【オリックス】T-岡田が1番打者に向いているこれだけの理由

【オリックス】T-岡田が1番打者に向いているこれだけの理由

©文藝春秋

■「4番・T-岡田」との別れ

 あなたが私にくれたもの、1位指名の記者会見。あなたが私にくれたもの、イチロー選手のお墨付き。あなたが私にくれたもの、ウエスタン・リーグの2冠王。あなたが私にくれたもの、2010年のホームランキング。あなたが私にくれたもの、熾烈な外野のベストナイン。あなたが私にくれたもの、CS沸かせた逆転弾。

 我々世代にはあまりに有名な「JITTERIN’JINN」の「プレゼント」。歌詞の通り色々な贈り物と思い出を貰った大好きな彼とお別れをする歌である。この歌詞さながら、ついに我々にもお別れの時がやってきたようだ。誰と? 勘の良いBsファン同志諸君ならもうお分りだろう。そう我々が愛した「4番・T-岡田」とのお別れである。

 いやいや、冒頭から不吉なコラムのようだが、決してそうではない。「4番・T-岡田」とのお別れであって、「T-岡田」とのお別れではないのだ。そう、8月5日・6日に見たBsの新オーダー。初見にして心を鷲掴みにされたファンも多い事だろう。それほど「1番・T-岡田」の存在は頼もしく、また今後数年のBsの戦い方として多くの可能性を見出してくれたオーダーだったと思うのだ。

■パ・リーグを代表するリードオフマン

 もともとチャンスに弱かった訳ではない。冒頭の替え歌さながら、幾多の名シーンと劇的な試合結果を我々に提供してくれた。その頻度があまりに貴重だった故、いつからか我々は彼のことを「チャンスに期待できない」と思ってしまうようになった。繰り返すが「チャンスに弱い」訳ではなく、「チャンスをものにする」頻度が少ないだけなのだ。そこを履き違えて「6番・T-岡田」や「7番・T-岡田」に、クリーンナップの後方からの援護射撃を求めるようになっていたのだろう。

 しかし、今シーズンの彼は別の役割を淡々とこなしていた。つなぎの打撃をこころがけ、コツコツとチャンスを作り続けているのだ。言わばチャンスメーカーの役割を買って出たT-岡田。出塁率の高さがその打撃を物語っている。T-岡田の出塁率は現在パ・リーグ3位の成績で、柳田悠岐(ソフトバンク)、秋山翔吾(西武)に続く成績である事からも、じゅうぶんにパ・リーグを代表するリードオフマンと呼んでも良いだろう。併せて、ここまでのOPSも.898と優秀、長打率も.506と上位に配置した方が良いのは明確である。また、これは出塁率にも関連してくる事だが、T-岡田は、意外にも一塁到達スピードが優秀なのである。左打者であるアドバンテージが生きているのだろうが一塁到達4.11秒を記録しており、MLBの5傑入りしたイチロー選手が3.94秒であるから長打率を鑑みれば申し分ない数字のように思う。実は1番打者に必要な要素を多く持ち合わせた打者なのだ。

■T-岡田・吉田正尚の1・2番コンビはパズルを埋める貴重なピース

 少し話は変わるが、3アウトを取られる前に走者を本塁まで進めれば得点ができるのが野球である。打てる打者から順に打線を組むのが元来大前提なのだ。また、セイバーメトリクスの世界では「2番最強論」が囁かれ、実際に楽天・ペゲーロが大当たりするなど、上位打線の重要性はクリーンナップ以上に大きいと言って良いだろう。展開によっては1・2番だけで得点出来るので、それこそクリーンナップにかかる負担も軽減される。強いチームには素晴らしい1・2番打者がいるのは当然の事なのである。ロメロにマレーロ、中島宏之に小谷野栄一と中・長距離打者の多いBsに於いてはT-岡田・吉田正尚の1・2番コンビがパズルを埋める貴重なピースなのではないだろうか。

 かつてブルーサンダー打線の核弾頭として名を馳せた松永浩美氏。スイッチヒッターであったし、内野手であった事からも一概に比較の対象に挙げる事は出来ない。しかし誘雷役であった松永氏の活躍があってこそのブルーサンダー打線であった事は間違いない。T-岡田選手には是非リードオフマンとして新しい可能性を見出して欲しいと願っている。1番・T-岡田、2番・吉田正尚の1・2番コンビがBsの新しい代名詞になって欲しいと思うのだ。

 冒頭の「JITTERIN’JINN」の代表曲は皆さんご存知の「夏祭り」。T-岡田から始まる打ち上げ花火がクリーンナップへと続き、夏の夜を彩るスターマインとなってまだまだシーズンを盛り上げてくれる事を楽しみにしている。

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(MEGASTOPPER DOMI)

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