「朝ドラに革命を起こした」あのヒロインが堂々1位 『好きだった朝ドラ女優』アンケート結果発表――2019上半期BEST5

「朝ドラに革命を起こした」あのヒロインが堂々1位 『好きだった朝ドラ女優』アンケート結果発表――2019上半期BEST5

みなさんの記憶に残る「朝ドラ女優」はだれ? ©文藝春秋

2019年上半期(1月〜6月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。エンタメ部門の第5位は、こちら!(初公開日 2019年2月11日)。

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 現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』は、1961年より続く「朝ドラ」記念すべき"100作目"。

 新人俳優の登竜門として、様々な人気俳優たちを輩出してきた「朝ドラ」ですが、皆さんの心に最も残る「朝ドラ女優」は誰でしょうか?

 文春オンラインでは、4月2日〜4月15日の2週間にかけて『あなたが考える「好きだった朝ドラ女優」』をメルマガ会員を対象にアンケートを行いました。投票総数は1406票、10代〜90代の幅広い世代の男女にご参加いただきました。

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あなたが考える「好きだった朝ドラ女優」を好きだった順に3名挙げて、それぞれ理由もあわせてお答えください。?

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 圧倒的な得票数で、『あまちゃん』の能年玲奈(のん)が1位となった。『あまちゃん』は、現在放送中のNHK大河ドラマも担当している脚本家・宮藤官九郎が担当。劇中、能年玲奈(のん)演じるヒロイン・天野アキが驚いた時のセリフ「じぇじぇじぇ」はその年の流行語大賞にも選ばれた。

 2位には、波瑠(『あさが来た』)と有村架純(『ひよっこ』)が僅差だが、大阪を拠点に実業家、教育者として「日本最初の女子高等教育機関」を設立した広岡浅子をモデルとして演じた波瑠がランクインした。

 その他にも、平均視聴率52.6%、最高視聴率62.9%といういまだ破られていないテレビドラマの歴代最高視聴率を持つ『おしん』よりヒロインの幼少期を演じた小林綾子が6位、朝ドラヒロインにて初の外国人女性となったシャーロット・ケイト・フォックス(『マッサン』)が15位にランクインしている。

 現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』にて、ヒロインのなつが身を寄せる柴田牧場の母親役を演じている、松嶋菜々子(『ひまわり』)も19位に入った。

 集計したランキングより、上位20名を挙げた回答者の理由を紹介し、最後には「朝ドラ」をよく知る方々にコメントを頂いた。

■「朝ドラに革命を起こした」あのヒロインが堂々1位

1位 88作目『あまちゃん』 能年玲奈(のん)

「朝ドラに革命を起こした。それに尽きる」(56・男)

「ストーリーと本人がダブって思えた。とってもキュートでした。迷走ぶりも、大震災の復興もぜーんぶ応援したくなりました。朝から、笑いながら観た朝ドラは初めてです」(59・女)

「震災後の沈滞ムードの中、明るく前向きなメッセージがあった」(28・女)

「今までの朝ドラのイメージを覆す素晴らしい演技だった。もがきながらも、自分の弱い部分も知らず知らず、克服し、明るく逞しくなって行く姿が、秀逸であったと思う」(57・女)

「『あまちゃん』の天野アキを演じた彼女のちょっと不器用だけど、ひたむきな姿はとても魅力的でした。今まで、あれほど1日に何回も繰り返し同じ回の朝ドラを見たことはありませんでした。可愛くて、ひょうきんで、カッコよくてとっても大好きなヒロインでした」(57・女)

「何の前情報も持たずに初回放送を観たのですが、その可愛さと自然な演技にはまり、全部録画した上にBlu-rayディスクまで購入した朝ドラは初めてでした」(57・女)

「朝ドラを変えたヒロイン」(36・男)

「停滞していた連続テレビ小説に命を吹き込み若年層のファンを開拓した名作のヒロインだから」(66・男)

「『あまちゃん』には本当に毎朝癒されていた。脚本、演出、能年(のん)さんの雰囲気、皆さんとの掛け合い、すべて完璧に調和していた。あの時期の朝の心地よさは、一生忘れない」(56・男)

「自分自身が東日本大震災と原発被災者となり、放射能被害で家に入ることができずにいる最悪の時に『あまちゃん』が放送されました。出演者の演じる東北の良さ、人の温かさ、人情、そして笑いと毎回楽しみに観ていました。主人公のアキちゃんはまるで自分の娘を見ているようで毎日家族と一緒にいるような、そんな気にさせてくれる番組で大好きでした」(55・男)

