速いことだけが価値ではない――人それぞれの「からだの速度」とは?

速いことだけが価値ではない――人それぞれの「からだの速度」とは?

フェスティバル/トーキョー19の共同ディレクター、長島確さん(右)と河合千佳さん

 舞台芸術の国際的祭典「フェスティバル/トーキョー19(F/T19)」が10月から豊島区で開催される。12回目を迎えた。ディレクターの長島確(かく)さんは「ドラマトゥルク」の日本における草分けだ。

「ドラマトゥルクは演出家と組んで舞台を創り上げていく仕事です。演劇は集団芸術。かかわる人や要素が多く、1人が全部をコントロールするのは難しい。F/Tでは僕はディレクターでありドラマトゥルクではないのですが、“トップダウン”でなく、共同ディレクターの河合千佳と一緒に方向性を探っています」

 協働=コラボレーションの発想は今年のF/Tを貫く。

「オープニングは舞台美術家集団・セノ派。商店街と組み山車を創り街中を練り歩きます。舞台美術家はそもそもコラボレートが仕事。今、地域の人々と準備を進めています」

 今年のテーマに〈からだの速度で〉という言葉を掲げる。

「近年は情報のスピードが上がっていますが、演劇をやっていると、人それぞれ本来のからだのスピードを意識します。速いことだけが価値ではない色々な速度が集まってこの社会はできている。そういうことを、このオリンピックの前年に、東京開催の演劇祭で考えていきたいのです」

INFORMATION

「フェスティバル/トーキョー19(F/T19)」
10月5日〜11月10日
https://www.festival-tokyo.jp/

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年9月19日号)

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