結婚発表 女優・貫地谷しほり33歳が明かしていた「母親になるための条件」

結婚発表 女優・貫地谷しほり33歳が明かしていた「母親になるための条件」

女優・貫地谷しほりさん

12年ぶり朝ドラ・貫地谷しほりが語る『なつぞら』「中川大志君とぶつかるシーンが好きだった」 から続く

 9月24日に、結婚を発表された貫地谷しほりさん。貫地谷さんは11月に主演映画 『夕陽のあと』 で、子どもを生んだのち、生活に困窮し、育てることを諦めるシリアスな母親役を演じる。そんな貫地谷さんに結婚発表直前に聞いていた、結婚と家族観について。(全2回の2回目/ #1 より続く)

 ◆ ◆ ◆

■「自分はセーラームーンだと妄想していた」

――ちょっと話題は変わるんですけど、『なつぞら』は日本のアニメの黎明期を描いています。貫地谷さん、昔のインタビューで「小さい頃はテレビはほとんど観てなくて、アニメだけ見ていた」と応えていました。

貫地谷 正確にはマンガですかね。『なかよし』で『セーラームーン』をずっと読んでましたね。子どもの頃は、自分がセーラームーンなんじゃないかなって妄想していたんです。でも涙が全然幻の銀水晶に変わらず……あっ普通の人間だったんだって気づきましたけど(笑)。

――少女マンガが好きだったんですね。『花より男子』のテレビドラマにも出演されていました。

貫地谷 それはたまたまで、出演させていただける機会があったので(笑)。もちろん『花男』も読んでましたね、小学生の頃。

――他に読んでいたマンガで印象に残っている作品はありますか。

貫地谷 読んでいたというか、今もマンガはずっと読み続けているんですよ。

――最近の一押しはありますか?

貫地谷 『正直不動産』っていうマンガがあって。あるとき嘘をつけなくなった不動産屋さんが、その正直さで家を売ることに勝負していく(笑)。それを読んで、あっ不動産業界ってこうなってるんだって、いま面白がって読んでいますね。

■「私がこの母親役をやっていいのか……」

――さて『なつぞら』では「子供ができなかった」というマコさん役でしたが、11月公開の主演映画 『夕陽のあと』 では子供を産んで、その後育てることがかなわない母親というシリアスな役を演じられます。

貫地谷 はじめに企画書をもらったときは胸が苦しくなりました。私自身は子供がいた経験もないし、この役をやっていいのかという迷いがやっぱりありました。でも振り返ると20代の頃は、社会と関わらなくてもわりと生きてこれちゃったんですよね。でも30代になって、身の回りでも色んな事件が起こっていることにあらためて気づいて。やっぱりエンターテインメントって人を楽しませることが第一にあるかもしれないけど、こういう現実を伝えることも私の仕事の役目なんじゃないかなって最近は思い始めて。それでお引き受けしたんですけど、演じるハードルは高かったですね。

――中心に描かれる子ども(豊和くん)は里子で、“生みの親”と“育ての親”がいて、親子の絆って何だろう?と考えさせられます。血のつながりなのか?一緒に過ごした時間なのか?と。 今回の役を演じるまでに下調べはされましたか。

貫地谷 そうですね。「女性の貧困」についての本を読んだりしました。想像だけでは推し量れない貧困のなかで生活する人のことを知って、決して他人事ではないなと思いました。ほんとに自分もそういう状況になるかもしれないし。それは隣にいる誰かかもしれない。そういう現実がある中で、おせっかいでもそういうことに社会全体が介入していくということが大事なんだなと。最近ニュースを見ていても思いますね。事件が起こってからでは遅いですから。

――今回の役だと、例えば特別養子縁組に「生みの親の同意が必要」「子どもが8歳未満(※通常は6歳)」などの要件が出てきます。そういう制度を知っておくことも演技には大事そうです。