「素朴なキャラクターが好きでした。『じぇじぇじぇ』は何度も使いました(笑)」(25・女)

「美人でかわいくてちょっと背筋の悪い感じで走る姿や、『あまさんの格好』、『潮騒のメモリーズ』とアメ横でのアイドル活動、何かあると『じぇじぇじえ』と驚くところなど、何にでも純粋な姿が好きです」(41・男)

「この人でなかったら、あんなにブームにならなかったと思います」(51・男)

■玉木宏、磯村勇斗、長谷川博己……旦那さんとのコンビも人気

2位 93作目『あさが来た』 波瑠

「働く女性の開拓者として、また女子大学の設立に尽力する傍ら、夫のことも深く愛し尊敬するヒロインを、はつらつと演じていた」(45・女)

「どちらかというと大人しいイメージの波瑠さんが、あさの人生を見事に演じ切っていて素晴らしかったです。他のキャストとの相乗効果もあって毎日が楽しみでした」(54・女)

「役に徹して、見る人に感動を与えた。最近にない素晴らしい女優である。またドラマが躍動している感じがして素晴らしい」(75・男)

「主人公・あさの性格や気質をとても的確に表現していたと思います。いまだにロスで『あさが来た』以降、朝ドラを観ていません」(40・女)

「年齢を重ねるごとに、どんどん成長していく波瑠さんが印象的でした。役を自分のものにしていく感じがありました」(33・男)

3位 96作目『ひよっこ』 有村架純

「明るくて前向きなだけじゃない人間らしいヒロインを自然体で演じていたと思うので」(47・女)

「私自身も茨城県生まれで、架純さんの茨城弁には親しみを感じました。ドラマもまた続編を作って欲しいです」(55・女)

「演技も自然な感じでとても好感が持てた」(39・男)

「健気でかわいらしく、思わず応援したくなるヒロイン」(54・女)

「ごく普通の女の子を見事に演じていた」(37・男)

4位 99作目『まんぷく』 安藤サクラ

「『まんぷく』は彼女あっての作品。若い奥手な女の子からカーラー巻いてネット被る大阪のおばちゃんまで、夫を支える女性の一生を演じ分けていて素晴らしかった」(46・女)

「やっぱり1位は、安藤サクラさんです。あの天真爛漫、おおらかだけどしっかり者、縁の下の力持ちである役柄を演じることができるのは安藤サクラさん以外には居ないなと思いました。『まんぷく』の収録中は、お子さんの育児もしながらだったようなので、お母さんとしても女優さんとしても素晴らしい方だなと思いました」(29・女)

■「可愛いだけじゃない」多彩なキャラクターの歴代ヒロインたち

5位 85作目『カーネーション』 尾野真千子

「かわいいだけ、一途なだけのヒロインは不要。糸子の強さに惚れました。男性の力を借りず、むしろ踏み台にして前進するたくましさは素晴らしい」(50・男)

「朝ドラのヒロインっぽくない所が逆に良かったです。負けず嫌いで、男性顔負けの行動をする姿が新鮮でした。また、綾野さん演じる周防との関係性もインパクトがあって、個人的には印象深いヒロインになっているように思います」(37・女)

6位 31作目『おしん』 小林綾子

「朝ドラと言ったら『おしん』!!」(40・女)

「彼女のテレビ出演時は、確か10歳ぐらいだったと思います。そんな若さでドラマの主演を演じた少女に感銘を受けた思い出は強烈です。演技力も立派でした」(72・男)

「『おしん』での名演技を、今でも鮮烈に覚えています。特に山形の生れた家からおしんが奉公に出る時の、母親(泉ピン子さん)とのとても悲しい別れのシーンが今でも鮮明に頭に残ってます」(72・女)

7位 98作目『半分、青い。』 永野芽郁

「女優として楽しみな存在になった」(51・男)

「ナチュラルで美人で、女性からも愛される爽やかさがとても良いと思うから」(58・女)

「ひたむきに生きるヒロインを自然体で演じていたと思うから第1位です。芽郁ちゃんは、『超美人』ではないけど、かわいらしさに心が引かれました! 鈴愛ちゃんと律(佐藤健)君のラブシーンも印象的でした!」(65・男)

