィーバーに沸いた。悲願の甲子園出場を賭けた決勝戦、“打倒清宮”の綿密な戦略で東海大菅生が見事勝利。清宮君の「準優勝という結果でしたけど日本一のチームだと自分でも思ってます」というコメントにはジーンときちゃった。笑いあり涙あり、ドラマティックな高校野球の魅力を再認識した人も多いんじゃないかしら。

 この間、親子向けに野球観戦の良さについてミニ講座をしたんだけど、先んじて横浜ベイスターズの試合を満喫。そしてボク、高校野球も昔から大好き! 高松にいた高校時代、バックネットに鈴なりになり野球部の練習を見ている地域の人々の姿が原風景ヨ。

 忘れられないのは二〇〇七年夏の甲子園。ノーマークだった佐賀北高校野球部が劇的な活躍を見せた。進学校で、野球特待生は一人もいない。いわゆる野球のエリート校ではなかったの。それが一回戦、二回戦……と試合を重ねるごとに、まるで別のチームのように強くなっていく。大会の中で、守備範囲の変化のさせ方、投球の組み立て方等、強豪校のやり方を貪欲に吸収していった。決勝の相手は広島の名門、広陵高校。佐賀北はなんと八回に逆転満塁ホームラン。打った選手は相手ピッチャーを最初から観察していて、「次はこうくるはず」とヤマをはったそう。子供達の成長する力、可能性の大きさってものすごいわね。しかも、チームの雰囲気が実にのびのびしていて、シゴキとは無縁なの。上から管理してしめつけるのではなくて、生徒ひとりひとりが自ら考え、力を合わせて進化していく姿に教育の原点をも感じさせられたわ。

 強豪校も無名の高校も、注目選手も陰で支える選手も、其々の思いを抱えて一回きりの戦いに全力投球。甲子園でどんなドラマが生まれるのか、今年も目が離せないわ!

(尾木 直樹)

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