天皇陛下御即位記念 上野に正倉院の宝物がやって来る

天皇陛下御即位記念 上野に正倉院の宝物がやって来る

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 約千二百六十年前、正倉院は東大寺の倉庫として建造された。幅三十三mに渡る校倉造りのその姿は荘厳だ。そして中には、日本の美術工芸品や大陸からの文物など約九千点の宝が眠る夢の倉庫である。

 正倉院宝物は天平勝宝八年に光明皇后が聖武天皇の遺愛品を東大寺大仏に捧げたことに端を発する。本展にはその際の目録《国家珍宝帳》、教科書でお馴染みの《螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)》など、信じ難いほど貴重な品々が約四十点並ぶ。

 正倉院は通常、外観の公開のみで中の宝物を拝むことができるチャンスは年に一度、奈良国立博物館での正倉院展となる。毎年長蛇の列な上、《平螺鈿背八角鏡(へいらでんはいのはっかくきょう)》など人気の品やお目当ての作品と出会える可能性は限られている。

 しかしこの秋、そうした品々が三十八年ぶりに東京にやってくるのだ。きっと混雑するだろう。だが次いつ対峙できるかわからない宝物の数々を見逃す手はない。

INFORMATION

御即位記念特別展「正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―」
10月14日〜11月24日 東京国立博物館
https://artexhibition.jp/shosoin-tokyo2019/

(林 綾野/週刊文春 2019年10月10日号)

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