R‐40本屋さん大賞〈小説〉――ベテラン書店員さんたちのイチ押し本!

R‐40本屋さん大賞〈小説〉――ベテラン書店員さんたちのイチ押し本!

©文藝春秋

「面白い本」を見つけ、日々全国各地の読者に届けている熟練目利き書店員の皆さん。彼らがお薦めする今年の1冊(2016年6月〜2017年5月)はこれだ! 話題作や掘り出し本が続々登場。夏休みのお供を選ぶ最高のガイド!

◆◆◆

〈小説〉

1.『蜜蜂と遠雷』(恩田 陸 著)幻冬舎

2.『罪の声』(塩田武士 著)講談社?

3.『みかづき』(森 絵都 著)集英社

4.『我らがパラダイス』(林 真理子 著)毎日新聞出版

4.『騎士団長殺し』(村上春樹 著)新潮社

■1.蜜蜂と遠雷 

 新人発掘のピアノコンクールで、ピアノを持たぬ天才・風間塵、コンサートから逃げた元天才少女・栄伝亜夜、ジュリアード音楽院の誇るマサル・カルロス、サラリーマンの高島明石らが鎬(しのぎ)を削る。直木賞受賞作。

○R-40ここがおすすめ!

「音楽がふってくる」(旭屋書店池袋店・北川恭子)

「ノンフィクションのように綿密な物語の構成と、小説の醍醐味である“想像する解放感”」(喜久屋書店阿倍野店・市岡陽子)

「日本の小説界の代表作となるべき傑作。読み終わってしばらくピアノの曲は聴きたくなかったほど」(メトロ書店本店・川崎綾子)

■2.罪の声

 31年前の未解決犯罪「ギン萬事件」取材を命じられた文化部記者。恐喝に使用された録音テープと同じものを父の遺品に見つけた仕立て屋。2人の視点が交わり、真相が姿を現す。

○R-40ここがおすすめ!

「グリコ・森永事件を新たな視点で描く社会派エンタメ小説」(文苑堂書店福田本店・青山浩士)

「被害者だけでなく、加害者そしてその家族の悲惨な人生も描いていて切なくなります」(ジュンク堂書店三宮店・三瓶ひとみ)

「フィクションなのかノンフィクションなのか? 真相はこの通りだったかもと思わせるリアルさがある」(今井書店・浜崎広江)

■3.みかづき

 学校の勉強についていけない子を助ける補習塾か、優等生を一流大学に送り込む進学塾か。太陽に対する月のように、戦後日本の教育を裏側から担った「学習塾」とは何であったか。経営者家族三代に亘る葛藤、離散、和解の物語。

○R-40ここがおすすめ!

「戦後の教育史がしっかり物語を支えている」(こどもの本の広場会留府店主・阿部裕子)

「教育とは、時間が掛かり、そしてその効果(成果)は教育者の知らないところで実を結ぶ」(三省堂書店東京ソラマチ店店長・久保亘)

「この本の素晴らしさを語りだしたら止まらない。教育者のバイブルになればいいのに」(今井書店グループセンター店・鳥橋早苗)

■4.我らがパラダイス

 私らの親は真面目に働いてきて、老いた今はギリギリの暮らし。一方、高級介護付きマンション「セブンスター・タウン」の住人は恋愛を楽しみ贅沢三昧。この格差は何? 中年女性3人が立ち上がる。ユーモアとパワー溢れる介護小説。

○R-40ここがおすすめ!

「介護の辛さが引き連れてくるその他諸々の面倒くささに、他人事とは思えず…読み進みながら気が滅入ってくる。だけど、最後の最後に全部吹き飛ばしてくれたぜ! 『明日に向って撃て!』のエンディングを思い出した」(マルサン書店仲見世店店長・小川誠一)

「冷たい水をかけられた後、頬を思い切り張られたよう」(宮脇書店本店・藤村結香)

■4.騎士団長殺し

 肖像画家が妻に別れを切り出された。彼はマンションを出て放浪し、高名な日本画家が暮らしていた山の中の家に落ち着く。そして未発表作品「騎士団長殺し」の謎に絡め捕られる。

○R-40ここがおすすめ!

「ハルキファンには懐かしい『たとえ』が全編にあふれている。『〜のような』『〜みたいに』」(ジュンク堂書店三宮店・小寺啓史)

「残ったままの伏線や、ストーリーの矛盾は、むしろ『第3部』があるかも、という大きな期待感を募らせる」(八文字屋本部商品企画部・金沢有一)

「好き嫌いに関係なく、はずせない書籍です」(丸善丸の内本店・永田一成)

?

○R-40 こちらもぜひ!

「昨年、宮内悠介氏はたて続けに新刊を出しました。この本(『カブールの園』)でなくても、興味あるところからぜひ。エンタメと純文の双方に足をかけて立つ、絶対読んでおいてほしい作家」(紀伊國屋書店新宿本店・小出和代)。文庫では監督自身が筆をとった同名映画の原作小説、中野量太『湯を沸かすほどの熱い愛』。「人生史上、一番人に薦めた映画のオリジナル原作。ただの余命物ではない」(水嶋書房枚方市駅店店長・丸本清則)。

(「週刊文春」編集部)

関連記事(外部サイト)