全国に散らばる運慶作品22点が上野にやってくる『特別展 運慶』――すごいアート

全国に散らばる運慶作品22点が上野にやってくる『特別展 運慶』――すごいアート

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 平安から鎌倉へと移りゆく動乱の時代、仏像彫刻に赫赫(かっかく)たる道を開いた仏師―運慶。彼の作品は30躯ほどしか現存せず、所蔵する寺院で随時公開されていないものも多い。

 12世紀、平家の焼き討ちにより焼失した奈良・興福寺の復興の際、運慶は多くの仏像を手がけた。本展は同寺中金堂再建の記念企画として、全国から貴重な運慶の作品22点が会する類希(たぐいまれ)な機会である。

 運慶作品の魅力は、卓越した造形力ゆえに醸し出される存在感だ。北インドに実在した学僧、無著(むじやく)・世親(せしん)の立像(国宝)は、眼差し、指先の表情、すっと佇む姿に、尊きその人間性までをも強く感じさせる。

 彫刻史にリアリズムをもたらしたこの仏師は、当時の新興勢力である武士からの依頼にも応えた。表現力においても、仕事ぶりにおいても時代に先んじていた運慶。彼が作った像は、800年以上の歳月を経てもなお力強く、見る者を釘付けにする。

INFORMATION

『興福寺中金堂再建記念特別展 運慶』
9月26日〜11月26日 東京国立博物館 月休 03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://unkei2017.jp/

(林 綾野)

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