「ときめかない服は買わない」宇垣美里が語るファッションの哲学

「ときめかない服は買わない」宇垣美里が語るファッションの哲学

©新津保建秀

10月29日の発売とともに、業界内外を騒がしている異色の コラボ増刊「ビームス×週刊文春」 。その巻頭を飾ったのが、週刊文春誌上でも漫画評論連載「宇垣総裁のマンガ党宣言!」をもつフリーアナウンサーの宇垣美里さん。ビームスの最新秋冬コレクションに身を包んでの撮影を終え、これまでのファッション経歴、服にまつわる思い出について、話してもらいました。

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■セーラー服を改造していた女子高時代

――早速ですが、宇垣さんの中学・高校青春時代のファッションはどんな感じでした?

宇垣 けっこう吹奏楽部や塾で、忙しくて……あんまり私服を着ていた記憶が無いんですよね(笑)。高校は制服でも、私服通学でも、どっちでもOKの学校だったんですが、ジャージで来る子もいたし、スウェットで来る子もいたし、ゴスロリで来る子もいる自由な学校でした。うちの近くにポルトバザール(現・三井アウトレットパーク マリンピア神戸)っていうアウトレットモールがあって、私はそことかで買った服をローテーションで着てましたね。

 学校指定のセーラー服、私は改造して着てました。私の頃の神戸って、女子高生のスカートが異様に長い時代で。スカートはなるべく下まで伸ばして、腰で安全ピンで留めて、おなかが見えちゃうからセーラー服の下にセーター着て……って、もう意味わかんない服装ですけど、そんな格好が流行ってたんです。

 東京の大学も受験した時、私が会場に入ったら、「昭和のヤンキーが来た!」と思われたのかみんなザワってなって……。私は私で、東京のパンツが見えそうなくらい短いスカートの女子高生たちを見て、「この子ら、風邪ひかへんのかなぁ」って思ってたんですけど。

――東京の大学ではなく、無事(?)京都の同志社大学に進学されました。京都も素敵なお店が多いですよね。

宇垣 河原町のあたりにはショッピングビルもありますけど、あの辺りはすごい人ごみなので。藤井大丸や、烏丸御池にある新風館(市登録有形文化財だった旧京都中央電話局の建物をリフォームして作られた複合商業施設。2016年閉館)とかによく行ってました。京都は何もかもが近くて。大学から徒歩でも行けるし、授業の空き時間とかに友達と行って買い物してましたね。

 でも私、その頃あんまりお金がなくて。バイトをふたつかけもちして、基本的に家賃以外は自分で払ってて……漫画や小説も大好きなので、洋服代より本代のほうがやばかったですね。新風館にはビームス 京都があったんですけど、金欠学生にとってビームスで買い物する時はコートとか、ワンピースとか、気に入ったものを1点、決心して買うような感じでした。

宇垣 東京に就職活動で出かけるようになると、関西とはぜんぜん流行りも違う!と思いました。「私だけめちゃくちゃ髪の毛が茶色いぞ……!」みたいな。当時は関西のほうがメイクも服装も派手気味だったのかな。一度、豹柄の服を着ていたときに「ホントに関西の人って豹柄の服着るんだね(笑)」って言われて、「エッ、今流行ってんじゃん!? 変なの?」って。東西の差を実感しました(笑)。

 私、もともとはTBSの記者志望だったんですが、アナウンサーのほうが受験日程が早かったので、下準備のつもりでアナウンサー試験を受けたら通ったんです。そのときはまず「もう東京⇔京都を往復しなくて済む!」と思いました。京都の大学生って就職活動時期になると、みんな夜行バスで東京に行くんです。京都駅の南口から学生がリクルートスーツで行列して……。夜行バスで東京行って、また夜行バスで戻ってきて。あれは悪夢でしたね。私は4列シートのバスには耐え切れず、絶対3列独立シートで行ってました。

■「ミスコンらしい服、女子アナらしい服」

――宇垣さんは在学中に大学のミスキャンパスも獲られてますが、いわゆる「ミスコン対策」のファッションなんかもされたんですか?

宇垣 ミスキャン選考の時は、ぜんぜん服装に気を遣ったりはしてなくて、普段どおり。大会当日の日だけは「結婚式の二次会!」みたいな、いわゆるミスコンっぽい格好をしないといけないんですけど。

 それより、上京してアナウンサーとして勤めるようになってからのほうがいろいろ服装には気を遣いますよね。でも東京もどのお店に行けばいいかわかんなくって。そもそもアナウンサーって「何を着てるんだ!?」って。何着たらいいんですか?って先輩に聞いて回ってました。あと、「CanCam」とか「美人百花」を読んで勉強したりとか。

――社会人になってからの服装は、みんな悩みますよね。

宇垣 もちろん、テレビに出演する時は番組が用意してくれる衣装があるので、私服でテレビに出ることってほとんど無いんですよ。でも通勤時も、ちゃんとそういう服を着ないといけないんじゃないかと思ってて。

――「ちゃんとした服で出社しなさい」っていう指導とか、雰囲気があったんですか?

宇垣 いえいえ、ぜんぜん。良く見たら、先輩達も好きな格好で出勤してるわ……って。服が好きな先輩はすごいお洒落な格好で来るし、ジーパンにTシャツ、リュック、みたいなラフな感じの人もいたし、本当にいろんな人がいたので「そんなに気にしなくていいんだな」って。私も半年くらい経てば、自由なファッションで出勤するようになりました。

――いまフリーになられてから、グラビアやコスプレのお仕事などもされて、着る服の幅はひろがりましたよね?

宇垣 そうですね。プライベートだけじゃなくテレビに出るときも、アナウンサーの時は絶対に選ばなかった材質であるとか、形であるとか、主張が強すぎてこれまで着られなかったものが選べたりとか。TBSのころは視聴者の方が気になるような、大きすぎるイヤリングはしてなかったんですけど、フリーになってからは選んでもいいかな、って。チャレンジできるようになったことはすごく楽しいですね。

■「ときめかない服は選ばない」

――今回、週刊文春×ビームスの撮影で着て、気に入った衣装はありますか?

宇垣 最後に着たピンクのニット。えりがモフっと首元まであるの好きなんですよ。形も色もかわいくって、長いスカートに合わせてもいいし、パンツでもいいし。だって、コートからちょっとこの形のピンクのえりが見えてるだけで絶対かわいいじゃないですか!

――宇垣さんの服のこだわり・哲学があれば教えてください。

宇垣 あんまりこういうジャンル、というのはないですが、守っているのは「ときめかない服は選ばない」ルールですね。「これ1枚あったら便利だな」って思って買った服って、あんまりテンションが上がらなくって。それより、手に持ったときにときめくかどうかが大事。

 たとえその服がすっごく派手で「それ着て人に会ったら顔覚えられちゃってもう二度と着れません!」みたいな服でも、いいんですよ、テンションが上がれば! そのとき、私自身が「ああ〜、この服着ている私、今、かわいい〜〜〜〜!!」って思えることが一番大事なので。

 あと、「私が買わなきゃ誰が買う!?」って思う変な服、つい買っちゃいますね。売り場で遠くからでも目に飛び込んでくる特徴があるとつい寄っていっちゃうんです。「トンチキが呼んでる」って思って(笑)

撮影=新津保建秀
スタイリング=小川久美子
ヘアメイク=石岡悠希

(「週刊文春ムック」編集部/文春ムック 週刊文春が迫る、BEAMSの世界。)

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