貫地谷 そうですね、どういう仕組みになっているのかっていうのは、そのことに限らず最近やっぱり色んなニュースがあるたびに調べます。もう習慣になっています。やっぱり意見がない人に意見を言う資格はないので、自分で見て思うことを記憶しておくというのは自分の日課です。

■「母親になるために必要なこと」

――さっき、最初は役を受けるかどうか迷われたということだと思うんですけど、母親役にはすんなり入れましたか。

貫地谷 うーん。やっぱり今でも入れたのかもわからないし。でも毎日ほんとに辛かったですね、撮影している時は。毎日心が波立っていました。

――集中して撮影されたんですか。

貫地谷 2週間くらいだったので、撮影期間自体も。なのでもうほんとにギュッと。毎日気持ちもギューッとなって撮影していましたね。

――『夕陽のあと』は鹿児島の北西にある、美しい島、長島が舞台ですよね。海がきれいでのどかな雰囲気でしたが、東京からはどうやってアクセスするんですか。

貫地谷 飛行機と車です。映画の最後に橋を渡るシーンがあるんですけど。まさにあそこが島と九州本島とのつながりのところで。

――あれは、本当に胸が締め付けられるようなラストシーンでした。そんな家族がテーマの『夕陽のあと』ですが、過去のインタビューで35歳までに家庭を作りたいという貫地谷さんの願望を見ました。結婚や子どものことをこの映画を機に考えたりしましたか。

貫地谷 20代の頃はすごく明確に理想があったんですけど(笑)。ことごとく夢がやぶれていき、計画は立てない方がいいんだなと最近思っています。

――『週刊文春』のグラビアページ『原色美女図鑑』に2、3年ごとに出ていただいて、インタビューのたびに……。

貫地谷 聞かれるんですよね、結婚願望を(笑)。

――『夕陽のあと』の子役・豊和(とわ)くんがすごくかわいらしかったですが、子どもを持つことを想像したりしましたか。

貫地谷 この作品をやらせていただいて思ったのが「なにをもって母親なのか」。それはやっぱり「責任」なんじゃないかなと思って。責任を感じたら、責任を自分で持てたらお母さんになるのかなと。それってすごいことなので。一概に、すぐ欲しいですとか、そういうのはないですけど。やっぱり人を産んで育てるというのはすごいことだと、自覚を持たないといけないと。

――家族というと、『なつぞら』で草刈正雄(柴田泰樹役)さんの「北海道では開拓者みんなが家族だった」というセリフがありました。『夕陽のあと』でもロケ地・鹿児島長島では「島のみんなで子どもを育てる」という空気を感じました。

貫地谷 やっぱりこういうところって結束が固い。でも本来こういう風であって欲しい理想郷でもあって。今は、隣の人がどういう人かわからないから挨拶もしないっていう風になっていることもあると思うんですけど、やっぱり地域でそういう風になれたらもっと安心して子育てできる環境ができるんじゃないかなと思いますね。だから撮影のとき、島の空気はすごくいいなと憧れていました。

写真=三宅史郎/文藝春秋

INFORMATION

『夕陽のあと』

監督:越川道夫

出演:貫地谷しほり 山田真歩/永井大 川口覚 松原豊和/木内みどり

11月8日(金)より新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー

?2019長島大陸映画実行委員会

あらすじ:
 1年前に長島町にやってきた茜(貫地谷しほり)は、食堂ではつらつと働きながら、地域の子どもたちの成長を見守り続けている。一方、夫とともに島の名産物・ブリの養殖業を営む五月(山田真歩)は、赤ん坊の頃から育ててきた7歳の里子・豊和(松原豊和)との特別養子縁組申請を控え、“本当の母親”となる期待に胸を膨らませていた。ある日、行方不明だった豊和の生みの親の所在が判明し、7年前に東京のネットカフェで起きた乳児置き去り事件が浮かび上がる。

(「文春オンライン」編集部)

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