“余命3カ月宣告”から3年 大林宣彦81歳が今も映画を撮り続けている理由

“余命3カ月宣告”から3年 大林宣彦81歳が今も映画を撮り続けている理由

大林宣彦監督 ©文藝春秋

 第32回東京国際映画祭(10月28日〜)で、新作『ラビリンスオブシネマ=海辺の映画館 キネマの玉手箱』の世界初上映を控えている大林宣彦監督(81)。実は、今から3年前の2016年8月、『花筐/HANAGATAMI』(2017年公開)のクランクイン直前に、大林監督は「ステージ4の肺がんで余命3カ月」という宣告を受けていた。それから、3年あまり――。

 大林監督は笑顔でこう言う。

「僕が楽天家だからか、がん患者という肉体的な自覚症状はいまだにありません。足腰が弱って移動は車いすになりましたが、それは歳のせい。身長も174センチあったのが、この3年で10センチあまり低くなった。面白いですね。昔なじみの俳優さんに会うと、皆10センチから20センチは縮んでいる。その中では僕なんかまだ“新人”です」

■「闘病の話をするのはやめようと思っていた」

 自らを「非常に運がいい人間」と語る大林監督。ステージ4の肺がんも、男性の高齢者には合わないことが多いと言われていた抗がん剤のイレッサ(一般名:ゲフィチニブ)が効いて、一度は腫瘍が消えるまでになったという。耐性ができてイレッサが効かなくなってからも、薬を変えながら、今に至っている。

 ただ、大林監督は「闘病の話をするのはやめようと思っていた」と明かす。

■余命宣告を超えて生きている意味

「僕はツイてるから余命宣告を超えて生きているだけだと。ところが主治医からこんな話をされたんです。アメリカで、何があっても楽天的な患者と不幸だと考える患者を集めて、どちらに薬が効くかを研究したら、楽天的な患者の方が効いたというんですね。で、先生がこう言いました。

『がんで亡くなる日本人の多くは、もう助からないと自分で決めてしまう。助かると自分で信じられたら薬も寄り添ってくれます。だから監督のような人は、抗がん剤を飲み、実際に余命宣告を超えて生きていらっしゃるんですから、その体験を世間に公表して下さることが医学にとってもありがたいことです』

 そう勧められたので、『わかった、それじゃあやりましょうか』と心を決めたわけです」

「文藝春秋」10月号 では、大林監督が、余命3カ月宣告を受けてからの治療の経緯、がんになったことで起きた体の変化、良い患者に徹するという主治医との付き合い方、そして、これからも映画を撮り続けたい理由などについて8ページにわたって語っている。

(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2019年10月号)

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