夏の甲子園42試合生観戦してわかった、楽天が獲得すべき選手たち

夏の甲子園42試合生観戦してわかった、楽天が獲得すべき選手たち

智弁和歌山対星稜 激闘の末サヨナラで敗れた、智弁和歌山・東妻純平

 第101回全国高校野球選手権大会は履正社(大阪)が星稜(石川)を5-3で下し、初優勝を飾った。これは決勝戦前日の話である。

◆ ◆ ◆

 盛り上がりを見せた第101回夏の選手権大会も残すところ明日の決勝戦を残すのみ、本日8月21日が文春野球コラム締め切り日なのだが、有り難い事にこの他にお仕事が2つ。これは午前中に書き終えておきたいところだが、明日決勝戦を行う履正社と星稜が朝から軽めの練習をするという情報を聞きつけてしまった。どうしようかと考えながら地下鉄、阪急電車と乗り継ぎ気づけば豊中ローズ球場に……。

 そもそも記者でもないのに練習見学などできるのか? 最悪球場外から履正社の打球音と飛行機の着陸音をBGMにコラムを書こうかとも思ったが、すんなり入る事ができた。取材記者以外は近所の子供達がほとんど、内野ノックをうける野手をフェンスにかじりついて見つめている。

かみじょう「バットにボールが当たる前から内野手の足の動きを見ときや! 準備が大事なんやで」

子供達「はい!」

 どの口がいうとんねん。はよコラム書かんかい。

 ちゅうことで現在履正社の練習終わりに球場外で書いてます。今年もこの時期なんで、ここまで42試合を甲子園で生観戦した私がドラフトで楽天イーグルスが獲得すべきだと感じた選手を紹介したいと思います!

■楽天が獲得すべきだと感じた選手たち

 まずはいいショートとキャッチャーがいればとりあえず獲得に動け!というドラフトの鉄則から智弁和歌山の東妻純平捕手を挙げたい。星稜の山瀬慎之助に近江の有馬諒、中京学院大中京の藤田健斗と素晴らしい捕手は沢山いたが、彼の雰囲気が嶋捕手とむちゃくちゃ似ていて惹かれた。誰よりも監督から叱られ、誰よりも練習し、誰よりもチームを引っ張っていける選手。

 7点とられても11点とって勝つというイメージの智弁和歌山、今年は和歌山大会全5試合で失点1、甲子園も初戦、2回戦ともに1失点でご存知星稜との3回戦も延長14回まで1失点でエラーがなし。投手陣の成長を言われるが東妻捕手の安心感、リードがさえての結果だと思っている。それに加え、遠投130メートルの強肩。高嶋前監督からはセンバツ時の甲子園練習でホームからバックスクリーンに投げ込むパフォーマンスを提案されたほど(笑)。明徳義塾戦でみせた右中間深くに放ったホームランもインパクトがあったが、誰もが打てない時に勝負強さを発揮できるところがまさに嶋基宏ではないか!

 続いてはやはりショート。このポジションにも素晴らしい選手が沢山いた。鶴岡東の河野宏貴に八戸学院光星の武岡龍世、智弁学園の坂下翔馬など他にもたくさんの逸材はいたが、作新学院の石井巧がよかった。岡山学芸館戦も初回に2つファインプレーがあったが、どちらも球際に強く、三遊間を抜けそうな当たりも取ってからの送球が安定していた。智弁和歌山の高嶋仁前監督も守備とは取ることではなく正確な送球をさすと教えてくれた事がある。そしてバッターをみながら守備位置を変える事ができる洞察力、野球勘にも長けている選手と言える。作新学院で石井といえば、そう兄は北海道日本ハムファイターズの石井一成なのだ。小針監督曰く兄以上の才能と努力ができる才能を持ち合わせているという。本当に楽しみな選手である。

■楽天の永遠のテーマ “右の和製大砲”候補

 続きましては楽天イーグルスの永遠のテーマになりつつあります右の和製大砲だ。ここには履正社の井上広大を推したい。準決勝まで5試合で4割2分9厘、2本塁打、11打点も立派だが、187センチ94キロという恵まれた体格から放たれる打球スピードは智弁学園時代の岡本和真を思い出させる。とにかくこのサイズは才能なのでぜひ獲得してほしい。

 最後はやはりピッチャーは選んでおきたい。智弁和歌山の池田陽佑や八戸学院光星の山田怜卓、旭川大の能登嵩都などたくさん好素材はいたが、やはり星稜の奥川恭伸がズバ抜けていた。とくに智弁和歌山戦は圧巻、14イニングを投げ165球という異常な球数の少なさにもかかわらず、三振が23個と非常に多かった。つまりバッターは追い込まれたら打てないと、勝負を早くするも結局前に飛ばないため追い込まれ三振のパターンだ。そして一番驚いたのは14イニングのストレートの平均球速が150キロを越えていた事、まるで万全の則本投手や千賀投手の球を見ているようだ。プロ野球選手として即ローテーションに入ってきても勝てるピッチャーだろう。他にも静岡の左腕松本蓮投手(背番号11)は負けはしたが初戦で好リリーフを見せた。ストレートは130キロそこそこだが腕の振りがストレートと変化球で全く変わらない。スピード競争の昨今、近江の林優樹やこういうピッチャーの成長は楽しみでならない。現在まだ2年生だが将来辛島航投手のようになってほしいと思った選手である。

 さぁ、この中の何人がこの秋指名されるのか! そして楽天イーグルスに入団してくれる選手は果たしているのか! とりあえず志望届出しといてほしーなー!

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2019」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト https://bunshun.jp/articles/13166 でHITボタンを押してください。

(かみじょう たけし)

関連記事(外部サイト)