8位 64作目『ちゅらさん』 国仲涼子

「まさに沖縄の太陽のようなヒロイン」(23・男)

「まだ少しあか抜けなくて、綺麗な女優さんというよりは元気で可愛らしい女の子という感じで好感が持てました。こんな子が娘だったら毎日楽しく過ごせるな、という気持ちで観ていたのを覚えています。朝から国仲さんの笑顔が観られるとパワーをもらえました」(41・女) 

「いつも一生懸命なえりぃ(国仲涼子)の姿は朝の一服の清涼剤。周りの人達全てを笑顔にする天真爛漫な魅力に溢れていた。朝ドラヒロインの象徴だと思う。続編が4回も作られたことからも人気の根強さが窺える」(27・男)

8位 89作目『ごちそうさん』 杏

「朝ドラはあまり観たことがなかったけど、この『ごちそうさん』は放送前から楽しみにしてました。食べ物も美味しそうで、毎日楽しかったです」(49・女)

「様々な困難にぶちあたっても、ごはんを食べれば元気になる姿が、とても元気を頂けました。たくましい一生懸命さが素晴らしかったです」(55・女)

10位 82作目『ゲゲゲの女房』 松下奈緒 

「人前に出るのが苦手な大人しいヒロインに、『頑張って!』とエールを送りながら視聴していました。愚痴も言わずに、真剣に原稿に取り組む夫(向井理)の姿に涙を流す清らかな愛情に心打たれました」(52・女)

「水木しげるの妻役にぴったりだった」(49・男)

「ひたむきに夫を支える奥さんになっていく様子が純粋に素敵だと思った」(58・女)

「『ゲゲゲの女房』のヒロイン役として、瑞々しい演技が印象的で好感を持てたから」(66・男)

■あの人も朝ドラ出身!? 新人登竜門としての「朝ドラヒロイン」

11位 34作目『澪つくし』 沢口靖子

「再放送で『澪つくし』を見たときあまりにも可愛すぎてびっくりした。もう絶対にこのクラスの人は出ないと思うくらい」(41・男)

12位 6作目『おはなはん』 樫山文枝

「あの時代、女の子が木に登るなんて、びっくりした……初々しかった」(72・男)

「幼心にも美人だった。当時は小学生だったが、自分の家族や親戚を見回しても彼女にかなう美人はいないと落胆した」(60・男)

13位 92作目『まれ』 土屋太鳳

「真っ直ぐでひたむきなキャラクターが大好きでした。家族で最後まで観てました」(35・男)

「演技が新鮮で情が湧きました」(26・女)

14位 86作目『梅ちゃん先生』 堀北真希

「劣等生だった梅子が医者を目指し頑張る姿に共感を覚えた。淡い初恋も良かった。素朴な役がとっても合っていた。また見たい朝ドラです」(54・女)

「どんな役もできる素晴らしい女優だったと思います。可愛い役も暗い役もこなしていて、そして見た目はお人形さんみたい」(30・男)

15位 91作目『マッサン』 シャーロット・ケイト・フォックス

「言葉や演技など様々な壁を乗り越えて、圧倒的な存在感を発揮していたと思います」(56・男)

「彼女の日本語を学ぶ努力を思えば、ヒロインのモデルとなった、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝の妻リタの境遇とも重なって感動が昂る。他の朝ドラとは違い、『マッサン』だけは最終放映まで鑑賞しきった」(82・男)

16位 77作目『ちりとてちん』 貫地谷しほり

「『ちりとてちん』で、朝ドラ史上稀有とも言える、いじけた性格の後ろ向きな主人公の姿に、当時、『ガンバレ、ガンバレ!』と夫婦二人で泣きながら応援していました。今だに、テレビで彼女の顔を見ると『ビーコ…元気そうで良かった』とつぶやいてしまいます(笑)」(58・女)

「父親役の松重豊さんに本気で平手打ちされるシーンに体当りで臨み、難しい落語もこなしていた。(55・女)

「ヘタレなヒロインが、成長していく姿に、ひたすら共感、感動。ドラマの脚本が素晴らしかったのは勿論ですが、彼女の演技力や人柄の良さも、凄く伝わってきましたね」(37・男)

17位 90作目『花子とアン』 吉高由里子

「花子役は彼女しかいない と思うのは私だけではないはず。酔っぱらって夜の校庭で大騒ぎするシーンは忘れられない」(51・男)

17位 94作目『とと姉ちゃん』 高畑充希

「いつも頑張ってる姿をテレビで見てて、自分も頑張ろうと素直に思えたヒロインだから。今でも記憶に残っています。明るく元気で、前向きなヒロインの最たる人だと思ってるし、今も大好きな女優さんの一人です。夫も高畑充希さんが好きで、家族で応援してました」(52・女)

19位 54作目『ひまわり』 松嶋菜々子

「大人っぽさとかわいらしさが同居」(55・男)

「透明感があり綺麗で清潔感あり。朝ドラにぴったりのヒロインだったと思います。『ひまわり』……懐かしくてまた見たいです」(45・女)

20位 69作目『てるてる家族』 石原さとみ

「当時は垢抜けなかったけれど同じ世代で純粋な笑顔が可愛かったから」(26・女)

■朝ドラヒロインとはもんぺの似合う"昭和顔"

 この結果に関して「朝ドラヒロイン」をよく知る2名にご意見を伺った。

◇中森明夫氏(作家・アイドル評論家)

「なかなか妥当なランキングだと思います。1位の能年玲奈(のん)さん主演の『あまちゃん』は、本当に能年さん抜きではありえなかったと思います。やっぱり"あまちゃん=能年玲奈(のん)"です。今も『あまちゃん』とほぼ同じスタッフで制作した大河ドラマ『いだてん』が放送中ですが視聴率的に苦戦しています。内容は面白いんですが、今一つ数字が伸びない理由に何かが足りないとするならば、やっぱり『あまちゃん』の時の能年玲奈の輝きだと思いますね。

 ここ最近の朝ドラが上位にランクインしていますが、ヒロインに共通する特徴は戦時中のシーンでもんぺが似合う『平成生まれの昭和顔』。朝ドラはそのほとんどが女性の一代記を描いているわけですが、時代背景がほぼほぼ昭和。その時に広瀬すずさんや有村架純さんといったもんぺの似合う"昭和顔"が選ばれているんだと思います。平成顔と言える小松菜奈さんや中条あやみさんがもんぺをはいても、やはり似合わないですよね。

 一方で、朝ドラのヒロインという枠は若手の女優さんにとって特別です。オーディションで選ばれて一躍人気になった女優はたくさんいます。2位の波瑠さんは今やCMからドラマの主演までこなす人気女優ですが、ブレイクのきっかけは朝ドラ『あさが来た』のヒロイン役でした。

 その特別な枠が今回の『なつぞら』の広瀬すずさんや次回『スカーレット』の戸田恵梨香さんのようにオーディションではなく、キャスティングになっているのは残念です。新しい時代・令和になった今、朝ドラのオーディションで新しい女の子が出てきてくれればいいなと思います」

■思わず「頑張れ」と応援したくなるのが朝ドラヒロイン

◇木俣 冬氏(著作家・ライター)

「『あまちゃん』の能年玲奈(のん)さんは断トツの1位ですね。私は能年玲奈(のん)さん演じる天野アキももちろんですが、アイドルの夢を一緒に追いかけた橋本愛さん演じる足立ユイとのセットで好きでした。特に、なかなか上京できないユイにアキが最後まで寄り添い続ける姿と、のちにドラマを超えて東京の『紅白歌合戦』の特別編という舞台で2人が『潮騒のメモリー』を一緒に歌う姿がリンクして感動的でした。

 このランキングを見ていて思うのは、視聴者はみなヒロインの『健気さ』が好きなのかなということです。『あさが来た』で旦那さん大好きのあさ(波瑠)も、『ひよっこ』のみね子(有村架純)も、思わずその姿に応援したくなる。自分と少し重ねてみて「頑張れ」と言いたくなる人物像が朝ドラヒロインなのかなという印象はあります。

 個人的に気になったのは10位の『ゲゲゲの女房』。この作品は朝ドラのターニングポイントになっていると思っています。時間帯が変わって見やすくなったことや、題材設定に『モデルがいる人物を主人公にする』という普遍性を取り入れたことが大きなポイントです。さらにこの頃から普及したSNSで、朝ドラに関しての感想や批評を投稿することも一般化していきました。

 ストーリーでは、最近LGBTを主題にしたドラマが増えています。『半分、青い。』で志尊淳さんが演じたボクテはゲイの美青年として、注目を集めました。そんな人たちが主人公となる朝ドラも見てみたいなと思います」

 アンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。

(「週刊文春」編集部/週刊文春)

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